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ラジオ出演:ネットスーパーの変容/ThinkNitのものづくりの変容

ラジオ出演:

77.6FM 「FMドラマシティ」エーデルワイスファーム野崎創さん司会「connect」に、11時から生放送(毎週木曜AM11:00から)に出演します。今話題の、今注目の・・・様々な問題やテーマについて切り込む時間。今回話すのは・・・

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・ネットスーパーはハイブリットで差別化

 一つ目は、ネットスーパーの未来って、構造自体が変わっていくんだなと。最近、西友の動きを見ていて、キーワードは、ハイブリッドなんですよね。ご存知の通り、西友は楽天と資本提携していて、彼らなりにうまく活用しているんです。

 どうやら、最近、西友は業績がよくなりつつあって、それはネットの力。例えば、2024年にはネットスーパーは流通総額1000億円を達成する予定を組んでいるのですが、それが前倒しで実現しそうなんです。そこで、気がついたのはハイブリッドなんです。

 どういうことかというと、ネットスーパーというと、リアルの店舗から近隣の家に配達するのが一般的ですけど、彼らは実はそれと同時に、倉庫出荷もやっていて、そこで差別化しているのです。

・自ら抱えずコストを抑えて、価値を最大化

 つまり、最近、楽天は倉庫の拡充をしていますから、実はネットスーパー向けの倉庫を専用に用意している。それをフックに西友は店舗だけではなく、倉庫からも出荷体制を整えて、両方から(つまり、ハイブリットで)アプローチする。

 結果、品揃えや利便性を高めてネットスーパーの流通総額が26%伸びた。今話したように、そのハイブリッドが奏功しているのはネットスーパーでありながら、倉庫からの出荷が79%増というところでわかります。ここだと。

 彼らの事業戦略として、今後は、リアルの店舗拡大はコストがかかるから、敢えて、その倉庫施設を西友の店舗がない地域に設立すると話しています。すると、店のないところも含めて、その倉庫があるおかげで、西友は全国規模でカバーできるから、ここに伸び代があるというわけです。

・リアル店舗はシェアリングで生き残る?

 これで、僕が思ったのは、リアルの店舗も、倉庫やお店って土地であり、固定費なんですけど、そこにこだわっていたわけです。通常、それはそこで、同じだけ売れ続けることが明確であれば、コストパフォーマンスがいいのでsが、逆に言うと売れる時と売れない時との差が生まれ始めている。

 だから、西友は倉庫を持つところに便乗して、それを自らは持たない。固定費としてかかえず、常に変動費化させたわけです。そうやって生産性を高めたところに、成長があるのかもね、って思った次第です。

 この部分は、結構大事な論点じゃないかなと思いました。多分、この点を軸に考えて、リアル店は勝機を見出してくるのではないかと僕は思います。

関連記事:楽天は ウォルマートと何が違っていたのか 西友 成長への道のり OMO施策の記者会見に思う

・MEMO

・このニュースを通して感じるのは、リアルの価値をデジタルの兼ね合いでどう求めるか、という当たり前の話が前提にあって。

・その中で、世の中的には「シェアリング」の時代なのだなと。今までで言うと、そこに土地とかがあって、それを自ら所有していたわけです。

・事業のあり方として、場所に依存しなくなってそれは、広くシェアをして固定費ではなく、変動費でコストを見ていく時代なのだなと。

・恐らく、楽天側はこれで複数のリアル店舗を巻き込んで、さらにシェアリングの価値を高めていく

・そうすると、店としての看板は何かと、経営のあり方が変化している

・究極、店はそれで定期便をやっていけばいい。

・「ニットでセーター」は当たり前だけど台所でお役立ち

 もう一つは、ニットの話です。僕らがニットというと、セーターとかマフラーとかをイメージするのですけど、実はそれを食器を洗うための道具に使うという発想で挑んでいるブランドがあって、それがThiKnitというんです。

 なぜそういうことをするかというと、素材の価値を他に見出したというわけで、元々、このブランドを提案しているのは、老舗の手袋メーカーなんです。イチーナと言います。

 そこでずっとニット素材などを使って、手袋を作っていたのだけど、その需要も徐々に減ってきて、そこでどうしようと考えた時に、これをたわしがわりに使ってみようという発想になったのです。

・ニットでたわしから見えるものづくりの変容

  実はニットは油汚れを吸着しやすいという要素を持っていて、だから洗剤の使用量が少なくて済む。100%天然素材ですから、洗剤をそれほど、使わないという意味でも、サスティナブル。

  サイズに合わせて、フライパンだったり、お皿だったり。イギリス製のウールを使用して、弾力性と耐久性に優れているから、洗い物も楽しくできるというわけです。

 国内においては人口減ですから、単純に頭ごなしに同じものを大量生産して、単価を安くするくらいなら、それをニットで横展開して、ブランド化して、それを複数、いろいろバリエーションを持たせて、付加価値をつけるわけです。

 そうすれば、ライフスタイル提案となって、ブランド感を大事に、価格勝負にならないわけですむ。

 そうやって、ものづくりの現場も知恵を出してきていることを実感する話題です。 

関連記事:考え抜かれた“ニット”Thinknit あなたの食器を洗う 羊毛たわしに

MEMO

・メーカーもライフスタイル提案をするようになってきていると。その土壌があるのは、代々、メーカーというのは製造工場と密接な関係を持っているから、そこで横展開できるわけです。

・工場の特技って何かなという話だと思います。ニットならニット。

・メーカーはずっと残していく文化を提供できるかが大事なのかも。

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77.6FM 「FMドラマシティ」エーデルワイスファーム野崎創さん司会「connect」この番組は、「エーデルワイスファーム」野崎創さんの司会によるもので、北海道を中心としたものですが、全国どこでも聞くことができます(PCの場合、Flashプレイヤーが必要です)。野崎さんは、「メディアは身近なものになったんですよ。 だからこそ、発信力がある人が中身あることを継続してやれるかどうか。 そういったお話を一緒にぜひ作りましょう。」と声をかけてくれて、僕の「アナザーエディション」というコーナーが始まりました。許される限り、隔週で出演してます。

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