楽天、新たな日本語AIモデルを発表-AI技術で日本語対応がさらに進化。
楽天グループ株式会社が2024年12月18日、新しいAIモデル「Rakuten AI 2.0」と「Rakuten AI 2.0 mini」を発表しました。これらは日本語に最適化された最新のAI技術を駆使し、企業や開発者がAIアプリケーションを効率的に構築できるよう支援します。専門的な言葉が多い発表内容ですが、今回はその要点をわかりやすく解説します。
1: 大規模モデル「Rakuten AI 2.0」とは?
計算効率と性能を両立した先進的なAIモデル
「Rakuten AI 2.0」は、AI分野で注目される「Mixture of Experts(MoE)」という仕組みを採用しています。これは、複数の専門的なサブモデル(エキスパート)を組み合わせて動かす設計です。通常、大規模なAIモデルは膨大な計算資源を必要としますが、このモデルでは必要な部分だけを動かすため、計算コストを大幅に抑えつつ高い性能を発揮します。
さらに、「Rakuten AI 2.0」は8つのエキスパートが協力する仕組みを持ち、各エキスパートが特定のタスクに強みを発揮します。この結果、日本語の自然な文章理解や生成において、従来モデルよりも大きく性能が向上しました。楽天による検証では、平均性能が8つの評価タスクで10ポイント以上も向上したことが確認されています。
2: 小規模モデル「Rakuten AI 2.0 mini」の特徴
小型で高性能、モバイル向けにも対応可能
一方、「Rakuten AI 2.0 mini」は、15億パラメータを持つ小規模なAIモデルです。モバイル端末やエッジデバイスでの利用を視野に入れて設計されており、クラウドにデータを送らずに端末内で処理を完結できます。この仕組みは、プライバシー保護や低遅延、高コスト効率が求められる用途に最適です。
「Rakuten AI 2.0 mini」の強みは、日本語と英語の高品質なデータをもとに学習されている点です。これにより、さまざまなシーンでのテキスト生成や応答の精度が向上し、小型ながらも本格的なAI活用が可能になります。
3: 日本の技術者や企業を支援する楽天の取り組み
オープンソースでAIの普及を後押し
今回のモデルは、来春を目途にオープンソースとして公開予定です。これにより、日本国内外の開発者が自由にこれらのモデルを活用できるようになり、AIアプリケーション開発がさらに加速することが期待されています。楽天は、これらのモデルを通じてAI分野における日本の技術力向上を目指すだけでなく、自社の「楽天エコシステム(経済圏)」のさらなる拡大も視野に入れています。
楽天グループのAI責任者ティン・ツァイ氏は、「AIは人々の創造性と効率性を高めるツールであり、今回のモデルはその可能性をさらに広げるものだ」とコメント。楽天のAI技術は、ビジネスの効率化だけでなく、エンドユーザーへの価値提供をも視野に入れています。
小見出し 4: 楽天が目指す「AI-nization(エーアイナイゼーション)」とは?
AIが身近になる未来を創造
楽天はAI技術の浸透を意味する「AI-nization」という造語を掲げ、ビジネス全般でのAI活用を推進しています。今回の「Rakuten AI 2.0」および「Rakuten AI 2.0 mini」の発表は、この目標に向けた重要な一歩です。
特に、日本語に最適化されたこれらのモデルは、日本の企業や個人がより簡単にAI技術を導入できる環境を提供します。また、オープンソースコミュニティとの連携によって、技術の進化と普及がさらに加速すると考えられます。
楽天が発表した「Rakuten AI 2.0」と「Rakuten AI 2.0 mini」は、日本語に特化したAIモデルとして、効率性と利便性を兼ね備えた先進的な技術です。これらのモデルを通じて、AIがさらに身近な存在となり、私たちの生活やビジネスに新たな可能性をもたらす未来が期待されます。
今日はこの辺で。