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卒なく、無難に。LINEヤフー株式会社 2024年第2四半期 決算説明会

 

思うに、卒なく、無難に。派手さはないけど、手堅い決算発表会でした。2024年11月5日、LINEヤフー株式会社は第2四半期の決算説明会を開催しました。説明会には、代表取締役社長CEOの出澤剛さんが登壇。売上収益は4,622億円(前年同期比+4.7%)、調整後EBITDAは1,126億円(前年同期比+9.1%)を達成し、いずれも四半期として過去最高の実績を記録しました。

LINEの強さが活きてメディアが堅調

 基本的に、出澤さんが元いたLINEを軸に据えた動きで、売上が伸びているのが、特徴。たとえば、公式アカウントやミニアプリを実装したことで、それに絡んだ売上収益が軒並み、伸びることになったのです。

 メディア事業の売上収益は3,594億円で前年同期比4.3%増、調整後EBITDAは1,397億円で10.9%増を記録しました 。上記にも書いた通りだけど、特にLINE公式アカウントを活用したアカウント広告が業績に大きく貢献しました。

 有償アカウント数の増加と従量課金の拡大により、アカウント広告の売上は前年同期比19.6%増加したわけです。LINE公式アカウントを通じた広告展開が強化され、企業とユーザーとの直接的なコミュニケーションが増加し、利用者エンゲージメントを高める結果となって、これがこの業績を支えています。

 ディスプレイ広告においては、LINEニュースやホームタブでの増収が見られた一方で、Yahoo!広告の一部業種で需要が減少し、全体としては横ばいに推移しました。検索広告については、パートナーサイトでの減収が一段落し、増収に転じました  。

・LINEのポテンシャルをECに活かす

 当然、今後の展望もそこに厚みを持たせて、派生させる形で、コマース事業があるという風に捉えるのが良いでしょう。

 続いて、コマース事業の売上収益は前年同期比3.5%増の4,079億円、調整後EBITDAは12.6%増の761億円と成長を続けています。特に「Yahoo!ショッピング」において、LYPプレミアム向けの施策が業績を支え、前年のふるさと納税制度の影響を除けば実質8.1%増と好調です。

 Yahoo!ショッピングに関しては投資額を抑制し、広告やマーケティングコストのROIを続けてきていました。今期は、その方程式に沿った形でやったことで、生産性が高くなったという特徴があります。

 そもそも、EC化率の増減率が鈍化している中で、成長を続けているわけであり、市場全体と比べても好調に推移しているのではないかと説くわけです。いわゆる、それまでのポイントを軸にした動きは抑制している反面、プロダクトへの投資は行い、改善されることでリピーターが着実についてきています。

・ECのUI向上で土台を盤石にしてからLINEからの流入

 例えば、一度使うたびに、1〜2ヶ月、また買うために、戻ってくるというサイクルができてきました。これはOne to Oneのターゲティング広告を行うことで、可能となり、あとはそこに対してお客様をどう呼び込めるかだとしているわけです。

 基盤となるのは、LINEの膨大な顧客データ。そこからショッピング体験に繋げられるかを考えていくことで、この会社らしいコマースの成長が見込めると考えているわけです。

 また、LINEを軸にしたショッピング体験とは何かというと、これからの取り組みとして発表された2つ。ひとつは、LINEアプリの刷新でショッピングタブをつけることで、そこから買い物を促す。もう一つは、LINEギフト。

 「LINEギフトを通じて、お客様のコミュニケーションの新たな形を創造したい」と述べ、日常のプレゼント体験をより身近にする取り組みに注力しています。この2つのサービスは、LINEヤフーの成長戦略の一環として、未来に向けた基盤強化の役割を果たしていく見通しです 。

・利便性を高めてPayPayによる金融の存在感を増す

 それらを踏まえて、戦略事業としてはPayPayなどの金融系サービス。カードや銀行など、金融のエコシステムの拡充を図り、ユーザーの利便性向上とともに、収益基盤の多様化が図られているわけです。

 彼らはそれを「PayPay連結」という言い方をしており、それら金融事業の売上収益は前年同期比18.8%増の1,604億円、調整後EBITDAは393.3%増の213億円を記録しています 。

 だから、冒頭に書いた通り。合併を果たし、スケールを追いかける必要性がありつつも、それはコアの事業で差別化要因があってこそ、可能なわけです。だから、かつてのポイント施策のように、大きな流れを作り出すのは、時代にそぐわなくなっていて、小さいところから初めて、効果検証しながら、邁進していく。

 つまり、これだけスマホが浸透している中で、LINEを軸にして組み立てるのがベターであり、その会員数を強みにどうやって会社の付加価値を高めるか。そこにはエンゲージメントが重要であり、LINE出身の出澤さんがLINEを軸に、そのハンドリングしたことで、着実に成果が出始めているわけです。

 今日はこのへんで。

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