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メイクショップ流通総額3000億円の見込み 定着したECでの需要

「MakeShop byGMO」に関しての2022年年間流通額が3,000億円に到達する見込みだそうだ。これは、過去最高を更新した昨年の2,749億円を上回る推移で成長していることになる。EC全体が落ち着きつつも確固たる買い物のスタイルと浸透して、いかにこれを維持できるかが重要となる。また、あわせて、決済の手段なども変化が見られ、それらからみても、新しい買い物スタイルは定着することにありそうだ。

トピックス

  • 【コロナ禍3年目のEC市場トピックス】
  • ・「MakeShop byGMO」の年間流通額は今年も2桁成長で過去最高を更新し3,000億円到達見込み。
  • ・2022年のECの利用は、コロナ禍以前の季節需要に応じた動向へ。
  • ・2020年以降、「フード・菓子」ジャンルが導入店舗トップシェア。注文数も「フード・菓子」が急増、流通額では「ファッション・ブランド」が1位。
  • ・ID決済の注文割合が3年で10ポイント増の急成長。複数の決済方法を導入している店舗のほうが高い売上に。
  • ・地域別の導入店舗数は、九州・四国・中部・北海道と地方で大きく伸長。GMOメイクショップでは、地方におけるEC化・DX化の支援体制を強化。
  • ・コロナ禍で急増した補助金の申請希望は減少するも、支援強化で採択率は向上へ。
  • ・2022年は「海外販売機能」の導入店舗数が急増、越境ECは今後も増加へ。

 冷静に考えると、ECを必要される層に行き渡り始めている。2020年は特に、コロナ禍による巣ごもり消費需要の増加から急成長を遂げ、前年比135%の2,343億円。2021年はそこからさらに117%成長し2,749億円である。伸び率が低下していることからすると、そろそろ落ち着きを見せてくるに違いない。ただ、それは悲観的なことを言っているのではなく、どんなものにも適正な範囲があって、そこに近づいているに過ぎない。それだけECは市民権を得たということだ。

各ジャンル別で見る

【ジャンルごとの導入店舗数・注文数・流通額の傾向】
■2020年以降、「フード・菓子」ジャンルが導入店舗トップシェアに

2022年12月現在で最も多いのは、「フード・菓子」ジャンル。導入店舗のうち18.1%を占める。

次いで「ファッション・ブランド」が13.2%。「生活・インテリア・文具」が12.7%である。2019年までは「ファッション・ブランド」が最も多く15.2%で2020年に「フード・菓子」が逆転し、以降増加を続けているといった具合。

■注文数も「フード・菓子」が急増、流通額では「ファッション・ブランド」が1位

ジャンルごとの注文数を見てみよう。2019年は1位が「ファッション・ブランド」で全体のうち17.2%。2位が「フード・菓子」で13.4%で続き、3位が「生活・インテリア・文具」で9.3%。

それが2022年1月~11月のデータでは、「ファッション・ブランド」が17.9%。それに対し「フード・菓子」が17.6%。両者はほぼ並んだ。
一方ジャンルごとの流通額で見ると、状況は変わる。「フード・菓子」は商品単価が低いからだ。2022年1月~11月のデータはこうなる。1位は「ファッション・ブランド」12.6%。2位が「フード・菓子」10.4%。3位が「家電・AV機器・カメラ」9.7%。

【決済手段ごとの注文数・売上傾向】
■ID決済による注文の割合が3年で10ポイントも増加し急成長

2022年1月~11月の注文数を決済手段ごとに見てみよう。1位はクレジットカード決済が54%。2位はID決済で16%。3位は銀行振込で9%。だが、2019年と比較するとID決済が10ポイントも増加し急成長しているのである。この背景には、キャッシュレス化の浸透が挙げられそうだ。また、それは、実店舗でも非接触で購入できるID決済が、コロナ禍を背景に利用頻度が増えたことで拍車がかかっている。もう代引きの時代ではないのだろう。

【地域ごと導入店舗数】
■九州・四国・中部・北海道と地方での導入店舗数が大きく伸長

地域別の導入店舗数では、関東が全体の46%。しかし、2022年と2019年を比較した成長率で見ると、これが面白い。九州が150%と最も伸びているのだ。次いで四国が141%、中部・北海道が131%である。コロナ禍で観光業が打撃を受けた地方事業者が販路拡大のためEC化に乗り出したこと。これは間違いない。そこに加えて、業務効率化のためにDX化を推進する動きが活発化したことが影響している。地方の導入店舗数が急増した背景には、デジタルに身近になった様子が窺える。

■関西は「フード・菓子」が1位に浮上、関東は依然として「ファッション・ブランド」が1位

地域別の導入店舗数をジャンルごとに見ると、関東・関西以外の地方では以前より「フード・菓子」ジャンルの店舗数が最も多い傾向にある。ただ、コロナ禍により「フード・菓子」の成長はさらに加速。九州・四国・北海道・東北では30%以上を占めるまでになったという。

一方、コロナ禍以前は「ファッション・ブランド」が最も多かった関東・関西。そのうち、関西では2022年に「フード・菓子」が追い抜いて1位に浮上している。一方で、関東では依然として「ファッション・ブランド」が1位となっている。

【補助金の活用傾向と導入機能の傾向】
■コロナ禍で急増した補助金の申請希望は減少するも、支援強化で採択率は向上へ

一時、急激な時代の変化に伴い、「MakeShop byGMO」導入において、補助金の活用する機会が増えていた。2020年は、巣ごもり消費需要に対応するべく新規導入店舗が前年比144%と急増。この開店資金に補助金を活用する事業者も多い。経済産業省による「サービス等生産性向上IT導入支援事業の申請希望者は前年比527%と大幅に増加したのである。

ただ、2022年も多くの申請希望を受け付けているが、2020年と比較すると半分以下に減少した。

■2022年は「海外販売機能」の導入店舗数が急増、越境ECは今後も増加へ

「海外販売機能」。その導入店舗数の急増は、2022年の特徴である。2022年4月の提供開始直後から円安の影響で注目が高まり、毎月100件ペースで導入店舗数が増加。12月14日時点で900件に到達した。海外販売による流通額も増加を続けているという。

円安傾向はピーク時と比較し落ち着きを見せている。だが、インバウンド消費の減少が回復していない。それゆえ、越境ECへの対応によるウェブインバウンド需要の獲得に対する期待も大きい。そこに加え、「海外販売機能」は追加費用負担もないため、引き続き導入店舗数の増加が見込まれそうだ。

参考:GMOメイクショップ