デジタルとリアルの融合を求められる百貨店――伊勢丹の課題と楽天の成長
毎週木曜のAM11時から生放送されている、77.6FM「FMドラマシティ」の番組「connect」。エーデルワイスファームの野崎創さんが司会を務め、今の時代を読み解く様々なテーマを取り上げます。隔週で僕が登場する「アナザーエディション」では、三越伊勢丹の決算報告とネット通販を主とする楽天の動向を切り口に、コロナ禍における百貨店ビジネスの在り方とデジタル戦略の重要性を考察しました。
【内容まとめ】
1. 三越伊勢丹に見るデジタル戦略の遅れ
三越伊勢丹の2020年度決算では、売上高が前年比6.5%減の大幅な下落を記録しました。デジタル強化の方針を掲げながらも、リアル店舗への依存度が依然として高く、コロナ禍による不確実性が業績予想を困難にしている状況です。リスクヘッジの一環として、リアルとデジタルをどう融合させるかが今後の大きな課題となっています。
2. 楽天が示すネット通販の光明
一方で、ネット事業を主軸とする楽天は2020年度第1四半期の利益こそ減少しましたが、4月のネット通販の流通総額は57%もの増加を見せました。コロナ禍でも柔軟に対応できるデジタル基盤があることで、厳しい状況下でも一定の成長を維持できたと言えるでしょう。この事例が示すように、リアルとデジタルのバランスを取るリスクヘッジが、今後さらに重要になるはずです。
3. 顧客満足度向上のために必要なデジタル化
伊勢丹がデジタル化を進めようとしているものの、ただオンラインへ移行するだけではなく、顧客満足度をいかに高めるかが鍵となります。自社の個性をオンライン上でどのように表現し、愛され続ける顧客を増やしていくか――その視点が、百貨店の復活には不可欠です。
今の規模を無理に維持し続けるのではなく、コアとなる顧客に真摯に向き合い、ネットでも独自の体験を提供できるような柔軟性が求められています。
4. 「愛される顧客」をどこまで大切にできるか
伊勢丹ほどのブランド力がある企業でも、戦略の転換を誤ると業績低迷からの脱却は容易ではありません。しかし、正しいデジタル戦略と徹底した顧客志向さえあれば復活の可能性は大いにあります。コロナ禍を機に、リアル店舗での高級感やホスピタリティをオンラインでも実現し、顧客の心を掴む試みが期待されます。
- 【番組情報】
- 番組名: connect
- 放送局: 77.6FM 「FMドラマシティ」
- 司会: エーデルワイスファーム 野崎 創さん
- 放送時間: 毎週木曜AM11:00~生放送
- 北海道を中心に放送されている番組ですが、全国どこからでもPCやスマホで気軽に聴くことができます。
- • スマホアプリ 「リスラジ」から「選局」 → 「776FM FMドラマシティ wonder storage」
- • ウェブサイト http://listenradio.jp から「全国のラジオ局 → 北海道 → radio TXT fm dramacity」
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野崎さんの「メディアは身近なものだからこそ、発信者の中身が問われる」という想いから誕生した、僕の「アナザーエディション」コーナー。許される限り隔週で出演していますので、百貨店の今後やデジタル戦略について、ぜひ耳を傾けてみてください。