ライオン ロハコ 連携 で IOT 歯ブラシ 顧客の購入後も把握
歯ブラシ がお客様を理解するデバイスとなる。先ほど ライオン 株式会社は「はみがきのおけいこ」という歯ブラシの IOT 商品を発表。お客様との新たな関係を築くと共に、株式会社アスクルが運営するショッピングモール「 ロハコ 」と連携して、その顧客の購買動向なども把握する。言うなれば、歯ブラシがデバイスとなり、ネット通販がそこに連携すれば、商品を契機に、あらゆる角度でお客様を深く知れるというわけである。メーカーの新たな一手である。
ライオン が 歯ブラシ で IOT をやる意味と ロハコ との親和性
商品が生まれた背景には、子供の歯磨き嫌いがある。多くの子供は歯磨きを嫌がり、やっても適当に済ませるといったことも少なくない。ただ、子供にとっても仕方のない話で、彼らには触覚防衛反応があるから、この行動は必然だと、ライオンは説明する。
そこで、同社は自らの 商品 に IOT を取り入れることで、自然に子供が歯磨きに興じる工夫をしようと考えたのだ。「はみがきのおけいこ」を購入すると、歯ブラシはもちろん、そこに装着する専用デバイスがついてくる。これで歯ブラシを使うと、センサーによって角度などが把握され、正しく磨けているかなどをデータ蓄積するのだ。
一方、スマホを使えば専用アプリを開いて、この商品に絡む絵本が映し出されるようになっている。実は、このデバイスが絵本と連動していて、絵本を見ながら、嫌がることなく、歯磨きの必要性を子供も実感して、歯磨きができるようになっている。
歯ブラシ と スマホが連動し、絵本で楽しむ
「歯磨きの必要性」と書いた理由には、その絵本の中身で、それに相応しいシチューションが示されているからである。最初、絵本には、犬などの汚れた自分のパートナーが出てきて、自分が歯を磨くほど、スマホ中のパートナーもきれいになっていくという趣向。純粋に、気持ち良さを訴求して、それを自分の歯磨きに連動する形で、進行していくので、子供はいつしか楽しむようになる。
また、磨き方もその中で指南し、そのやり方で、点数などがつくので、それをまた、明日以降も頑張ろうという「モチベーション」につなげていける。ちなみに、デバイス自体から音声が発するような仕掛けになっているので、スマホが手元になくても安心だ。
ロハコは購入後の顧客体験を可視化する
さて、ここからが「ロハコ」の登場である。ロハコは、主に消費材を中心とするショッピングモールでありながら、彼らは以前から、ショッピング体験の中で、顧客、購買、商品、閲覧(何と何を迷ってこれを買ったのか)、レビュー、配送などのデータを集めることに重きを置いている。
アスクルという会社はこれまでメーカーと連携して、BtoBを開拓してきた魂があるので、今回のBtoCの「ロハコ」においても、どうメーカーに貢献できるか、という考え方が礎にあるのだと思っている。自らの消費者の買い物体験のデータが、メーカーの商品開発やマーケティングに活かせられるのではないか、そういうわけなのだ。
ライオンは売りっぱなしにせず、しっかりお客様を理解したい意向
ライオンは、今回、ロハコと連携することで、「はみがきのおけいこ」を購入したお客様が、どれくらいの子供を持つ親であり、どれだけの期間、これを使い、また、歯ブラシはどれくらいの周期で交換するのか、また、これらを使うお客様はどういう歯磨き粉を好むのかなど、を把握できるようになる。
故に、ライオンは、今回、歯磨きの場面で、IOT商品を提供することで、よりその使い道という部分において、お客様により近い関係性を築いて、理解が深まるのと合わせて、ロハコの力を借りることで、その商品を購入した後の、お客様の購買行動まで把握することで、一つの商品をきっかけに、より深い顧客データを集めることができるというわけだ。
ネット通販というのは販売するということに価値はあるのだけど、寧ろ、ロハコは販売することに加え、メーカー視点で、よりお客様に望まれる商品をいかにして、自分たちの立場から触発できるか、と考えていたわけだから、今回のライオンという大手メーカーとの信頼と連携に至ったのだと思われる。
メーカーはメーカーで勿論、マーケティングをして、商品を発売しているのは事実であるけれど、どこか曖昧な部分があった。だが、この発想は商品自体がデバイス化し、ユーザーの動きを触発していくと共に、またネット通販を活用することで、購買行動など、より大極的にお客様の情報を把握できるようになったというわけだ。
今後、ものづくりという部分における考え方は、デジタルシフトに合わせて、通常の枠組み自体も変えて、その役目も大きく変わるのかもしれない。
「はみがきのおけいこ」販売サイト:https://lohaco.jp/event/hamigakino-okeiko/