カラフルな世界観が再び──「SWIMMER」復活ストーリー
玩具箱をひっくり返したように彩り豊かな内装で、約30年もの間、多くの人々の心をときめかせてきた「SWIMMER」。2018年に一度は幕を下ろしましたが、2020年、全国の雑貨店「Patty’s」を展開する株式会社パティズのもとで復活を遂げました。同時に、そのライセンス窓口としてアイピーフォー株式会社(以下、IP4)が参画。新たな船頭とともに、かつての人気ブランドが再び船出することとなったのです。
復活の背景:ブランド譲渡とパティズの思惑
「SWIMMER」は、動物やスイーツなどをモチーフにしたポップでかわいいデザインが特徴のブランドです。2018年に惜しまれつつ店舗が閉店しましたが、当時すでにブランド自体はパティズに譲渡されていました。
その後、100店舗以上を展開するパティズは、自社の豊富な雑貨企画・販売の経験を生かして「SWIMMER」の再始動のタイミングを計画。そうして満を持して迎えたのが、2020年の復活でした。
IP4の役割:ライセンス展開への期待
今回、「SWIMMER」ブランドのさらなる拡大を図るために、ライセンスビジネスも同時に始動。ライセンス窓口として選ばれたのが、IP4です。
キャラクタービジネスでは、世界観を重視するあまり、作家の強いこだわりが商品化の障壁になることがあります。ところが「SWIMMER」の場合、キャラクターと商品が一体となって成長してきた背景があるため、ライセンシー(商品化の許諾を受ける企業)の新たなアイデアを積極的に受け入れる方針だといいます。IP4は、この柔軟性を最大限に生かし、多様な企業が参加しやすいライセンス展開を後押ししていくとのことです。
店頭展開の強み:世界観を直に伝えられる
キャラクターブランドの魅力を伝えるうえで、実際に商品を見せる「売り場」の力は大きいといわれます。「SWIMMER」は、パティズが運営する店舗に専用コーナーを設けるなど、リアルな売り場を通じて世界観をダイレクトに発信できる強みを持っています。
ライセンスを取得する企業にとっては、自社商品を手に取ってもらいやすい販路がすでに確保されていることも大きなメリット。店頭ディスプレイを通じて「SWIMMER」のレトロポップな魅力を存分に活かすことで、ブランド戦略をさらに推し進めることが期待されています。
新旧ファンを取り込むレトロポップの魅力
昨今、メルカリなどのフリマアプリを通じて、母親の時代のファッションを楽しむ若い世代が増えています。「SWIMMER」の世界観を懐かしむ30〜40代はもちろん、10〜20代にとってもレトロポップなデザインは新鮮で魅力的。ブランドの認知度や売り場環境が整った今、幅広い年代から再び注目を集める素地が整っているのです。
おわりに:新たな船頭とともに広がる可能性
一度は姿を消した「SWIMMER」ですが、パティズとIP4という新たな“船頭”を得て、意気軒昂な再船出を遂げました。これまで培ってきたブランドの世界観と、新たに加わる企業の創意工夫が合わさることで、より一層の盛り上がりが期待されます。
懐かしさだけでなく、新しい時代のポップカルチャーとしても受け入れられつつある「SWIMMER」。この先、どのような商品やコラボレーションを見せてくれるのか。かつてのファンはもちろん、新たなファンにとっても、注目のブランド再生プロジェクトになることでしょう。