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Walmart FY25 Q2 決算報告:過去最高の業績と今後の成長戦略

Walmartが2024年度第2四半期(※同社の会計上ではFY25 Q2)において、売上・営業利益・eコマースといずれも過去最高の好調な業績を発表しました。この記事では、Walmartの最新決算を整理するとともに、今の時代の小売全体がどのような状況にあり、今後どのような戦略や取り組みが必要とされるのかを考察します。

1. Walmartの主要な業績ハイライト

過去最高を更新した売上と利益

  • 総売上高:前年同期比4.8%増の1,693億ドル
  • 営業利益:前年同期比8.5%増
  • 調整後EPS:前年同期比9.8%増0.67ドル

堅調な伸びを支えているのは、引き続き強い米国市場での消費需要と、グローバル規模でのeコマース事業の成長です。また、競争力のある価格戦略や効率的なコスト管理が、利益率の改善に寄与しています。

eコマースの急伸

eコマース売上:前年同期比21%増

消費者がオンライン購買を選択する比率は、パンデミック以降加速度的に高まりました。その流れが定着し、Walmartのオンラインプラットフォームに対する信頼が一段と広がったと考えられます。

2. 米国市場での成果:Walmart+など新たな収益源の確立

  • 米国売上:前年同期比4.2%増
  • • 食料品や消耗品といった日常必需品カテゴリーが引き続き堅調
  • Walmart+メンバーシップの拡充がブランドの固定客化を推進

米国市場では、インフレなどの外部要因がある一方で、日用品の需要が底堅く推移しており、Walmartの“値ごろ感”と幅広い品揃えが改めて支持を集めています。また、Amazon Primeを意識したWalmart+が順調に伸びていることは、サブスクリプション型サービスが小売企業にとって長期的収益源になり得ることを示唆しています。

3. 国際市場における拡大:新興国への積極投資

  • 国際市場売上:前年同期比8.3%増
  • • 主要地域:メキシコ、中国、インド(Flipkart)など
  • Walmart International部門の売上:2,960億ドル

注目されるのは、メキシコや中国といった大きなマーケットだけでなく、Flipkartを通じて参入するインド市場の成長です。インドは人口増加とデジタル化の進行が同時に起きており、新たな消費者層が急拡大しています。オンラインとオフラインの統合が進む地域で、サービスの多様化に合わせた投資を行うことで、さらなるシェア拡大を目指しています。

4. デジタルシフトと新しい顧客体験

Walmartの好調な業績は、単に同社の企業努力だけでなく、消費者行動の変化テクノロジーの進化が背景にあります。

1. オンラインとオフラインの融合

店舗での対面販売だけでなく、店舗受け取り(BOPIS: Buy Online, Pick up In Store)やオンライン注文、デリバリーサービスなど、多様な購買チャネルを組み合わせる“オムニチャネル”が標準化しています。

2. サブスクリプションとメンバーシップの拡大

Walmart+やAmazon Primeなどの会員プログラムは、特典と利便性により消費者を囲い込み、リピート購入を促す重要な戦略となっています。

3. サステナビリティとESG(環境・社会・ガバナンス)視点

消費者意識の高まりと規制の強化に合わせ、再生可能エネルギーの活用やプラスチック削減などの取り組みが小売企業にも求められています。Walmartもサステナビリティ目標の達成に向けて投資を継続しています。

4. DX(デジタルトランスフォーメーション)の本格化

在庫管理や物流の効率化だけでなく、データ解析を活用した顧客体験のパーソナライズや店舗運営の自動化など、テクノロジー投資が競争優位を大きく左右します。

5. 今後の成長戦略と見通し:何が求められるのか

Walmartの事例から見えてくるのは、以下のようなこれからの小売の方向性です。

1. テクノロジーへの継続投資

  • • AI・ロボティクス・データ解析などを駆使し、需要予測や在庫管理、接客の最適化を実現する
  • • オンライン接客やライブコマースなど、新たな販売チャネルの創出

2. ローカライズ戦略の徹底

  • • それぞれの国・地域特有の文化や消費スタイルに合わせたサービス展開
  • • サプライチェーンの柔軟性確保とコスト管理

3. 店舗リニューアル・新サービス導入による顧客体験の向上

  • • “体験型”店舗やスマホアプリとの連動で、消費者との接点を拡大
  • • ピックアップ専用スペースやスマートレジの導入など、時短ニーズに対応

4. サステナビリティ視点の強化

  • • サプライチェーン全体の環境負荷低減
  • • エシカル消費に対応した商品の拡充

5. グローバル展開と地域経済への貢献

• 新興国市場への積極投資と同時に、地域コミュニティとの協業を深める

6. 今の時代を知る学び:Walmartに見る“小売の未来”

小売業界は、消費者の行動様式が大きく変化し、テクノロジーの発展と相まって新しい購買体験の創造が急速に進んでいます。Walmartの例は、豊富な資金力と技術投資により、デジタルとリアルを融合させながら高い利便性を実現している好例といえます。

一方、小売市場全体を見れば、店舗運営コストの上昇やサプライチェーンの混乱、インフレによる仕入価格上昇など不確定要素が多く、持続可能な収益モデルを構築できるかが各社共通の課題です。特に、消費者との“直接のつながり”をどれだけ強化できるかが、リピーター獲得やブランドロイヤルティ形成の鍵となるでしょう。

Walmartが継続して好業績を上げられている背景には、既存の店舗網を最大限に活用したオムニチャネル戦略や、テクノロジーと購買データを駆使した高度なオペレーション管理が存在します。今後も、eコマースと実店舗の融合、サステナビリティへの取り組み、そして新興国市場への拡大を推進することで、さらなる成長が期待されます。

まとめ

WalmartのFY25 Q2(2024年度第2四半期)の決算は、同社の企業戦略と小売業界の最新トレンドを象徴するものとなりました。消費者行動のオンラインシフト、サブスクリプション型サービスの重要性、サステナビリティやテクノロジー活用の深化など、今の小売を俯瞰すると「変化のスピードが加速しながら、持続可能かつ顧客に寄り添うビジネスモデルが求められる時代」であることがわかります。

小売企業が競争力を維持・強化するためには、オンラインとオフラインの融合だけでなく、グローバル展開と地域密着を両立し、テクノロジーへの投資を絶やさず行う必要があります。消費者のニーズが瞬時に変わる現代において、“いま何が求められているか”を常に見極め、柔軟に対応し続ける企業こそが、これからの時代の小売をリードしていくでしょう。

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