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ラジオ出演:経産省の電子商取引に関する市場調査の結果

77.6FM 「FMドラマシティ」エーデルワイスファーム野崎創さん司会「connect」に、11時から生放送(毎週木曜AM11:00から)に出演します。今話題の、今注目の・・・様々な問題やテーマについて切り込む時間。今回話すのは・・・

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 一つ目は、毎年恒例の経産省の電子商取引に関する市場調査の結果で、僕は毎年、EC化率という言葉を編み出して、7年編纂に関わった元 大和総研の本谷さんと対談しています。

 

 彼曰く「まだ」順調に伸びています。前年(2021年)が13兆2865億円だったのに対して、2022年は13兆9997億円。EC化率は、前年(2021年)のEC化率8.78%に対して、2022年は「9.13%」。ただ、増減率を見れば、前年の2021年が「8.61%増」。2022年の増減率は「5.37%増」です。いよいよ、伸び率は下がってきました。

 

 僕らは人の行動変容が起きたところに学びがあるので、それを見ると、「食品、飲料、酒類」のカテゴリーが注目で、これも見るべきは、2021年対比の「EC化率」の「増減率」であり、家電系はわずか「3.84%」しか伸びていないのに、2022年は「9.15%増」。

 

 おそらく、スーパーマーケットがネットスーパー然り、デジタル化を推進しているのはあるんですが、大事なのは、それによって消費者がついてきているということなんです。支えるのは何かというと、共働き比率の高さが70%に迫る勢いであるのと、独身者の増加で、食品における「調達」及び「作る」という行為の簡素化が進んでいるのではないかと。

 

 簡素化という部分で、デジタルが果たす役割が大きく、わざわざリアルのスーパーに通い詰めなくなっているわけですね。ただ逆に言えば、そこに付加価値をもたらす食品には、別の意味で、伸び代があると言えそうです。

 

 こういう概論があるなかで、え?と思ったデータを本谷さんが教えてくれました。物販系BtoC EC市場規模に対しての「モールのGMV」なんです。

 

 市場規模は約7000億円伸びているけど、モールのGMVは前年対比で1.2兆円のびているんです。本谷さんは、淡々とこのデータに基けば、自社ECは確実に減少に転じていますと。

 

 すごくリアリティを持ったデータだと思いました。自社ECに伸び代がないという意味ではなく、僕が思うに、自社ECを脱落して、モールに駆け込んだんだろうと。自社ECは独自性を持った売り方が必要ですから、ここで差別化を見出せない店舗はモールに行ったのだと推測するのがベターだろうと思いました。つまり、ここから二極化が進むはずです。自

 

 モールの勢いの凄さを実感しつつ、一方で自社ECにも梃入れすることで、事業者は他との差をつけられるのではないかと思っています。

 

 もう一つは、自社ECで伸ばすってこういうことだなという話です。先日、原宿で、文化商店というイベントをやっていたのですが、ここは自社のオンラインストアで商品を販売する事業者が、リアルでその価値を伝えていくというものでした。

 

 今ってリアルとネットを切り離すのがナンセンスだから、主催のフラクタは敢えて、自らがブランディングに協力してくれた店に呼びかけて、それらを集めて、それらの文化に焦点を当てて、リアルで売る機会を作ったというわけです。

 

 だから、着眼点の面白さがあって、僕が注目したのは「クランド」というお店。日本酒のお店ですが、見るべきは、購買層で、そのほとんどが年輩、、、ではなく「若年層」なんです。

 

 なぜ、そうなったかというと、彼ら自体が、自らの日本酒だけではなく、他の酒蔵やこういう農家と連携を果たして、オリジナルの酒を開発していること。若年層が興味を示すよう、SNSを通して、ジャムやピューレのようなアレンジをしても楽しめることを謳うのです。

 

 そのお酒は敢えて「クラフト酒」といって、小規模生産で作ります。例えば、石川県の高松はぶどう栽培が盛ん。だから、丹精込めて作ったぶどうを一粒一粒、大切に収穫して果肉とお酒をかけあわせるわけです。

 

 従来の日本酒にはない洗練された雰囲気が、SNSとの相性もバッチリでその効果が最大化されます。そのまま地方の魅力を伝えたり、お酒の魅力を伝えても、こうはならなかった。

 

 そして、それらはECサイトへ誘い、成果を出していく。大事なのは自らの価値を受け入れながら、それを差別化要因にまで仕上げて、そして発信の仕方と売り方をセットで考え、伝えてオリジナリティを発揮すること。

 

 先ほどの自社ECの話にも通じますけど、価格以外で勝負をするためには、そうやってECを通してどうブランディングしていくか。そういうことになりますが、そういう意識が、2024年以降大事になりそうな予感がします。

 

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