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「日本おもちゃ大賞2025」バンダイナムコグループが大賞4冠!たまごっち・ポケモン・ルービックキューブが世代を超えて進化

2025年8月21日、日本玩具協会が主催する「日本おもちゃ大賞2025」において、バンダイ・BANDAI SPIRITS・メガハウスのバンダイナムコグループから、実に 大賞4商品・優秀賞9商品・特別賞1シリーズ が選出された 。

 受賞商品の数もさることながら、ラインナップを眺めると、懐かしさと新しさが絶妙に混ざり合っているのが印象的だ。大賞を受けたのは以下の4商品。

  • 『Tamagotchi Paradise』(デジタル部門)
  • 『ポケモンチェンジ ピチュー/ピカチュウ』(バラエティ部門)
  • 『ブタミントン』(ゲーム&パズル部門)
  • 『ルービックキューブピクセル』(ベーシック部門)

 いずれも一見すると“遊び”に過ぎないようで、実際には「世代を超えた共通体験」や「身体性とデジタルの融合」といった、今の社会を映すトレンドが反映されている。

デジタル×遺伝子=『Tamagotchi Paradise』

 かつて社会現象となった「たまごっち」が、再び新しい姿で大賞を射止めた。今回の特徴は「ズームダイヤル」を搭載し、細胞から宇宙規模まで4段階のスケールで観察やお世話ができること。さらに「遺伝システム」によって50,000種以上の個体が誕生する 。

 “お世話遊び”という懐かしさに、生成AI的な「多様性」と「遺伝的継承」という現代的モチーフが組み込まれた点に、時代の呼吸を感じる。

変幻自在の『ポケモンチェンジ』

 『ポケモンチェンジ ピチュー/ピカチュウ』は、パーツを付け替えることで姿が変わる玩具。シンプルな構造ながら「変形」という驚きを手軽に楽しめる 。しかも、ピチューとピカチュウに加え、ニャオハやホゲータなど最新世代のポケモンも参戦する。

親世代には“懐かしい”、子ども世代には“いま”を反映するキャラクター群――ここにも二世代の橋渡しの設計が見える。

『ブタミントン』が映す身体性の回帰

 一方で、メガハウスが送り出した『ブタミントン』は、アナログ感満載のスポーツ系玩具。ブタ型ラケットを押すと鼻から風が出て羽を飛ばすというシンプルな構造ながら、予測不能な軌道で盛り上がる 。

「押すたびに“ブー”と鳴く」という遊び心も効いていて、笑い声と共に世代を超えて遊べる点が評価につながったのだろう。デジタル一辺倒ではなく「身体を使って笑い合う体験」への回帰は、ポスト・パンデミック以降の価値観を象徴している。

模様を揃える『ルービックキューブピクセル』

 最後の大賞『ルービックキューブピクセル』は、従来の“6面揃える”遊びではなく、模様や絵柄を完成させる新発想のキューブ。富士山やハートなど、日本的なモチーフも盛り込まれており、デザイン感覚を育てる知育性が光る 。

ルービックキューブの「達人向け」から「親子で挑戦できるもの」へと進化した点が興味深い。

特別賞に選ばれた「スーパー戦隊シリーズ」

さらに今回は、1975年から続く 「スーパー戦隊シリーズ」 が特別賞に選出された 。

50年の歴史の中で3,170万個以上の関連商品が販売され、いまも新作『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』が高い人気を誇る。単なる番組の枠を超え、「親子二世代で共有される文化」として根付いた証左といえる。

 今回の受賞一覧を見て強く感じるのは、「懐かしさ」と「革新」が同居しているということだ。たまごっち、ポケモン、ルービックキューブ、スーパー戦隊――いずれも過去から続く存在だが、今の子どもたちが新鮮に遊べるよう再設計されている。

 そこには「世代をつなぐ仕掛け」があり、文化としてのおもちゃが改めて可視化された瞬間でもある。

「おもちゃは子どもだけのものではない。大人が過去を思い出し、子どもと未来を共有できる“文化装置”である」――。

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