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ポケモン × 工芸展 – 美とわざの大発見 ポケモンと日本工芸が織りなす新たなアートの世界へようこそ!

2024年11月1日から2025年2月2日まで、東京・麻布台ヒルズ ギャラリーで「ポケモン×工芸展 – 美とわざの大発見」が開催されています。この展覧会は、2023年に石川県の国立工芸館で始まり、国内外を巡回してきたポケモンと日本工芸の融合をテーマにしたアートプロジェクトです。現代日本を代表する20名の工芸アーティストが「ポケモン」というテーマに向き合い、約80点におよぶ作品を通して、工芸の美しさと技、そしてポケモンの多様な表現が共存する新しいアートの世界を創り上げました。

ポケモンと工芸の「かけ算」から生まれる感動

ポケモンと工芸、果たしてこの二つが出会うと何が生まれるのでしょうか?

2019年秋、株式会社ポケモンは東京国立近代美術館工芸館(現・国立工芸館)を訪れ、日本の伝統工芸に触れる中でこのアイデアが生まれました。長年受け継がれ、今も進化し続ける工芸の美意識や技術にポケモンというテーマを融合させることで、伝統の枠を越えた新しい表現が可能になるのではないか。

こうした期待とともに、アーティストたちに挑戦状を叩きつけたのです。

「ポケモンと工芸の真剣勝負」を通じて、現代を代表するアーティストたちは、それぞれの素材と技法、そしてポケモンの持つキャラクターや物語を深く掘り下げ、新たな「美」と「わざ」を生み出したと言えます。

工芸には、陶芸、漆芸、木工、金工、染織といった多様な素材や技法があり、作家ごとに表現もアプローチも異なります。その違いが重なり合い、ポケモンの「進化」や「わざ」の魅力を豊かに引き出しているというわけです。

展示構成 – 三部構成で楽しむポケモンと工芸の世界

本展覧会は、ポケモンと工芸の世界を「すがた」、「ものがたり」、「くらし」という三つのテーマで構成しています。これらのテーマが、ポケモンの多様な魅力を引き出し、それぞれの視点から工芸との関係性を探る役割を果たしています。

1.すがた ~迫る!~

「すがた」では、ポケモンの特徴やフォルムが工芸の技術によって表現されます。金属や木、土といった素材を通じて、ポケモンの肌触りや表情、気配までもが細やかに表現されるこのエリアでは、工芸の技とポケモンのキャラクターが驚くべき形で融合します。ポケモンという想像上の存在が、現実の素材と技術によって具現化される瞬間を楽しむことができるでしょう。

2.ものがたり ~浸る!~

「ものがたり」では、ポケモンの進化や友情、冒険といった物語性が工芸作品の中に息づきます。ポケモンのゲームやアニメの記憶が、作家たちの手で再構築され、工芸の素材と技法を駆使して表現されています。進化や成長、旅というテーマが作品を通じて語られ、ポケモンとともに歩む冒険が美しい形で蘇ります。このエリアは、ポケモンをただのキャラクターとして見るのではなく、そこに宿るストーリーや感情を体感できるような構成になっています。

3.くらし ~愛でる!~

「くらし」では、ポケモンが日常生活の中に溶け込みます。器や着物、装飾品などを舞台に、ポケモンのデザインが美しく表現され、工芸が生活に潤いを与える役割を示しています。ポケモンが単なるキャラクターではなく、日々の生活の一部として愛でるべき存在として描かれています。作品を通じて、日本の工芸が持つ「使うための美」が感じられ、ポケモンが私たちの生活の中で特別な存在であることを再認識させてくれます。

数々の工芸でポケモンを感じ取る

本展覧会に参加したアーティストたちは、それぞれの個性と技法を駆使し、ポケモンに新しい命を吹き込みました。ここでは、いくつかの代表的な作品を通じて、彼らがポケモンの魅力をどのように表現したのかを紹介します。

