大丸松坂屋「明日見世」リニューアルオープン:体験型ストアの新たな一歩
2024年9月18日、大丸松坂屋百貨店は大丸東京店9階に「明日見世」をリニューアルオープンしました。この空間は、従来の「買う」行為から「出会う」体験へと進化を遂げ、面積も約4倍に拡大。「明日見世」は、商品を単に販売するのではなく、作り手の思いやストーリーを顧客に伝えることを重視しており、展示やカフェスペースの導入によって、より豊かな体験が提供されているのです。
体験価値を高めるリアル店舗
新しくなった「明日見世」は、顧客に商品を「知る」「試す」「考える」機会を提供しました。店舗内には、従来の展示に加え、一部商品がその場で購入できるショップコーナーや、カフェスペースが新設。ゆっくりとくつろぎながら商品に触れることができるようになります。
期間限定で入れ替わるカフェもあり、今後はブランドとのコラボレーションも予定されています。
新しい価値観と出会う空間
リニューアルに伴い、アーティストによるインスタレーションやイベントも定期的に開催されます。初回のインスタレーションでは、ブックコーディネーターの内沼晋太郎氏が手掛ける「REBORN」をテーマに、書籍を通じて新しい価値観や物語と出会う体験が提供されるのです。また、イベントは定期的に開催され、訪れるたびに新しい発見がある空間として、多くの人々を惹きつけることでしょう。
多様なブランドの取り扱い
「明日見世」では、ブランドが約6カ月単位で入れ替わり、顧客により深く、長くそのブランドを体験してもらう機会を提供しています。
例えば、創業130年を超える老舗製薬会社である三省製薬は、化粧品ブランド『DERMED』『IROIKU』『yameKAGUYA』を展開しており、それぞれのブランドが持つ独自の理念と、製品の背景にあるストーリーを顧客に伝えています。
『DERMED』はエイジングケアをテーマに高品質なスキンケア製品を提供し、『IROIKU』は自然の力を活かした製品づくりを行い、『yameKAGUYA』は伝統的な知恵と現代科学を融合させたユニークなアイテムを展開しています。これらのブランドは、単なる商品の提供に留まらず、使用者のライフスタイルに長期的な影響を与えることを目指しています。
持続可能な未来を見据えた取り組み
さらに、俳優の松山ケンイチさんと小雪さんが手掛ける「momiji」は、廃棄物を再利用し、アップサイクルするプロジェクトとして注目を集めています。このライフスタイルブランドは、廃棄される貴重な資源を新たな形で活用するアイテムを提供し、持続可能な未来に向けたメッセージを発信しています。
また、「葛飾町工場物語」は、東京都葛飾区の町工場の技術力を活かした製品を紹介し、日本のものづくり文化を次世代に伝える取り組みとして話題です。ものづくりの街として知られる葛飾区で生まれたアイテムは、製品の質とその背景にある職人技術にフォーカスした展示が行われ、訪れる人々に新たな発見を提供しています。
また、カカオをフルーツとして再定義するプロジェクト「ひらけ、カカオ。」など、サステナブルなブランドも多数取り扱います。これらの取り組みは、持続可能な社会を目指す新しい価値観を顧客に提供し、単なる物販以上の深い体験を提供していく。
価値観の再発見
「明日見世」は、単なる商品購入の場ではなく、作り手と顧客のコミュニケーションを通じて新しい価値観を提供する体験型ストアです。来場者は、商品の背景にあるストーリーや作り手の思いを知ることで、単なる買い物以上の深い繋がりを感じることができます。カフェでゆったりと過ごしながら、新しいブランドや商品に触れるだけでなく、定期的に開催されるインスタレーションやイベントを通じて、アートや文化に触れることも可能です。
また、期間限定のカフェやブランドとのコラボレーション企画を楽しみながら、自分に合った商品を試したり、その場で購入することもできるため、訪れるたびに新しい発見があります。さらに、ブランドや商品のライフスタイルへの取り入れ方を考える機会が与えられ、顧客は自身の価値観を再発見し、日常生活に新たな彩りを加えることができるでしょう。