三越伊勢丹が進める“顧客に合わせた提案”への変革
1. テクノロジーを活用した新サービス:「YourFIT365 ISETAN MEN’S」
三越伊勢丹は、テクノロジーを通じて顧客のニーズをより深く理解し、それに合った商品を提案する取り組みを強化している。
その一環として2020年3月25日から、伊勢丹新宿店メンズ館において、グループ初となる紳士靴のマッチングサービス「YourFIT365 ISETAN MEN’S」を開始する。
「YourFIT365」とは
- • もともと2019年8月に伊勢丹新宿店の婦人靴売場で導入されたサービス。
- • 15秒程度の3D計測で足形をデジタル化し、店頭の商品からサイズや形状が合う靴を自動レコメンドする。
- • シューカウンセラーのコンサルティングも受けられるため、データと接客を融合したストレスのない靴選びが可能。
- • 今回のメンズ版ではドレスシューズを対象にサービス範囲を拡大し、ビジネスシーンでも自分の好みに合う最適な一足を見つけられるようにした。
2. データ×リアル接客による新しい“おもてなし”
以前の百貨店は、ブランドやメーカーが提案する商品をお客様が選ぶスタイルが主流だった。しかし現在は、テクノロジーを活用した「顧客目線」での提案にシフトしている。
デジタルで得た足形データをもとに、来店した顧客に最適な商品をレコメンドしつつ、店舗スタッフの専門的なアドバイスを組み合わせることで、利便性と伊勢丹らしいホスピタリティを両立しているのが特徴だ。
3. 顧客ニーズに合わせた提案事例:小柄女性向けイベント
伊勢丹新宿店では、顧客に合わせた提案の一例として、「150㎝-ish”STYLE”」という小柄女性のためのファッションイベントを2020年3月11日~16日に開催した。
- • 約30のブランドが参加し、小柄な女性が選びやすいウェアやシューズ、アクセサリーなどを提案。
- • インフルエンサーやスタイリストとのコラボにより、“小柄映え”するアイテムを幅広く紹介。
このように、従来の「メーカー都合の品揃え」から「特定の顧客層のニーズにフォーカスした品揃え」へと切り替えることで、顧客満足度を高める狙いがある。
4. 他百貨店との比較と伊勢丹の方向性
他の百貨店では、たとえば東急百貨店が東横店をクローズして新施設へ移行するなど、従来の百貨店形式にこだわらない動きも見られる。一方で伊勢丹は、百貨店としてのブランド価値を残しつつ、新しいテクノロジーを取り入れることで顧客一人ひとりに合わせたサービスを提供しようとしている。
つまり「百貨店の形を大きく変えずに進化させる」ことに取り組む姿勢が伺える。
5. まとめ
- • 三越伊勢丹はテクノロジーを活用し、顧客データを深掘りして最適な商品をレコメンドする取り組みに力を入れている。
- • 「YourFIT365 ISETAN MEN’S」は、3D計測による自動レコメンドと店舗スタッフのコンサルティングを融合した新たな靴選びの体験を提供。
- • 小柄女性向けイベントのように、特定の顧客層に合わせた商品の提案も増加。
- • 百貨店の形態を保ちつつ、リアルとデジタルを組み合わせることでブランド価値を高め、顧客とのエンゲージメントを強化することが狙いである。
このように、三越伊勢丹は新しい時代の百貨店として「テクノロジーを活用したおもてなし」を模索し、顧客に合わせた提案を通じてショッピング体験を変革しようとしている。