日本のテレビ通販が海を越える瞬間――ショップチャンネルが挑む中国越境ECの未来
テレビ通販のパイオニアとして長年培ってきた商品訴求力と独自のノウハウを武器に、ショップチャンネルがついに中国向けの越境ECを本格始動します。中国では「誰が紹介するか」という“人”の存在がとりわけ重要とされるなか、556万人ものフォロワーを擁する在日中国人インフルエンサーを起用し、ライブコマースによる販売を展開。日本のテレビ通販が国境を越えてどんな価値をもたらすのか、大きな注目を集めています。ここでは、中国進出の背景や戦略、そして越境EC事業の狙いについてわかりやすくまとめてご紹介します。
1. 越境ECへの参入背景:ショップチャンネルが目指すもの
ショップチャンネルは24時間365日双方向型のライブ放送で、日本国内で強い信頼を築いてきたテレビ通販のリーディングカンパニーです。
2024年3月に越境EC事業を開始して以降、日本製品への根強い人気を背景に中国でも徐々に売上を伸ばしています。
中国向けの越境EC参入を決めた理由の一つは、日本の高品質な商品と、日本ならではのストーリー性を国内外の視聴者へ届けたいという想いです。「商品を開発する想い」や「作り手のストーリー」を大切にするショップチャンネルが、これまでの経験とノウハウを生かしながら海外のお客さまにも“心おどる瞬間”を提供することを目指しています。
2. 中国市場でのキーポイント:「誰が発信するか」がすべて
中国の消費者においては、商品の魅力そのものはもちろん、“誰が紹介しているのか”が購買意欲を左右する大きなポイントです。
インフルエンサー(KOL:Key Opinion Leader)の影響力は絶大で、特にライブコマース市場は2025年に約100兆円規模になるといわれています。
ショップチャンネルは、このインフルエンサー起用の重要性を踏まえ、556万人という圧倒的なフォロワー数を持つ在日中国人インフルエンサー・リンピン氏を起用。リンピン氏は日本の文化や商品を日々中国市場に紹介しており、ファンの多くが「日本の商品や文化に興味がある」「流行に敏感」なユーザー層であるため、ターゲットとの親和性も高く、大きな集客力が期待できます。
3. 圧倒的商品力と流通体制:テレビ通販で培ったノウハウ
テレビ通販を長年運営してきたショップチャンネルは、幅広いジャンルの商品調達力と、安定した出荷体制を誇ります。番組制作を通じて培った「商品の魅力をわかりやすく訴求する力」は、他社にはない大きな強みです。
- • 厳選された商品ラインナップ:日本製アコヤパールをはじめ、品質重視の商品を海外向けにも展開。
- • 徹底した出荷管理:24時間365日の放送で国内配送をこなしてきた経験から、越境ECでもきめ細かな物流体制を構築。
こうしたテレビ通販の強固な基盤があるからこそ、越境ECでも「安心感」と「購買体験の楽しさ」を同時に提供できるのです。
4. 初のWeiboライブコマース:インフルエンサー「リンピン氏」の影響力
今回の試みとして、3月21日(金)と29日(土)の2日間、Weibo(微博)でライブコマースが実施されます。初回はショップチャンネルのスタジオから配信され、アコヤパールを中心とした日本製パールジュエリーの魅力を直接紹介。リンピン氏の生配信を通じ、フォロワーたちはリアルタイムで商品に触れ、コメントしながら購入することが可能です。
このリアルタイムでのコミュニケーションこそがライブコマース最大の強みであり、テレビ通販と相性がよい理由でもあります。視聴者はスタジオのライブ感をオンラインで楽しめる一方、ショップチャンネルとしては新たな顧客層との接点を獲得する大きなチャンスとなります。
5. 越境ECの未来と期待されるインバウンド効果
ショップチャンネルが中国市場向けに越境ECを拡大することで、日本国内における認知度向上やブランド力強化、さらにはインバウンド促進への相乗効果も期待できます。
- • 中国でのブランド知名度アップ:テレビ通販の国内実績をもとに、中国市場へ信頼のもてるサービスを提供。
- • インバウンドへの波及:中国の消費者が日本を訪れた際に、ショップチャンネルで紹介された商品を実際に体験・購入する動きが見込まれる。
今後もショップチャンネルは、日本の魅力的な商品を届けるためにコンテンツ制作力と商品調達力を活かしながら、戦略的に事業を推進していく方針です。テレビ通販の枠を超えた新しい価値提供に期待が高まります。
【まとめ】
日本ならではのストーリーや商品開発の想いを伝える力で多くのファンを獲得してきたショップチャンネルが、中国市場で圧倒的な影響力を持つインフルエンサーとタッグを組み、越境ECという新たな舞台へと踏み出しました。
中国でのライブコマースが当たり前になっている今だからこそ、「誰が紹介するのか」を重視しながら日本の品質や文化を丁寧に届けていく戦略は、ショップチャンネルならではの強みを最大限に生かす取り組みといえるでしょう。これからの動向に注目が集まるとともに、日本のテレビ通販が海外でどのように受け入れられ、新しい価値を創出していくのか、大いに期待が寄せられています。