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三越伊勢丹 温故知新 イベマチ 等 百貨店の価値で新たな挑戦

 こんなことをやっていたんですね。 三越伊勢丹 が最近「 イベマチ 」「REV WORLDS」などといったサービスを展開しており、これらが百貨店としての財産を利活用して、次の時代に繋げるための施策であることを知った。大事なのはリセットする事ではなく、過去から未来に何を学べるか、である。

 まず「イベマチ」というのはマッチングの新規事業。要はイベント開催を希望する人に三越伊勢丹の場所を提供しようというもので、これらはバイヤーの声を受けて立ち上がった事業である。その背景には、三越伊勢丹としての百貨店での敷居が高さと信頼感がもたらす弊害的な要素がもたらす部分もある。

安心して商品を購入するという部分においてはそれらの効果が絶大である反面、出店するのにはその分、様々な審査が必要。バイヤーにとってみればトレンドはその時々で素早く変わるわけで、旬なタイミングでそれらの商品を百貨店で反映できないことがジレンマであったわけである。

そこで、この「イベマチ」という事業では

期間を絞り、その審査にかかる工数を減らして、ポップアップイベントの開催を実現させる。この過程においても開催に必要な手続きやタスク管理までも、三越伊勢丹の関連会社レオマート側がサポートする。

例えば、昨年は、6事業者が、CAMPFIREのクラウドファンディングで資金を集め、三越恵比寿店内のイベントスペースで自社商品の販売を行った。例えば、下記は、寒さの厳しいモンゴルで生活する人々の足下を守る、羊・ラクダ・ヤクなどで作られた靴下ブランド「Azjina(アズジナ)」である。

三越伊勢丹 イベマチ で見せた様々な相乗効果

そこで活かされる三越伊勢丹にとっての強みは、今の話と逆説的ではあるけど、まさに長年、関係を紡いできた顧客の質の高さであり、信頼である。どんなものにも表裏があり、それを生かす知恵こそ大事だという事。場所は新潟の伊勢丹の正面玄関前といった具合で、「三越」「伊勢丹」「丸井今井」「岩田屋」が全国のお店が対象となっている。

最近、D2Cが台頭してきているという要素だけではなく、ものを売るという以外の業種にも提案可能で、多様性を持った場所の提案ができる。これらのイベント開催でお客様情報の取得ができれば、イベントが終わった後も、フォローができるわけで、長い目で見てメリットがあるというわけである。

かつ、彼らは三越伊勢丹でのジョブサービスを掛け合わせようとしている。そのイベントにかけて、かつて百貨店で販売経験がある人たちを募り、それらの方々の接客を据える。

確かに、リアルに普段接していないネット系もそうだし、業種が違えば、接客は不得手であり、最大化できない。結果、またも百貨店が培ったノウハウが、イベントそのものの付加価値を上げていく事につながる。

加えて、まだ検討の余地があるとは思うが、2021年3月からはトライアルながらも「REV WORLDS」というアプリでのサービスを提供していて、こうした動きと連携させていきたいと同社は話す。

これは、アプリ上で仮想都市を開くもので、ユーザーはアバターを操作してその中で暮らすことができる。この中でユーザー同士がコミュニケーションができるわけで、都市内には伊勢丹のお店も設けている。

リアルさながらに、EC掲載商品がCGで表現される仕様にしていて、イベントよりも更にコストを抑えて、出品するわけである。

そこで三越伊勢丹との相性を見てもらい、そこを契機に、先程のイベント提案などに繋げて、一つ一つの事業を足掛かりに、相乗効果を図って付加価値を活かしたい、と考えている様子が窺える。

僕が面白いと思った点は、活かせる価値は目に見える以外に様々なところにあるということだ。場所だけではなく、過去培ってきたお客様との関係も財産であり、お客様だけではなく、良質な関係構築に繋げてきたスタッフもまた、彼らの誇れる財産だとすると、頭ごなしに衰退しがちというイメージはどこか違う。

着目すべき価値を拾い上げ、いまにふさわしく差別化して、百貨店の価値を見せれば良い。まだまだ模索段階かもしれないが、今一度、その価値を一つ一つ検証して、そこから思い描く、百貨店の奮起を僕は、みてみたいのだ。

今日はこの辺で。

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