BtoC EC成長の“天井”と“洗濯”が生む新ビジネス――経産省データとFREDDY LECKの挑戦を読み解く
EC成長が頭打ち?経産省データが示す未来と“洗濯”が創るビジネス新潮流【FMドラマシティ「connect」】
77.6FM「FMドラマシティ」で毎週木曜AM11時から生放送している番組「connect」。エーデルワイスファームの野崎創さんが司会を務め、ホットなテーマを多角的に掘り下げるラジオ番組です。僕は「アナザーエディション」というコーナーで隔週出演し、ビジネスや社会の最新動向を取材をもとにお伝えしています。
今回の注目は、経産省発表の「電子商取引に関する市場調査」によるBtoC EC成長の伸び悩みと、ドイツ発の“洗濯文化”を再定義したブランド「FREDDY LECK」が新しい価値を生み出す事例。ECがピークアウトするという見方と、洗濯をめぐるビジネスチャンスがどう交わるのか、探っていきます。
1. 経産省の市場調査が示唆するBtoC ECの成長限界
経産省の最新データ(令和三年度)では、BtoC EC市場の規模は13兆2865億円、EC化率は8.78%に到達。ただし、前年8.08%からの伸び率は大きくなく、今後数年でピークアウトする可能性が高まっています。
- • CAGR(年平均成長率)の減速: 2006~2021年の長期傾向を見ると成長率が徐々に低下。2021~2026年は5%、2026~2031年は3%程度という予測
- • 5~10年以内のピークアウト: BtoC ECは今後大きくは伸びず、既に“頭打ち”状態への移行が視野に
- • 企業の対応が鍵: EC市場が成熟し成長率が低下する中、製品やサービスの差別化や新規チャネルの開拓が必須
EC市場が大きな成熟段階に入るからこそ、企業には新しい戦略や市場開拓が求められる状況です。
2. 洗濯が生み出す新市場—FREDDY LECKの取り組み
一方、ドイツ発のコインランドリーブランド「FREDDY LECK」は、洗濯を単なる家事ではなく“文化”や“コミュニティ”として捉え、新たなビジネスモデルを展開。
- • 清潔でカフェ付きのランドリー: 従来の“汚いコインランドリー”イメージを覆し、コミュニティを形成
- • 商品開発にも波及: マイクロプラスチックを除去するなどエコを打ち出す洗剤やランドリーネットを販売
- • 日本での展開—藤栄がライセンス取得: 東京・学芸大学にオープンし、洗濯の新しい価値観を提案
洗濯という行為から得られる“快適さ”や“コミュニティ形成”が商品開発に繋がり、価値を創出している事例といえます。
3. ECピークアウト時代の新価値創造と“文化”を売る戦略
BtoC ECの成長が鈍化する今、企業が視野を広げ、“モノを売るだけ”から“文化や体験を売る”方向へ舵を切ることが重要。
- • ECだけでなくリアル体験やコミュニティ: FREDDY LECKのように、消費者が求めるのは商品+αの価値や場
- • 成熟市場での差別化: 同質化するECではなく、独自のストーリーや文化的背景を打ち出すことで注目を集める
- • 今後の企業戦略の要: EC化率が頭打ちでも、ニッチなコミュニティや新しいライフスタイル提案が市場を切り開く
ECを活用しつつ、“リアルな文化体験”や“人とのつながり”を重視する企業が勝機を掴む可能性が大いにあります。
- 【FMドラマシティ「connect」番組情報】
- • 放送局: 77.6FM「FMドラマシティ」
- • 番組名: connect
- • 司会: エーデルワイスファーム 野崎 創さん
- • 放送時間: 毎週木曜AM11:00~生放送
- 全国どこからでもPCやスマホで視聴可能。
- • スマホアプリ: 「リスラジ」 → 「選局」 → 「776FM FMドラマシティ wonder storage」
- • ウェブサイト: listenradio.jp → 「全国のラジオ局」→「北海道」→「radio TXT fm dramacity」
- • (PCの場合、Flashプレイヤーが必要)
野崎さんは「メディアが身近になったからこそ、継続して中身ある発信が大切」との思いを持ち、僕は隔週で「アナザーエディション」コーナーに出演しながらそのビジョンを共有しています。
【まとめ】
- • BtoC EC成長の限界: EC化率が8.78%に到達も伸び悩みが見え、5~10年でピークアウトする可能性
- • FREDDY LECKの洗濯文化再定義: “汚いコインランドリー”イメージを刷新し、カフェ併設でコミュニティを形成。エコ商品も開発
- • 成熟EC時代の新戦略: モノだけでなく“文化”や“体験”を売り、リアルを含めたコミュニティづくりで差別化を図る
円熟期に入るEC市場でも、新しいライフスタイル提案やコミュニティ形成によってまだまだ成長のチャンスが残されています。番組「connect」で、これからのビジネスを切り拓く事例を随時取り上げていきますので、どうぞお楽しみに。