2022年 天猫ダブルイレブン総括——EC市場の進化を象徴する祭典
2022年11月12日、中国最大級のECイベント「天猫ダブルイレブン・ショッピングフェスティバル(以下、天猫ダブルイレブン)」が終了した。今年の流通総額(GMV)はどのような結果となったのか。アリババグループ・ホールディング・リミテッドが発表したデータをもとに、その動向を振り返る。
7000に及ぶ商品カテゴリー、世界中のブランドが参戦
今年の天猫ダブルイレブンには、世界90以上の国と地域から290,000を超えるマーチャントが参加。その商品カテゴリー数は7,000に達し、EC市場の多様化が進んでいることを示した。
10月31日午後8時(北京時間)に第1弾の決済が開始されると、わずか4時間で130以上のマーチャントが1億元(約20億円)を超える売上を記録。また、第2弾開始後の4時間と比較すると、売上が100%以上増加したマーチャントは5,600以上にのぼった。
2022年のハイライト
海外ブランドの躍進
・Tmall Global(天猫国際)では、1,009の海外マーチャントが前年同期比100%以上の売上増を記録。
・グローバルブランドの影響力がさらに強まり、中国市場でのEC戦略が進化していることが伺える。
トレンド商品が市場を牽引
・特に成長が目立ったのは「アウトドア・スポーツ」「ペット用品」「コレクターズトイ」「宝飾品類」の4分野。
・消費者のライフスタイルの変化を反映し、趣味や自己投資に関する市場が拡大。
ライブコマースの爆発的成長
・3億人以上の消費者がタオバオライブを視聴。
・62のライブコマースチャンネルが1億元(約20億円)超の売上を記録。
・632のチャンネルが1,000万元(約2億円)以上の売上を達成。
物流とテクノロジーの進化
・アリババグループの物流部門「ツァイニャオ・ネットワーク」は、1億2,000万個の荷物を戸口まで配送。
・自律型配送ロボット「小蛮驢(シャオマンリュ)」を700台導入し、前年の2倍にあたる約200万個の荷物を配送。
環境配慮とサステナビリティの推進
・ツァイニャオの全国130,000か所の拠点で、11月1日から11日までに約400万個の使用済み段ボールを回収。
・平均10万人以上の消費者が毎日、リユース梱包資材を利用。
・省エネ電化製品や衣類、化粧品、食品など163万点以上の商品が環境配慮型の「カーボンラベル」付き。
農村ECの可能性拡大
・タオバオライブは農村部で地元の特産品を販売するライブコマースを10万回以上実施。
・11月7日までに合計3,549万点の農産品を販売。
・46,000種類以上の農産品が前年同期比200%以上の売上増を記録。
まとめ
2022年の天猫ダブルイレブンは、海外ブランドの市場拡大、ライブコマースの成長、物流の進化、環境配慮型ECの推進など、多方面での変革が見られた。特に、消費者の多様化するニーズに応える形で新たなトレンドが生まれ、EC市場の成熟が一層加速している。
今後もこのイベントは、単なる大規模セールに留まらず、テクノロジーと消費動向の最前線を映し出す舞台として進化を続けるだろう。