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おもちゃショー2024:トレンドを反映するおもちゃ事情

 おもちゃショーは、玩具という視点でその時代を色濃く反映し、子供がそれを通して成長していくからこそ、興味深い。また、最新の製品や技術、視点を披露する場としても、実際、多くの人が注目していて、目が離せない。、、、というわけで、2024年のおもちゃショーにやってきた。

東京おもちゃショー2024は・・・?

 そもそも、「東京おもちゃショー2024」は、日本玩具協会が主催し、2024年8月29日から9月1日まで東京ビッグサイトで開催されています。その参加企業は192社に上り、約35,000点のおもちゃが展示される予定。前半の2日間はバイヤーズデーとして商談が行われました。(後半の2日間はパブリックデーとして一般公開)。

・仕掛けも商品も

最近では、最新の知育デバイスやAI搭載のおもちゃ、インタラクティブペット、デバイス型トイなど、最先端のおもちゃが数多く展示されています。また、昨年に引き続き、パブリックデーは有料で開催。

雑誌「コロコロコミック」の「コロコロ魂フェスティバル」との併催も継続されます。また、5年ぶりに「ステージショー」が復活し、スタンプラリーや「エンターTOYメント ポイントゲットツアー」などの新しい主催イベントも初開催されています。

ただ、このイベントをビジネス目線で、見れば、単なる新製品の発表の場ではないと考えています。業界全体のトレンドや方向性を示す重要なイベントでもあります。

 幾つか気になる企業があったものの、まず最初は、話を詳しく聞かせてくれたのが、エポック社です。

■シルバニアファミリーの多彩な新商品ラインナップ

 彼らのメインストリームとしては、シルバニアファミリーかなと思います。最近の傾向として、子供だけでなく、10代後半から20代前半の若者や大人のファンも増えています。

同社曰く、上記の動きを受けて、コア層と、ライト層とに分けつつも、両方がうまく融合するように、ブランド設計していることがうかがえます。

いわゆるハウスやテーマ型の大きなセットを購入するのが、コアファン。これは定番の動きですよね。おもちゃとしての愛され方。ただその一方で、今、大人に人気なのは、ミニチュアという視点です。ブラインドパックはまさに、そういう大人を意識しているアイテムとも言えます。中身がわからず、どの人形が出てくるかわからないという要素は、YouTubeでの開封動画などへと発展して、話題を集めているわけです。

・コアな層においては

改めて、シルバニアファミリーのコア層では定番商品の「赤い屋根の大きなお家 -屋根裏はひみつのお部屋」を軸に展開されます。これだけは数年に一度リニューアルされ、ずっと通して、販売されるわけです。人形のインフラですね。

ただ一方で、これらは大きなセットなので、ハードルが高いというお客様もいる。そこで、まずは、「初めてのシルバニアファミリー」。お家・人形(ショコラウサギの女の子)・基本的な家具がセットになっているのでこの商品だけで遊べます。低価格で簡単な設計という部分が初心者でも安心です。

そして、個々の人形においても、トレンドが見られます。面白いのは、絶滅危惧種「ゆきひょう」を元にして、人形にしていたりします。

・大人向けの要素

 個人的にECに関係して面白いと思ったのは、「エポック・ワン」という取り組みです。彼らは元々、野球版がそうであるように、スポーツとも縁が深い。そこで、野球やサッカーなどの選手の名シーンをカードにしようというわけです。

 なんだ?そんなものは既に存在するじゃないかと言われそうですが、そうではありません。まさに、昨日行われた試合での名場面を写真に収めて、欲しい人が一定数集まれば、それを販売して、お届けするというサービスなのです。

 当然、数量限定になるし、より推しの選手の色々なシーンを即座に送れるわけですから、これは面白いなと。野球で言えば、各球団とあらかじめ、契約を結んでいて、彼らにはロイヤリティーが支払われるので、ウィンウィンです。

