アダストリア 店員による「服」の試着動画が新たなコンテンツに
アダストリアは、同社のWEBストア「ドットエスティ(.st)」内で、新コンテンツ「.st CHANNEL(ドットエスティ・チャンネル)」を立ち上げた。ショップ店員が実際に服を着用して紹介する動画と、商品の詳細ページを並行して閲覧できる仕組みだ。InstagramなどのSNSでおこなわれてきたプチ・ファッションショーを自社WEBストアにも取り込み、ユーザーは動画を見ながらショッピングを楽しめるようになった。
店員を生かした「STAFF BOARD」から動画チャンネルへ
アダストリアのWEBストア「ドットエスティ」には、もともとショップ店員が自由にコーディネートやライフスタイルを発信する「STAFF BOARD(スタッフボード)」があった。ここでは店員自身の“リアルクローズ”を通じて、ブランドの雰囲気をより身近に感じてもらう工夫が行われている。
新コンテンツの「.st CHANNEL」は、その動画版といえるもの。アダストリアグループが展開する20以上のブランドや、約1,500名のショップスタッフが発信する商品紹介やスタイリング動画を集約しており、ユーザーは商品ページと動画を行き来しながら購入を検討できる。
動画で着用感がわかりやすい
写真だけでは伝わりにくい身長や体型に合わせたシルエットも、動画なら一目瞭然だ。実際に店員が試着して動きを見せることで、ユーザーは自分が着たときのイメージをつかみやすくなる。こうした“わかりやすさ”は、購入の後押しにもつながっている。
コロナ禍で伸びるWEBストア売上高
2020年4月以降、新型コロナウイルス感染拡大で商業施設が休館し、アダストリアグループでも約1,200店舗が一時休業する事態となった。その一方で、外出自粛によりWEBストアの売上高は前年比で二桁増と大きく伸長。オンライン接客の需要が高まったこともあり、ショップスタッフがInstagram LIVEなどで商品を紹介する試みが好評を博している。
オンライン接客と動画コンテンツの相乗効果
SNSのLIVE配信では、スタッフがコーディネートを提案したり、コメントで寄せられた質問にリアルタイムで回答したりすることで、ユーザーの不安を解消してきた。店舗に足を運ばなくても新作アイテムの着用感やサイズ感を伝えられるメリットがあり、ユーザーからは「アーカイブでいつでも見られるようにしてほしい」という声が多く上がっていた。こうしたニーズを受けて誕生したのが「.st CHANNEL」である。
店員の思いが動画に表れ、ユーザーの支持に
アダストリアによると、コロナ禍の外出自粛・店舗休業をきっかけに、「少しでもお客さまを楽しませたい」「自分たちにできることはないか」というスタッフの思いが強まったという。自宅待機中でもスタッフ同士で工夫を重ねて動画を撮影し、コーディネートを紹介してきた姿勢が、多くのユーザーから支持を得ている。
直接対面できなくとも、“わかりやすさ”を追求するスタッフの熱意が、オンライン越しにユーザーへ伝わっているのだ。その気持ちを体感するためにも、一度「.st CHANNEL」をのぞいてみてはいかがだろうか。