坪島悠貴さんの可変金物 – ココガラとアーマーガアの共生

坪島悠貴さんは、可変金物と呼ばれる金属製の小さなオブジェクトで、ココガラとアーマーガアの2匹のポケモンを再現しました。パーツを動かすことで姿が変わるこの作品は、坪島の工芸への探究心が詰まっています。根付の概念を取り入れ、携行品としての実用性と遊び心が融合された作品は、触れるたびに異なる形状を楽しむことができます。

新實広記さんのガラスアート – つららおとしの2つのリアリティ

新實広記さんは「つららおとし」というポケモンの技をテーマに、ガラス素材を用いた作品を制作しました。ガラスの持つ透明感と重厚さの「2つのリアリティ」を追求し、展示空間内で異なる体験ができるよう設計されています。観る人が作品を覗き込むとき、ガラスの中に光が封じ込められ、まるでポケモンの技が放たれる瞬間に立ち会うようなスリルを味わえます。

吉田泰一郎さんの銅彫作品 – イーブイと進化形の七宝焼

吉田泰一郎さんは、イーブイとその進化形であるシャワーズ、サンダース、ブースターを題材に、銅と七宝焼の技法を駆使して作品を制作しました。各進化形に異なる金属の技法を施し、七宝焼のガラス質がポケモンの内なる光を美しく表現しています。ポケモンの成長と多様な進化を象徴する作品は、観る人に深い感動を与えます。

桑田卓郎さんの美濃焼カップ – ピカチュウを映す陶器の探求

桑田卓郎さんは、ピカチュウをテーマにした美濃焼のカップを制作しました。カップの成形には現代の最高技術が用いられ、カラフルな釉薬や金彩、プラチナ彩によってピカチュウの愛らしさが表現されています。プロセスを重ねるたびに増していく豊かな表情は、日本のものづくりの底力を感じさせるものです。

ポケモンが引き出すアーティストたちの個性

ポケモンというテーマは、アーティストにとっても新たな挑戦でした。

中には「ポケモンを遊びながら育った」人もいれば、「ポケモンは初めて触れる」という人もいました。しかし、いずれの作家もポケモンの魅力に触れる中で、彼らなりの「ポケモン像」を見出し、作品に反映させていきました。作品を制作する過程で、彼らの中に自然と「ポケモン愛」が育まれ、それが工芸の技と融合していったのです。

20名のアーティストが試行錯誤を重ねながら、それぞれの作品に込めたのは、ポケモンの世界観や物語を通して見えてくる「かけ算パワー」。

ポケモンの進化や技、仲間との絆などを、自身の工芸技法と組み合わせ、新しい価値を創り出しています。まるでアートとエンターテイメントが交差する瞬間を目撃するような感覚を味わえます。

コラボカフェやトークイベントで体験を拡充

この展覧会では、展示作品以外にもさまざまな体験が楽しめます。

麻布台ヒルズギャラリーカフェでは、ポケモン×工芸展に合わせたコラボカフェがオープンし、ポケモンをテーマにした特別メニューが提供されます。また、会期中には作家たちによるトークイベントやワークショップも開催される予定です。

さらに、展覧会限定のオリジナルグッズも販売されるため、訪れる人々は、工芸とポケモンの融合がもたらす多彩な魅力をさまざまな形で楽しむことができます。

未来の工芸を担う「ポケモン×工芸展」の意義

ポケモンというエンターテイメントのアイコンを日本の伝統工芸と結びつける試みは、単にポップカルチャーと伝統が交わるだけでなく、工芸が持つ表現の可能性を拡げ、新たな価値を生み出すプロジェクトとして重要な意義を持っています。

この展覧会では、アーティストたちがポケモンのキャラクターやストーリーに触発され、工芸作品を通じて独自のアート表現に挑戦しています。

来場者は、単にポケモンを観賞するのではなく、ポケモンを題材にした工芸作品を通じて、ポケモンと日本工芸の新たな融合の形を感じ取ることができます。ポケモンと工芸が織りなす、今までにない美と技の世界を、ぜひ麻布台ヒルズ ギャラリーで体験してみたいところです。

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