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丸井 ツクルバ と業務提携 小売の転換期 住環境への挑戦

丸井 はもとは金融であり、それを土台にできた小売であった。金融を有効活用して、後払いを定着させ、小売の繁盛につなげて、商業施設での事業の成功を作り上げてきた。丸井は、近年の急激な小売環境の変化に伴い、一歩先を見据えて、この展開を模索しているのだと思う。2020年7月30日(木)に、株式会社 ツクルバ が、株式会社丸井グループと資本 業務提携 を締結したと発表したのだ。

丸井 ツクルバ 業務提携 両者の狙いは?

ツクルバは、主な事業として、中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」、あらゆるチャレンジを応援する、シェアードワークプレイス「co-ba(コーバ)」などのシェアードワークプレイス事業を展開している。

一方、丸井グループは、720万人以上の会員を擁する「エポスカード」を中心としたフィンテック事業は、年平均17%で成長を続けており、30代以下の若者を中心とした会員構成に特徴があるわけだ。

つまり、カウカモを通じて深めた住環境への知見と、オフィス設計事業のノウハウを活かし、丸井グループのエポスカードを中心としたフィンテック事業のアセット(約720万人のカード会員など)をベースに、双方シナジー効果を生む新規事業を開発することになる。「エポスカード」で力を発揮していた小売に加え、そこに住環境を含めた提案で、足場を固めようということなのだろう。

ツクルバは、丸井グループからは、総額7億円の出資を受け、それを基に、カウカモ事業の拡充と新規事業創出を通じた株主価値の最大化に努めていく。新規事業の第1弾として、リノベーション賃貸マンションブランドを両社で展開する予定。本事業により、ツクルバのリノベーション物件プロデュース事業の領域拡大及び、丸井グループ顧客への価値提供・賃貸事業の拡大に寄与することを狙うとしている。

丸井も ツクルバ が築く 新たな住環境に期待

ツクルバによれば、上記の新規事業案に加え、今後はカウカモプラットフォームと丸井グループのフィンテック事業を組み合わせたサービスなど、両社が強みを持つ顧客に対し、お客さまの自分らしさと一生のライフステージに寄り添うような住環境の新規事業を順次展開していくと説明している。

思うに、今は小売の転換期なのだと思う。丸井はこれまでも、小売が多様化していることを受けて、スタートアップ企業に、ポップアップショップの機会を提供したり、新感覚の小売店「b8ta(ベータ )」への出資など、新たな価値に投資をする動きを見せている。

それはいうまでもなく、それらの投資先が価値を向上させることで、結果、これまでの仕組みに依存することなく、売り上げの底上げを後押しする。ここでも、丸井は、投資先として、住環境に知見のあるツクルバを選び、協業することで、ツクルバの価値の向上とともに、エポス会員の有効活用につなげていけるに違いない。小売の価値はどこにあるのか、今一度、自分たちを生かし、未来につなげる為に、注目しておきたい話題である。