「Atouch」がさらに進化-今、LINEでショッピングする面白さ
近年、ECの利用シーンは大きく変化しています。たとえば、LINEのトーク画面でそのまま買い物が完結するという、これまでになかった購買体験が広がりつつあります。企業がユーザーにメッセージを送ると、ユーザーはトーク画面上で商品を選んで購入まで一気に進めることができる。これは、普段から使い慣れたLINEの中でワンクリック感覚で商品を買える、非常にストレスフリーな体験です。
「Atouch」は、この新しい購買フローを実現するサービスの一例です。ユーザーはLINEの広告やメッセージにある商品情報を見て、そのまま簡単にカートに追加し、決済を終えられます。ECサイトやアプリを別途立ち上げる必要もなく、移動の手間がないため、スムーズに購入できる点が魅力です。
単品通販から定期通販まで応用可能な“買い物体験の多様化”
こうしたLINE上の新しい購買体験は、単品通販や定期通販の分野でも大きな可能性を秘めています。たとえば、健康食品や化粧品など、リピート購買率が高い商品を扱う企業では、ユーザーとのコミュニケーションが売上を左右することが多いです。LINE上でタイミングよく新商品やキャンペーンを案内し、その場で購入を促せるため、ユーザーの離脱を極力防ぐメリットがあります。企業にとっては、無駄なコストをかけずに効率よく販売機会を創出できる点も大きいでしょう。
今という時代性を映し出すLINE×ECの融合
ECがここまで普及した背景には、コロナ禍でのオンライン消費拡大や、生活インフラとしてスマホアプリが定着したことがあります。現在、多くの人が当たり前のようにLINEを使っていますが、そこに**「ECをさらに便利に利用できる仕組み」**が加わることで、生活圏と購買行動がますます近づく時代になりました。
これは、デジタル技術を活用して“いつでも・どこでも買える”という利便性を追求する現代の消費スタイルを象徴しています。単品通販だけでなく、定期購入や海外向け販売など、多様な形態のECにも応用が可能で、今後のEC市場の発展を占ううえで見逃せない取り組みです。
IRISデータラボの「Atouch」と今後の展望
• IRISデータラボは2020年から政府や自治体向けにLINE公式アカウントの運営支援を行っており、2023年からはECサービス「Atouch」を提供開始。
- • 2024年9月2日からは「Atouch」のプランと機能を改定し、単品通販や定期通販にも最適化されたLINEマーケティングを強化。
- • 今後は、政府関連のデジタル田園都市国家構想や大手企業のEC支援へと展開していく予定。
- • 2026年以降には、日本製品を海外に販売できるプラットフォームの構築を目指すなど、LINEとECを軸にさらなる成長を見込んでいる。
まとめ
LINE上でのシームレスな購買体験は、消費者の「手軽に買いたい」というニーズと、企業の「販路を広げたい・効率よく販売したい」という要望の両方を同時に満たす、新たなECトレンドの一つです。単品通販や定期通販といった多様な販売手法と組み合わせることで、よりユーザーの日常生活に溶け込み、離脱を防ぐビジネスモデルが構築できます。
これは、SNSやメッセージアプリが当たり前に使われる時代だからこそ成立する新しい購買スタイルであり、今後のEC市場やデジタルマーケティングにおいて注目すべき取り組みです。ユーザーにとっては、より手軽でストレスの少ないショッピング体験が広がり、企業にとっては新たな顧客接点と売上拡大のチャンスとなるでしょう。