■タカラトミーのSDGsへの取り組みとリカちゃん

 タカラトミーは、今年100周年。豊富なラインナップで、アニメ「宇宙なんちゃらこてつくん」をモチーフにしたボードゲームなど、この冬の新商品なども、陳列。

ただ、個人的に、代表的なキャラクターである「リカちゃん」を通じて、SDGsにつながる取り組みをしていたのが、印象的だったので、それを取り上げます。

・リカちゃんとSDGsのコラボレーション

 リカちゃんで、SDGs?そう思われる人もいるでしょう。このプロジェクトでは、捨てられてしまうはずだったお洋服をリカちゃんの衣装として再利用し、子どもたちに環境保護の大切さを楽しく学んでもらうことを目的としています。

 この活動に関連して、子供たちが店舗やイベント会場で実際に体験できるよう、ハサミを使わずに簡単に作れるキットとして提供されています。先ほど、書いた通り、このイベントはパブリックデーもありますから、これらを親子で楽しもうというわけです。

関連記事:タカラトミーとSTORY & Co.が生み出す未来の価値提案 – おもちゃショーでの体験型プロジェクト:

・リサイクルと教育を結ぶ活動

 この取り組みを主導しているのは、ストーリー・アンド・カンパニーという企業です。彼らは、企業やブランドと連携して、廃棄される素材を使ったさまざまな活動を展開しています。

 今回のリカちゃんとのコラボレーションは、その一環として実施されており、子どもたちにリサイクルや環境保護について学ばせる絶好の機会となっています。

・女性の感性とSDGsの融合

 いい取り組みだなと思ったのは、僕の考えでもあるけど、SDGsというのは、日常生活の中で自然に取り入れられることが大事だと思っているからです。

 割と、女性的な感性がものを言う世界ではないかと僕は思っていて、リカちゃんという素材との親和性に着目したところに価値があります。

 特に女の子にとっては、リカちゃんと遊ぶことは日常です。つまり、SDGsはそんな風にして、非日常ではなく、日常の中にSDGsの理念が溶け込むことが大切。捨てられてしまう洋服に新たな命を吹き込み、リカちゃんというキャラクターを通じて、子どもたちが楽しく学べる環境を提供するのは、注目すべきだと思いました。

■ビバリーのユニークな製品ラインナップとこだわり

ビバリーは、これまで、ジグソーパズルの印象が強い企業でした。ただ、実際、クラフト製品などで、独自の地位を築いているのも事実で、今回のおもちゃショーでは、個性があふれていたように思います。

パチェリエ

「パチェリエ」は、ビバリーが提案する新しいコンセプトのクラフトキットです。子供たちが自分だけのアクセサリーやバッグを簡単に作ることができる。下記の写真左がそう。

創造力を引き出すだけでなく、手軽さと楽しさを両立させたと言う点に価値があります。

そして「シーリングワックス」はクラフト愛好者にとって魅力的なアイテムです。要するに、手紙の封を閉じるときに、ロウを垂らして、そこに刻印するという商品。

この商品は、手紙や贈り物にオリジナリティを加えることができるだけでなく、実用的な用途も兼ね備えています。ビバリーのシーリングワックスは、多彩なカラーやデザインが特徴です。

ジグソーパズル

そして、締めは、ジグソーパズル。

よく考えたなと思ったのが、アクリルスタンドとジグソーパズルの掛け合わせ。写真をご覧あれ。

そして、企業ブランドのオマージュ。

なかでも、「ペヤングそっくりのジグソーパズル」が大きな話題となりました。

これは、ビバリーらしい遊び心とクリエイティビティを象徴する製品。見た目はまるで本物のペヤング焼きそばですが、実際には細部まで再現されたパズルであり、完成した際の驚きと達成感が味わえます。

さらに、このようなユニークなデザインは、パズルを単なる知的挑戦だけでなく、楽しい会話の種にもしてくれるもの。

おもちゃショー2024におもちゃの進化を見る

ピンポイントではありましたが、今回のおもちゃショーで見られた各社の取り組みや製品から、業界の進化を垣間見ることができたのではないかと思います。

子供たちの未来がより豊かになっていき、新しい技術で、どう楽しさを提供し続けるのか、それをおもちゃショーが示してくれます。

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