消費者白書 に想う 大量廃棄 食品ロスに 通販 物流 の重要性
何気なく小売や 通販 物流 の大事な使命を思った。一昨日に消費者庁から令和2年「 消費者白書 」が発表され、ここで長らく産業革命以降、経済の発展の為に進められてきた事業が結果的に 食品ロス 大量廃棄 を生む問題を起こしている事が指摘されている。過去においては大量生産、大量消費の元に、大きな宣伝をかけてまとめて回収するものの、消化率に対しての意識は薄かったように思う。製造、生産から小売、お客さんの手元に届くまで仕組みを含めて、考える必要性を思った。それと同時に、パルシステム生活協同組合連合会の事例を見るに、小売や 通販 物流 の重要性を思ったのである。
消費者白書 で想う 大量廃棄 食品ロスに 通販 物流 が重要な理由
パルシステム生活協同組合連合会(以下「パルシステム」という。)は、首都圏を中心に約 160万世帯が加入している生活協同組合で、全国の生協に先駆け個人宅配を始めた。パル システムでは、定期的に組合員と接触の機会がある宅配の強みをいかし、産地の生産者、消費者である組合員、商品の調達や提供を行う生協職員が一体となり、互いの理解を深めながら、それぞれが持つ課題を解決する「協同」の具現化に取り組んでいる。
そもそも生協の宅配事業は、事業者の視点からは事前受注で数量を把握することができ、そのため在庫リスクが少なく、また消費行動の視点からも店舗購入と比べて衝動買いが少ないなど食 品ロスが発生しにくい仕組みになっている。注目すべきは、生産者や消費をする組合員との普段からのコミュ ニケーションがあったからこそ実現した食品ロス削減の取り組みがあることだ。
例えば、形がいびつだったり、傷がついていたりする規格外の農産物は、味や食感といった本来の品質には問題ない。このような規格外農産物をうらごしやスティック状に加工し販売したところ、なかでも「うらごし野菜」シリーズは、離乳食やスープの素材として好評。いずれも栽培履歴が明らかな産地指定の食材を使用しているため、食品の安全性に関心の高い主婦層からも人気がある。
天候は不振の理由にならない、仕組みでフォロー
天候不順等の影響で等級が下がった農産物も積極的に活用していて、例えば、 2008年、青森県でひょう害のため大量の「傷つきりんご」が発生した際は、傷つきりん ごを原料としたジュースの利用を呼び掛けた。
また、2016年に台風の影響で収穫された米が白濁する「シラタ米」が新潟県 で多発した際には、炊き上がりの見た目や 食味に大きな影響を与えないことを丁寧に伝えながら、利用を呼び掛けたのだ。こうした取り組みは、生産者支援にもつながっている。
また、組合員の声から生まれたアイデアもある。ブロッコリーは形やサイズをそろえるために、通常は茎の部分を中心に1株当たり45%ほど切り捨てるところ、長 めに残すことで廃棄率を25%まで抑えることができた。同じ量の原料から商品化できる割合が増えたことで、食品製造事 業者の経営的にもメリットが大きかったというのだ。
配送員とお客さんの信頼関係が商品の理解を生む
これは一例にすぎないが、ここで思うことは配達網であり、日頃から配達員がお客さんと関係性を密にして、信用があるからこそ、理解があり、また生まれたアイデアなのではないかと思う。話が逸れるかもしれないが、昨今、ヤマトホールディングスの決算に関する話題で、契約社員のドライバーの増員で人件費の増加が響いて、営業利益率は2.7%でしかないという話があったが、もはや配送だけで完結させる問題ではなく、総合的にそのドライバーの持つ付加価値を最大化させるための事業の仕組みに転換していくことも必要かもしれない。
また、今回、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、とある農家がその出荷先を失い、何百トンもの農作物が土に埋まったまま、廃棄になってしまうという切実な声を耳にした。決して農家を責められないし、また力技でこの窮地を救えても、これからまた同じ事態になった時を思うと少しも農家は救われていない。消化率を考慮した上での生産体制の構築を、農家に任せることなく、関わる業者が一体となって考えるべきではないか。消化率を上げるための努力は一社ではなく、垣根を超えた取り組みの中でこそ、生まれるのではないか、と思う。
ネット通販で言えば、最近は、楽天やヤフーなどネット通販系のプラットフォーマーの多くは最近になって(Amazonは当初からだが)、配送や物流に力を入れている。ただ、物流の安さの比較ではなく、自分たちが持つ商材とそれが生み出すお客さんとの信頼関係から、お客さんの理解に訴え、生産者、製造元と連携しながら、効率化を図る施策をするにことこそ、僕は、彼らが、その立場にふさわしい役目を果たしていると思う。
世の中の事業の仕組みが大きく転換期を迎えている今だからこそ、今までやってきた“常識”を改めて見直し、“未来の常識”を探す工夫が、それぞれの企業に求められているように思うのだ。