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経済圏 の方向性の違い 楽天 は“物流” 。 ヤフー は“ソーシャル”。

楽天とヤフーはどちらも独自の経済圏を形成している。しかし、その性質には違いがある。企業側が公には認めていないとしても、ビジネスは常にトレードオフが伴うもの。その結果、それぞれの強みが明確になり、経済圏の特徴が浮き彫りになる。(石郷/講演セミナーより一部抜粋)

同じ「経済圏」でも異なる戦略をとらざるを得ない理由

1. カード×ポイント vs. スマホ決済×ボーナス

楽天は、「楽天カード」と「ポイント」を経済圏の核とし、EC利用時に“カード決済+ポイント還元”を組み合わせることで、ユーザーの囲い込みを強化している。

ヤフーは、「PayPay」を中心に据え、スマホ決済と残高ボーナスを前面に押し出す。リアル店舗での利用を入り口にしながらユーザー接点を広げ、クレジットカードの普及で楽天に後れを取った分、スマホ決済で差別化を図っている。

2. 「物流投資」×「オムニチャネル」──楽天の新たな戦略

フルフィルメントの強化でAmazonに対抗

これまでAmazonが先行していた物流インフラ構築に対し、楽天は大規模な投資を行い、フルフィルメント強化を本格化。物流の強化こそが差別化の鍵と位置づけている。それはなぜかというと、商品を購入する動機として、いつ届くか、という部分がやっぱり差別化要因になるから。基本的にモールは他の商品との比較の中で購入することが多いから、配送も差別化要因になるわけである。

ECと物流を一体化した“楽天モデル”を構築

それを踏まえて、自社投資+日本郵便との合弁により、ECと物流を一体化。これにより、配送スピードとコストの最適化を図りながら、派生させる形で「楽天西友ネットスーパー」や「楽天ファッション」 など、オムニチャネルの展開を進め、ブランド側にも新たな価値を提供している。

リアル小売との連携を支援し、デジタル×リアルを強化

物流インフラの整備が進まない企業に対し、楽天が「共通インフラ」として機能することで、ECとリアル店舗の接続を強力にサポート。これにより、オムニチャネル戦略を加速させようとしている。極論、彼らはそこから派生して、ファッションジャンルの強化を図ろうしているわけだ。

関連記事:「 楽天ファッション 」オムニチャネル 施策 機会損失をなくし 売上 と 利益率 を改善

3. 「ソーシャル」×「決済インフラ」──ヤフーの強みとLINE連携

LINEとの連携で“コミュニケーション経済圏”を構築

ヤフーは、LINEを取り込むことで、コミュニケーションを核とした独自の経済圏を築いている。単なるECプラットフォームではなく、ユーザー同士のつながりを活かした購買体験を強化しているのが特徴だ。

公式アカウントとLINEギフトで“ソーシャル消費”を促進

企業や店舗が持つLINE公式アカウントを通じて、ユーザーに直接アプローチ。さらに、「LINEギフト」を活用することで、“友だち同士のやり取り”がそのまま購買につながる仕組みを構築。ECを単なる「モノを買う場」ではなく、「ソーシャルな体験」として発展させている。

PayPayの普及で中小企業・地元店舗をEC化へ

PayPay加盟店が全国に広がる中、中小企業や地元の小規模店舗もEC市場へ巻き込もうとする動きが加速。リアル店舗とオンラインを結びつける決済インフラとしてのPayPayの強みを活かし、ヤフーはさらなる市場拡大を狙っている。

• ヤマト運輸との連携を強化し、実店舗+自社EC+既存モールをまとめて支える物流ネットワークを拡充。安さより「便利さと接点の多さ」でユーザーを囲い込む戦略を打ち出す。

4. 「モールの集客力」か「決済×コミュニケーション」か──楽天とヤフー、異なる戦略

楽天は「楽天市場」を中心に、ポイントや物流を活かして回遊性を強化

楽天は、「楽天市場」や楽天ポイント、物流インフラを一つの「楽天」ブランドの下で統合し、モールの集客力を最大化する戦略を取っている。これにより、ユーザーが楽天経済圏の中で繰り返し利用する仕組みを強化している。

ヤフーはECモール+LINE+PayPayの総合インフラで差別化

一方でヤフーは、「Yahoo!ショッピング」や「PayPayモール」だけでなく、自社ECとの連携やLINEを活用したユーザー間の交流を加え、“総合インフラ”としての強みを打ち出している。これにより、楽天とは異なる形でのユーザー獲得を狙っている。

小売・店舗側は“どこに参画するか”が重要な選択に

いずれの戦略も、小売業者やブランドにとっては、どの経済圏と組むかが大きな経営判断となる。楽天は「物流強化でモールを支える」方向へ、ヤフーは「ソーシャル×スマホ決済でリアル店舗を起点に拡大する」方向へと進んでおり、どちらを選ぶかによって、顧客との接点や物流網が大きく変わる

そのため、小売業やブランド側は、早めに自社の方向性を定め、どの経済圏と連携するかを戦略的に考える必要があるのかもしれない。

今日はこの辺で。

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