フェリシモ セイノーHD 置き配 で新発想 物流コスト削減

ネット通販の市場が拡大する中で、物流各社は、それに耐えうる新たな配送環境の構築しつつ、かつ、コスト軽減に繋がる為のアライアンスを組んで、奔走している。昨日、株式会社 フェリシモ とセイノーホールディングス株式会社は 置き配 サービスを発表したが、ここにシェアリングの発想が活きている。
フェリシモ セイノーHD 置き配 の新発想
これにあたっては「OCCO(オッコ)」というサービスを活用する。これは、 LOCCO 社が提供する「幹線+ギグワーク」による置き配サービスで、セイノーHDグループが持つ輸送網などと、ギグワーカーを組み合わせた発想である。
そもそも2019 年から、フェリシモ・セイノーHD・ココネット・電警はジョイントベンチャーであるこの LOCCO 社を通じて、荷主・幹線輸送・ギグワーカーを含む配送パートナー・受け取り手のそれぞれが荷物を受け渡しできるための環境の研究と実験を繰り返してきた。かつ、配送パートナー向けスマートフォンアプリの開発とサービス実証を進めてきて、質も向上させてきたのである。
置き配 の新発想の中身
その中身であるが下の図を見て欲しい。シンプルに説明するならば、セイノーは物流拠点を持っているので、その時点で時間に余裕がある配送業者などが、そこを起点にして荷物を集め、そこからセイノーの輸送網を使って、そこに届け先の近くまで運ぶ。
そして、そこから先の配達部分については、配達ができる人員へとバトンタッチして、届け先に 置き配 で届けるというわけである。

昨今、Uber Eatsなどでも脚光を浴びている、人々の空いている時間を活用するという、ギグワークスを配送に組み込んだ仕組みであり、ここで活きているのは、長年、物流会社として培ってきた信頼できる物流網なのである。勿論、関係各社のテクノロジーでそれが最大化されている。
そこで、フェリシモが関わっているのは、言うなれば、通販の老舗として、すでに多くのお客様を持ち、そこで物流が発生するだけの土台があるからだろう。そこをこうした新たな可能性に活かすことで、コスト面、ラストワンマイルの工夫など、自分たちのサービス向上に繋げたいと模索しているのではないかと思う。
ちなみに、2019 年末に行われたフェリシモ会員向け東京都内での実証実験においては、利用者の利便性向上と物流コストが10%以上削減されることが実証されているという。
連携し合いながら、各々の価値を生かし、顧客に還元する
ちなみに、ラストワンマイルの土台を強化するために、リビングプロシードという会社がセイノーHDの傘下に入るとしていて、同社は、40年以上にわたりフリーペーパーの配布によるプロモーションを専業としている。約10,000 名の配布員=ギグワーカーのネットワークを「OCCO」と融合する事で、より強固なものにしていこうという事なのである。
思うに、人から人へが第一物流、企業から企業へが第二の物流だと仮定すれば、企業から人へは“第三の物流”と言え、これらはこれらなりの工夫で、アライアンスが肝となり、それでサービスの効率化を図れると思う。
これらの仕組みを、彼らは、誰もが参加できる LCC 宅配ネットワークによる置き配サービスと呼んでいるが、それぞれの垣根を越えて、お互いのリソースを組み合わせて、それがお客様にとっての満足度につなげていければ、それぞれの企業価値も向上していくことだろう。
こういう先駆者により、通販は多くの人、企業にとって、もっと身近なものとして浸透していくことを期待したい。
今日はこの辺で。