コロナ禍で見えたネット通販の可能性
JECCICAコラム「コロナ禍を救うは、ネット通販の顧客主義か」より
先日、一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)にて「コロナ禍を救うは、ネット通販の顧客主義か」というコラムを執筆しました。コロナ禍による外出自粛や百貨店の休業を目の当たりにして、“これからの小売はどうあるべきか”を改めて考える内容になっています。今回は、そのポイントをかいつまんでご紹介しながら、145MAGAZINEとしての視点も交えてまとめてみます。
1.ロケーション頼みの商売からの転換
かつては「いい場所に店を構えれば集客できる」というロケーション重視の商売が当たり前でした。70年代のファッション業界を例にとれば、メーカー主導で百貨店が人を呼び込み、メディアが拡散する流れでした。しかし今や、百貨店の集客力は大きく陰り、**顧客ニーズを直につかむ製造小売業(SPA)**が台頭する時代へと移行しています。
• ZARAやユニクロのように、リアル店舗と自社の企画・生産を直結し、トレンドを即時に商品へ反映。
• 場所に依存せず、顧客が何を望んでいるかを先にキャッチし、商品や販売方法に活かす手法が主流となりつつあります。
2.ネット通販が加速させる“顧客主義”
そこにさらにネット通販が組み合わさることで、“ロケーションを問わない顧客との直接的なやりとり”が可能になっています。今回のコロナ禍で百貨店が休業してしまい、実店舗で売り上げを立てられない企業も多い中、
• ネットを使いこなし、生産性を高める企業ほど、状況変化に対応しやすい
• 逆に百貨店のようにネット対応が遅れていたところは、店舗・ECともに休業してしまい、大打撃を受ける
という差が顕著に見え始めました。テクノロジーを活かし、顧客の声を逃さない企業が生き残る構造になっているのではないでしょうか。
3.“ショッピングモール自ら”自社ECを支援する時代
コラムで取り上げている事例として、ヤフー関連企業のB-SLASHが「Yahoo!ショッピングに出店中の店舗が、自社オンラインショップを簡単に立ち上げられるサービス」を提供していることが挙げられます。一見すると「Yahoo!ショッピングの競合になるのでは?」と思われがちですが、ここに顧客主義の本質があると考えられます。
• ショッピングモールで買いたい顧客と、自社ECサイトで買いたい顧客は、実は行動スタイルが異なる可能性が高い。
• それぞれのチャネルで顧客のニーズを捉え、一人ひとりの購買行動を俯瞰して追いかけることで、より大きな売上や満足度向上が期待できる。
つまり、単に「自社EC」「モール」「実店舗」というチャネルを分けて考えるのではなく、**“チャネルを超えて顧客一人ひとりとどう向き合うか”**が問われているわけです。
4.145MAGAZINEとしての視点
コロナ禍による外出自粛や補償制度の問題など、厳しい局面が続いています。しかし、ここでただ耐え忍ぶだけではなく、“どう意識を変えていくか”が試される段階とも言えます。
• オムニチャネル戦略だけにとどまらず、顧客IDを通じたデータ活用や、オンライン×オフラインの相互連携を強化する。
• コロナが収束した後も、現状で学んだ新しい働き方や販売手法を継続し、より生産性を高めるきっかけにする。
いまネット通販を運営している企業も、改めて顧客接点や社内体制を見直す絶好の機会ではないでしょうか。
5.JECCICAコラムをさらに読む
詳しい内容は、JECCICA客員講師として執筆したコラム『コロナ禍を救うは、ネット通販の顧客主義か』にまとめています。興味のある方はぜひ以下のリンクからご覧ください。
コロナ禍を救うは、ネット通販の顧客主義か
百貨店や製造小売の過去から学び、コロナ禍を乗り越えるヒントを探るきっかけになれば幸いです。