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メイクショップ流通総額3000億円の見込み 定着したECでの需要

2022年のEC(電子商取引)市場は、コロナ禍を経て消費者の買い物スタイルとしてすっかり定着したと言われています。そんな中、GMOインターネットグループのEC構築サービス「MakeShop byGMO」の年間流通額(※1)が 3,000億円 に到達する見込みであることが大きな話題となりました。ここでは、この数字がどのような意味を持ち、2022年のEC市場がどんな特徴を見せているのかを、初心者の方にも分かりやすく整理して解説します。

1. 「MakeShop byGMO」が目指す年間流通額3,000億円とは?

流通額3,000億円とは?

 ECショップを通じて消費者から支払われた合計金額のことです。たとえば、あるネットショップで1万円の商品が100個売れれば、そのショップだけで流通額は100万円となります。こうしたショップ数千~数万店分の合計が「MakeShop byGMO」の年間流通額になります。

過去との比較

  • • 2020年:2,343億円(前年比135%)
  • → コロナ禍による“巣ごもり需要”が追い風となり、大きく成長
  • • 2021年:2,749億円(前年比117%)
  • → 成長は続くが、135%→117%と伸び率はやや落ち着く
  • • 2022年:3,000億円(見込み)
  • → 過去最高の2,749億円を上回り、依然として2桁成長を維持

何がポイント?

コロナ禍ほどの爆発的な伸びはなくなってきたものの、確かな買い物スタイルとしてECが根付いていることが分かります。ECは“買い物のメインストリーム”になりつつあり、今後は「どこまで安定した成長を続けられるか」という段階に入っていると言えます。

※1 流通額:ECサイトを通じて決済された金額の総合計。売上に直結する重要な指標です。

2. ジャンル別で見るEC市場の変化

2-1. 「フード・菓子」ジャンルが店舗数トップ

2022年12月時点の「MakeShop byGMO」ジャンル別導入店舗数

  • 1位:フード・菓子(18.1%)
  • 2位:ファッション・ブランド(13.2%)
  • 3位:生活・インテリア・文具(12.7%)

2019年まではファッション系が最多でしたが、2020年以降「フード・菓子」が逆転しました。コロナ禍で自宅にいながら食材やお取り寄せグルメを楽しむ需要が伸びた背景があります。

2-2. 注文数は「フード・菓子」が急増、流通額は「ファッション」が依然1位

注文数

2019年はファッション(17.2%)が1位、フード・菓子(13.4%)が2位。

  • 2022年(1~11月)では両者とも約17%台とほぼ拮抗。
  • → 食品系のネット利用が非常に増えたことが分かる。
流通額
  • 2022年(1~11月)では、1位ファッション(12.6%)、2位フード・菓子(10.4%)、3位家電(9.7%)。
  • → 食品は単価が低い商品も多いので、件数は伸びても金額合計ではファッションが上回る。

3. 決済手段のトレンド

3-1. ID決済が3年で10ポイント増の急成長

2022年(1~11月)の決済手段別注文数割合

  • 1位:クレジットカード決済(54%)
  • 2位:ID決済(16%)
  • 3位:銀行振込(9%)

とくにID決済(※2)は2019年比で10ポイント増加し、コロナ禍で進んだキャッシュレス化や、非接触決済の普及が追い風となっています。

※2 ID決済:PayPayや楽天ペイ、Amazon Payなど、ユーザーが既に登録してあるアカウント情報で素早く決済できる方法のこと。クレジットカード番号を改めて入力しなくてもいいため、購買意欲が途切れにくいメリットがあります。

4. 地域別動向:地方ECの伸び

4-1. 九州・四国・中部・北海道で導入店舗が急増

  • 地域別導入店舗数成長率(2022年 vs 2019年)
  • • 九州:150%
  • • 四国:141%
  • • 中部・北海道:131%

 地方の事業者がEC化・DX化(デジタルを活用した業務効率化)を急速に進めた結果と考えられます。観光業の落ち込みで新たな販路が必要となり、ネットショップを導入する流れが加速しました。

4-2. 地域別の人気ジャンル

• 関東・関西以外の地方では「フード・菓子」が従来から強く、コロナ禍でさらに拡大。九州や四国、北海道・東北では、このジャンルが 30%以上 を占める。

• 関西では2022年に「フード・菓子」がファッションを抜いて1位に。関東では「ファッション・ブランド」がまだトップを保っています。

5. 補助金と導入機能:ECのさらなる可能性

5-1. 補助金の申請希望は減少傾向も、採択率は上昇

コロナ禍直後(2020年)の動向

  • • 新規導入店舗数が前年比144%と急増。
  • • 「サービス等生産性向上IT導入支援事業」による補助金の申請希望は前年比527%と大幅増。
  • → 短期間でEC化する必要があった事業者が多かった。

2022年の状況

  • • 依然として申請希望はあるが、ピーク時より半減。
  • • しかし、補助金支援体制の強化により 採択率が向上
  • → 本当に必要な企業が効率よく補助金を活用できる体制が整ってきた。

5-2. 海外販売機能の急増と越境ECの拡大

海外販売機能の導入件数
  • 2022年4月提供開始から毎月100件ペースで増え、12月時点で900件に到達。
  • → 円安や海外からの需要を取り込もうとする動きが後押し。
ウェブインバウンドの期待

インバウンド(訪日外国人)消費はまだ完全には回復していません。そこでネットを通じた“越境EC”への取り組みが重要視されています。海外販売機能は追加費用もかからないため、今後も導入が伸びると見込まれています。

6. まとめ:ECが新たな当たり前になる時代

年間流通額3,000億円突破(見込み)の意味

「MakeShop byGMO」だけでも3,000億円という大きな市場に成長しており、ECが消費者にとって普通の買い物手段として浸透してきた証拠です。

コロナ禍を経て安定フェーズへ

巣ごもり需要による急激な伸びは落ち着き始めているものの、これは“EC需要が一時のブームではなく、確固たる位置を築いた”ことの裏返しとも言えます。

今後のポイント

  • 1. 決済手段の多様化:ID決済の拡大やキャッシュレス化がさらに進む
  • 2. 地方のEC化・DX化:観光業や地域特産品の新たな販路を開拓
  • 3. 越境ECの強化:訪日客減に対応しながら海外向け販売で売上拡大

 ECがもはや特別な存在ではなく、生活の中で当たり前に使われるインフラになりつつある今、事業者にとっては、ユーザーが安心・便利に買い物できる環境づくりが一層求められる時代となりました。これからもEC市場は、安定的な拡大とともに、決済や海外販売といった多方面に進化していくでしょう。

トピックス

  • 【コロナ禍3年目のEC市場トピックス】
  • ・「MakeShop byGMO」の年間流通額は今年も2桁成長で過去最高を更新し3,000億円到達見込み。
  • ・2022年のECの利用は、コロナ禍以前の季節需要に応じた動向へ。
  • ・2020年以降、「フード・菓子」ジャンルが導入店舗トップシェア。注文数も「フード・菓子」が急増、流通額では「ファッション・ブランド」が1位。
  • ・ID決済の注文割合が3年で10ポイント増の急成長。複数の決済方法を導入している店舗のほうが高い売上に。
  • ・地域別の導入店舗数は、九州・四国・中部・北海道と地方で大きく伸長。GMOメイクショップでは、地方におけるEC化・DX化の支援体制を強化。
  • ・コロナ禍で急増した補助金の申請希望は減少するも、支援強化で採択率は向上へ。
  • ・2022年は「海外販売機能」の導入店舗数が急増、越境ECは今後も増加へ。
  • 参考:GMOメイクショップ

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