ラーメンだけじゃない、カレーも“エンタメ化”していた──楽天グルメ館が挑む次の一手
「ECと食の共鳴」──これは、僕が昨年『ラーメンフェスタ』の現場で体感したことだ。その時、楽天グループが「楽天グルメ館」を通じて、ラーメンという“嗜好性の高い食品”をリアルイベントで体験させ、冷凍食品という形で全国へ届けていた。
あれから数ヶ月。今回発表された「カレーハウスCoCo壱番屋」との共同開発冷凍食品は、あのときの戦略の延長線上にあると確信した。むしろ、ここから本格的に、“ご褒美食品の民主化”が始まる気がする。
目の前で食べた感動を、冷凍庫にストックする
『ラーメンフェスタ』の舞台裏で語られていたのは、ただ単に冷凍食品を売ることではなかった。店舗でしか味わえなかった一杯を、どうやってECで再現するか──それは“味の再現性”を超えた、“体験の再現”への挑戦だった。
そして今、「CoCo壱番屋」という外食チェーンの代名詞とも言えるブランドと手を組み、「旨さ極めたごろ肉ポークカリー」を世に出す。その背景には、同じ哲学が流れている。「日常の贅沢」をテーマに、食卓にちょっとした感動を持ち込む。そういう意味では、カレーもまた、ラーメンと同様に“エンタメ”なのだ。
食品開発も「専売」で価値を上げる
今回のポイントは“専売”という設計。これはただの取扱商品ではない。「Rakutenグルメ館」が自ら企画に関わり、共同開発する──つまり、“楽天だから買える”商品に仕立てているわけだ。
『ラーメンフェスタ』でも語られていた「カバー率向上」の戦略と同じ文脈で、今度はラーメンの枠を越えて、人気チェーンとの掛け算に踏み込んだ。
冷凍食品の流通総額がここ数年で2.1倍に伸びているのも頷ける。技術革新が背景にあるとはいえ、その本質は「価値を伝える仕組みづくり」にある。そして、その仕組みを主導しているのが、まさに“楽天グルメ館”だ。
いずれ、フェスタは“カレーフェスタ”にも?
「カレーフェスタ」とか、全国的なリアルイベントってあるのかな?そこで、CoCo壱番屋だけでなく、地方の名店カレーや、スパイスを極めた専門店が軒を連ねる。その場で食べた美味しさに惚れ込んだ人が、「あ、冷凍買えるんだ!」とスマホを手に取る。そんなことができれば、また面白いよね。──もはや、その導線は『ラーメンフェスタ』で実証済みだから。(あったらごめんなさい。)
リアルの体験をきっかけに、ECで定期的に買ってもらう。その逆も然り。ネットで買ったものをリアルで確かめてみる。この往復がある限り、「グルメ館」はイベントの裏方に見えて、むしろ主役かもしれない。
冷凍食品は、ECにおける“最高のコンテンツ”だ
今回の冷凍カレーも、価格は決して安くない。でも、それがいい。
■共同開発商品「旨さ極めたごろ肉ポークカリー」概要
販売開始日時: 2025年3月21日(金)20:00
販売価格: 1食1,875円(税込・送料別)、5食セット5,975円(税込・送料込)
配送方法: クール冷凍便
商品特徴: “日常の贅沢”をコンセプトとして人気の高い欧風カレーをベースに、やわらかな食感で大きめの豚肉を使用した冷凍カレーです。香り高いスパイスと玉ねぎのコク深い味わいが特徴です。
1100円のラーメン、1875円のカレー。普段遣いではなく、“少し贅沢したい”時に買いたくなる。まさに楽天が提唱する「日常の贅沢」。その世界観を支えるのが、冷凍食品という媒体なのだ。
だから、楽天が冷凍食品に注力するのは理にかなっているし、今後は地方の小さな名店との協業も加速するはず。
それがひいては、地方創生や「地域エンパワーメント」に繋がっていく。ECの未来は、単なる物流ではない。体験の再現であり、価値の提案だ。いや、その先には「グルメの祭典」が待っているかもしれない。
そうやって、食がエンタメになり、ECが文化を届ける。だから今日も、冷凍庫を開けて、僕らはちょっと贅沢な日常を楽しむのだ。
今日はこの辺で。