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SNSで見えてきた人の本質 ニッチな世界からなぜ熱狂が生まれるのか

 SNSからなぜ熱狂が生まれるのだろう。果たしてその中でヒットが生まれるのは何故だろう。それを思って先日、アダビト代表取締役 後藤颯太さんと話をしていました。その時、彼が話してくれた「SNS」の考え方が非常に興味深く、本質をついていた。

徹底してニッチであること

 彼について簡単に説明すると、アダビトという会社の代表取締役を務めている。「あさみみちゃん」というキャラでTikTokで、フォロワー300万人を達成して、思いがけずキャラクター業界で脚光を浴びた。

 特徴としてそのキャラクターを人間さながらにプロデュースしていて、だから、本質をついている。その先頭に立つのが彼で、そのTikTokで上り詰めるまでのところで、今の時代を生きる人たちの熱狂や価値観の情勢のされ方で色々気づきがあったというのだ。

 一番、気づいたことは、そこに存在する価値観がとにかくニッチであるということ。

 例えば、コスプレに関してのSNSでの価値観があったとしよう。我々が描くその価値観は、コスプレ全般に向けられるものが多いのではないだろうか。でも、彼は違うというのだ。

 そのコスプレの中でも、さらに細分化されていて、その一つ一つにユーザーが複数集まったコミュニティが形成されていると。そこまでニッチなの?というレベルである。

 だから、熱狂が生まれるのはすごく難しい時代だと漏らす。ただ、それだけ正直であるとも言う。ここは「あさみみ」ちゃんのマネージャーとしてそこは本当に何度も考えたこと。そう彼は言っている。

王道がありながらもさらに細分化された価値観

 つまり、王道がありながら、さらに細分化されている文化がある。いまや文化は分断が生まれていると。だから、もはや各々の人たちのSNS上では「本当に自分の好きなものしかでてこない」。それがその人の「生きる全て」になっているから、マスの人気が生まれにくいということにもなる。

 そう考えると、その好きなものへの情熱が「本気」なのかが試される。嘘偽りが決して通用しない。でも、その分、関係性は強固で一体感を持って、熱狂が生まれるというわけです。

 だから、小手先は通用しない。だから、逆にSNS戦略を考える上で大事なことは、「本気」であることだと思った。その伝えたい思いが『本当に』という形容詞をつけられるほどかどうか。それを念頭に配信してみることが、真にファンが得られることにつながると思った。嘘偽りは決して通用しない。エセ○×ファンじゃダメだし、商売の材料だと思わせた瞬間に、もうダメだと思う。

 何かしら商売にも意味がある。

 もう少し、ビジネス的にどうアプローチしたらいいのか。その部分を考えてみた時に、彼は面白い表現で例えて説明してくれた。「人は極論、『怪盗20面相みたいなもの』なんです」と。

人間はみんな怪盗二十面相????

 え?怪盗20面相????

 実は人はそもそも、色々な価値観を持っていて、一つの側面で人を推し量ることは難しいはずなんですと。実はその道のプロなんですよね。それを案外、人それぞれ意識していない。人からどうみられるか、とかがそれを邪魔している。恐らくこれが今までの時代だと埋もれてしまうと。マスの力と同調圧力によって。でもそれが拾い上げて、最大化できるのがSNSであると。

 でも、逆にいうと、長所でもあり短所でもあるのが、一つの方向から定義づけて、深掘りしてしまう。それがSNSなのである。そこで、人間って内面が20面くらい持っているはずなんですと敢えて、いうわけです。自分の本気度の高いものをSNSで発信すればいいと。

・価値観の最大公約数

 そこでどうビジネスに変えていけるか。企業側からそれをどう俯瞰すればいいのか。それは、その一面だけを切り取って、その一面が日本だけでも1000万人くらいは存在するというようなことを見つけられるか。そこじゃないでしょうかと。つまり、いわゆる商品の生産ロットとの兼ね合いを見ながら、その価値観の最大公約数はどこにあるかを考えるってことこそがこれからの時代でヒットを掴むことなんじゃないかというわけです。なるほど、深い。

 最初からマスメディアで誘導して1000万人のファンを作るのではなく、人それぞれに潜在的に存在する細かな価値観を束ねて、1000万人という括りにするというのである。

 発想の順序が逆転しているといいます。そこを念頭に置いていけばいいと。彼らの場合はキャラクターだったけど、それが商品でもいいし、動画なりのコンテンツでもいいと。

 そうすれば、その一人ひとりにとってかけがえのないコンテンツが生まれる。それは、常に持ち歩きたいと思えるほどのよりどころになるはずですと。どの価値観を捉えたら儲かるという話ではなく、今を生きる人の小さな価値観を束ねて、まとめてどんな価値を提供できるかにあるというわけである。

 今日はこの辺で。

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