リニューアルで蘇る「満足」──時代の変化とともに進化し続ける福助のストッキング
1.「満足」と日本のストッキングの歩み
福助の基幹ブランド『満足』は、2020年春のリニューアルに際し、糸の開発から見直すという本気度で臨みました。そもそも『満足』は、ゾッキ編みストッキングを広めた功績を持ち、日本のストッキング市場とともに歩んできたブランドです。
その歴史の中で、女性のストッキングに対するニーズは大きく変化してきました。たとえば、「肌を美しく見せたい」「脚を細く見せたい」「ファッションに合わせたい」といった要望に応えながら、「満足」は丈夫さやはき心地といった機能面を常に刷新。一方で、ライフスタイルや体型の変化などに合わせた仕様面もアップデートを続けてきたのです。
2.進む「ストッキング離れ」と根本的な改善の必要性
しかし近年、特に若年層の女性を中心に「ストッキング離れ」が進んでいます。「肌を美しく見せる」「日焼け対策になる」などのメリットがあるにもかかわらず、
- • 「家に帰ったら早く脱ぎたい」
- • 「身につけるアイテムの中で一番気分が下がる」
- • 「締め付けやムレを感じる」
といった“煩わしさ”に対するネガティブな声が非常に多くなっています。そこで福助は、ストッキングがもたらす利点を守りつつ、こうした「抵抗感」を解消するための根本的な改善を決断しました。
3.新しい“はきごこち”を求めて──締め付け感の見直し
リニューアルの大きな柱となったのは、ウエスト部分の素材や設計の見直しです。従来はポリウレタンによる細幅ベルトを採用していましたが、これを伸縮性と柔軟性に優れた素材を使った太幅のウエスト設計へと転換。お腹周りの締め付けを大幅に軽減しました。
また、腰回りもしっかりサポートしつつ、ヒップ部分を立体的に包み込む前後編み分け設計により、着用時の不快感を軽減しながらメリハリのあるシルエットを実現。単なる“丈夫さ”だけでなく、“はき心地”との最適バランスを追求しています。
4.肌色もシーンも、多様なニーズに応えるカラー展開
ストッキング離れを招く理由のひとつに、「自分の肌色に合っていない」という問題があります。そこで新しい『満足』では、ベージュ系だけでも8種類という豊富なバリエーションを用意。さらに、ファッションや行事に合わせて選びやすい定番カラー3種類を加え、全11色のラインナップとなりました。
5.新しいパッケージが生む共感──イラストで「シーン」を表現
もうひとつ大きな変化が、パッケージデザインです。一般的なストッキングパッケージといえば「妖艶な女性の脚」が描かれるケースが多いもの。しかし今回の『満足』は、人気イラストレーター・長場雄さんの描くイラストを全面に採用。足だけでなく、現代女性のファッションスタイルをイメージさせる“シーン”を表現することで、見る人に「これなら試してみたい」と思わせるアプローチに切り替えました。
こうした「同世代に共感される」パッケージへ踏み切った理由は、まずは手に取ってもらうことが何より大切だという考えに基づいています。
6.いつの時代にも必要な挑戦──変化への対応
商品とは、同じものを作り続けていれば永遠に通用するものではありません。使用する側の当たり前が変化すれば、そこに不満を持つ人が出てくるのは当然です。だからこそ、ブランドは常に素材開発やアプローチを見直し、今の時代にあった価値を提供し続ける必要があります。
福助の『満足』は、ストッキング離れが進む中であえて「ストッキングの価値」を再定義し、商品を一から作り直す道を選びました。これこそが長年支持されてきたブランドとしての使命であり、「女性の満足」を追求し続ける理由でもあるのです。
〈まとめ〉
リニューアルした『満足』は、新素材と新設計、そしてイメージを一新するパッケージによって、より快適で多彩なストッキングを提案します。気分が下がるアイテムではなく、女性のライフスタイルを支える存在であり続けるために。これからも時代に寄り添いながら進化し続ける福助の挑戦から目が離せません。