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小売の変化が促す“メーカーの新しい使命”

JECCICAコラムまとめレポート

最近、「メーカー」の立ち位置が劇的に変わりつつあると感じます。これまでは大量生産・大量消費を前提に、小売や問屋に商品を卸すだけで事が足りたかもしれません。しかし、小売のデジタルシフトやECの台頭により、メーカー自身が“データ”を追いかけ、新しいビジネスモデルを模索する動きが加速しているのです。

1.歯磨き商品のIoT化が象徴するトレンド

象徴的なのが、ライオンが発売を発表した「はみがきのおけいこ」。子どもの歯磨き嫌いを解消するため、スマホ連動のゲーム感覚で楽しめる商品です。

• 従来の歯磨き粉・歯ブラシと違い、商品自体にIoT要素を盛り込み、使ったあとのデータを積極的に活用しようとしています。

• しかも販売のメインは「LOHACO(ロハコ)」で、大量生産・大量流通よりも“顧客データの取得”を重視する姿勢が見えます。

このように、メーカーが小売経由ではなく、ダイレクトに顧客情報を手に入れる動きが増えてきているわけです。

2.デリバリーサービスがメーカーにデータをもたらす?

一方、クイックゲットのように「30分以内で商品をデリバリーする“デジタルコンビニ”」も注目されます。ここで着目したいのは、ただ早く届けるだけでなく、誰が何をどのタイミングで注文しているかという詳細なデータが集まる点です。

• 従来、コンビニはPOSデータを活用して地域ごと・時間帯ごとの品揃えを工夫し、小売の雄となりました。

• しかしデジタル技術を活用すれば、メーカーは小売店を通さなくても、顧客の購買動向を直接取得できる可能性が出てきます。

メーカーが「どこで・どんな顧客が・どのくらいの頻度で商品を使っているか」を深く知れば、新商品の開発や需要予測にいっそう役立つわけです。

3.ShopifyがPOSに興味を持つ理由

さらに、ECプラットフォームのShopifyが「Shopify POS」を強化している流れも見逃せません。これはオンラインとオフラインのデータを一元化し、どの顧客がどの商品を購入したかを深く分析できる仕組み。

• オンラインでの閲覧履歴・購入履歴と、実店舗でのPOS情報をセットで管理。

メーカーが直接知りたいような購買データを、簡単に蓄積・分析できる環境が整いつつあります。

メーカーにとっては「どんな顧客がいつどこで買ったか」を正確に把握できるので、商品開発やマーケティングの精度が一気に上がる可能性があります。

4.物流面にも広がるデータ活用の波

ファーストリテイリング(ユニクロ)が定款を変更して、事業目的に「倉庫業」を追加したニュースも話題になりました。物流を自社でコントロールすれば、顧客の購入ペースや在庫状況がさらに正確に把握できます。

• メーカーが自ら物流まで担う流れは、「製造小売業(SPA)」の拡大を加速させるでしょう。

• 資本力のある企業ほど、あらゆるデータを押さえて生産効率を最大化する方向へ進むはずです。

5.店舗はどう動けばいいのか?

こうしたメーカーのデータ志向が高まるなかで、小売店(オンライン・オフライン問わず)は何をすべきでしょうか?

楽天市場では「RMP – Sales Expansion」という広告プログラムを発表し、メーカーが楽天内で運用型広告を出しやすくなっています。

• メーカーが広告費を出し、広告がクリックされて売れた実績データを得ることで、どんなユーザーがどんな検索ワードで商品を買ったのかを詳細に把握。

ここで小売店が意識すべきは、自分たちが持つ売上データや顧客データの価値です。メインの役割が「売ること」だけではなく、メーカーと連携してブランド力を高め、最適な販売促進につなげる道があるのではないでしょうか。

6.145MAGAZINEとしての視点

メーカーがデータを重視し、小売も積極的に情報を提供するようになると、“どの店舗に卸すか”“どう流通させるか”がより柔軟になります。

• 店側も、単にディスプレイして売るだけではなく、メーカー的な思考(ブランディングや在庫回転率のコントロールなど)を取り入れることで、新たな付加価値を生み出せるはず。

• 安売りで数を捌く手法だけが正解ではなく、店とメーカーが二人三脚で顧客を理解し、より良い商品・サービスを育てる関係が増えていくのではないでしょうか。

7.JECCICAコラムで詳しく読む

今回のポイントや事例は、JECCICA公式サイトのコラムでも紹介しています。興味がある方はぜひ、以下からご覧ください。

小売の変化で、メーカーの使命が変わる

https://jeccica.jp/the-mission-of-the-manufacturer-changes/

メーカーがデータ主導で顧客と向き合う時代、小売はどんな役割を果たせるか。これからの流通・製造の在り方を考えるうえで、大事なヒントになると思います。

まとめ

1. メーカーが“データ”を求める時代

• IoT商品やデリバリー、POS連動などを通じて、直接顧客行動を把握できる環境を整える動きが加速。

2. 小売店は“売るだけ”の場ではなくなる

• データを武器に、メーカーと協力しながら商品の改良やブランド力強化に貢献できる可能性。

3. 製造小売業(SPA)の拡大

• 物流や販売チャンネルを一体化し、生産・流通効率を高めようとする企業が増える。

こうした流れを踏まえれば、小売店・メーカー双方が“立ち位置”を再考し、顧客の求める価値をより的確に提供できる時代になってきたといえそうです。

 

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