LINEヤフーの2024年第1四半期決算:EC事業とLYPプレミアムの成長を支える要因
LINEヤフーの2024年第1四半期決算発表を行い、売上収益4,630億円で過去最高を記録しました。ECにおいては、LYPプレミアムが牽引。売上収益2,073億円(前年同期比5.8%増)、調整後EBITDA413億円(同15.7%増)と堅調な成長を見せました。それがまた、メディア事業にも貢献。PayPayも成長し、全体の業績向上に寄与していることを明らかにしました。
・全社業績の概要
LINEヤフー株式会社は、2024年第1四半期(4月〜6月)の売上収益を4,630億円とし、前年同期比7.6%の増加を達成しました。調整後EBITDAは1,217億円(前年同期比21.7%増)に達し、過去最高を記録しています。これらの成長は、主にEC事業と戦略事業によるものです。
・EC事業の成長を牽引するLYPプレミアム
EC事業は、売上収益2,073億円(前年同期比5.8%増)、調整後EBITDA413億円(同15.7%増)と堅調な成長を見せました。その中で、特に「LYPプレミアム」が大きな役割を果たしています。LYPプレミアムは、Yahoo!ショッピングやZOZOを含む複数のECプラットフォームでのクロスユースを促進し、利用者の購買活動を活性化しています。
・LYPプレミアムの成功要因
LYPプレミアムがEC事業全体に与える影響は非常に大きい。会員向けに特典や割引を提供することで、EC利用の頻度を高めています。実際、LYPプレミアム会員を対象とした販促施策により、月次EC利用単価が前年比8%増加し、新規EC利用者も14%増加しました。これらの結果は、Yahoo!ショッピングの取扱高が前年同期比で8.3%増加したことにもつながっています 。
・EC事業の詳細分析
2024年第1四半期のEC事業全体の取扱高は1兆289億円(前年同期比4.7%増)に達しました。特に国内物販系の取扱高が7,458億円(同3.9%増)を占め、EC事業全体の成長を牽引しています。この成長は、ZOZOやアスクルの堅調なパフォーマンスに加え、Yahoo!ショッピングのプロダクト改善とLYPプレミアムによるクロスユース促進の成果によるものです 。
・メディア事業と戦略事業の貢献
メディア事業も安定した成長を見せています。売上収益は1,776億円(前年同期比4.4%増)、調整後EBITDAは696億円(同14.2%増)を記録しました。LINE公式アカウントの増加やLINEスタンプの販売が収益に貢献しています。また、戦略事業では、PayPayの成長が特に顕著で、売上収益は791億円(前年同期比20.9%増)となり、取扱高も3.5兆円(同19.4%増)に達しました 。
LYPプレミアムは、主にEC事業への寄与が大きい。ただ、メディア事業にも一定の影響を与えています。具体的には、LYPプレミアムの施策により、LINE公式アカウントの利用やLINEスタンプの販売が活性化しており、これがメディア事業の収益性向上に寄与しています。
・LINE公式アカウントの存在感
例えば、LYPプレミアム会員向けに実施された販促施策は、Yahoo!ショッピングの利用を促進するだけでないようです。実際、LINE公式アカウントを経由した訪問や購入の増加をもたらしました。これにより、メディア事業におけるアカウント広告の収益が増加し、メディア事業全体の調整後EBITDAも改善しています。
また、メディア事業の一部として、LINE公式アカウントの有償アカウント数が増加。これが収益増加に大きく寄与しています。これらのアカウント広告の売上成長は、LYPプレミアムのクロスユース施策がもたらした成果の一環。メディア事業の調整後EBITDAが前年同期比で14.2%増加する結果につながりました。
・LYPプレミアムとEC事業の強化
LYPプレミアムの成功は、今後のEC事業のさらなる成長を支える重要な要因となりそうです。また、戦略事業におけるPayPayの拡大も続く見通しです。LINEヤフーの全社的な業績向上は、この辺の要素が加味して、見込めるということです。ある意味、会員組織としての位置付けが強くなっています。そこでの特典やクロスユース促進施策が、取扱高の増加と収益性の向上に直結。今後もLYPプレミアムを中心にした施策が、EC市場における競争力を強化し、持続的な成長を実現していくことが期待されます。