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FM77.6ラジオ出演記──価値を届けるという視点から、すべてははじまる

FM77.6の番組「connect」で、エーデルワイスファームの野崎創さんと対談させてもらった内容。僕は、準レギュラーを務めさせてもらっている。テーマは“サプライチェーンマネジメント”──だけど、話していく中で見えてきたのは、そんな難しそうな言葉の奥にある、驚くほど人間的な本質だった。

サプライチェーンは“価値の流れ”

世間では、SCM(サプライチェーンマネジメント)はしばしば“製造から販売までの最適化”と捉えられる。でも、実はその本質は「価値の流れ」にあると僕は思っている。

ある日、ユニクロのSCMを支えてきたモノプラス会長秋葉淳一さんと話をしていて、彼にこう言われたんだ。

「サプライチェーンで流れているのは“モノ”ではなく、“価値”だよ」

この言葉がすごく腑に落ちた。モノは変わらなくても、届ける価値は時代によって変化する。だから、“届け方”も柔軟に変えていかないといけない。これは理論というより、生活者としての実感から理解できることなんだよね。

小さな部屋から始めるSCMの話

SCMって聞くと難しそうに思えるけど、実は身近な話でもある。たとえば、自分の部屋で作った商品を友人に届ける場面。目の前に人がいれば、「これ一緒に梱包してよ」と言えば済む。でも、それが隣の県、さらに海外となれば、段取りが必要になる。そこで初めて“マネジメント”が必要になるわけ。

つまり、小さな部屋から広がっていくこの構造の中で、どうやって「価値を届けるか」を設計していくこと──これこそが本質的なSCMだと思う。

記憶に残るTシャツに価値を込めて

話の流れで、野崎さんが面白い話をしてくれた。

「今度、スタッフバーベキューがあるんですけど、スローガンをTシャツにしようかと思っていて……」

 そのスローガンが「ベーコン・メイクス・エブリシング・ベター」。ユーモアがあって、覚えやすい。これ、Tシャツにしたら普通に売れそうじゃない?と二人で盛り上がった。エーデルワイスファームのファンだけじゃなくても、気軽に手に取ってもらえる仕掛けになるはず。このアイデアにだって、“届ける価値”が関係しそう。単なるロゴTだと、買おうとは思わない。でも、「ベーコンを通して、素敵な生活を」と言う具合に価値観となった時、人はその価値に共感して、Tシャツを購入するよねと。この感覚が、ファンを拡張していく鍵になる。

生きることを選び、伝えることに挑む──武藤将胤さんの姿勢

話の最後に、僕が心から伝えたくなったのが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という病と闘いながら生きる武藤将胤(むとう・まさたね)さんの話だ。

体が徐々に動かなくなるという現実。それでも彼は、自らの目の動きで文字を入力し、事前に収録していた自分の声で会話を成立させ、さらには目線だけで操作するDJパフォーマンスという新たな表現まで生み出した。

「今できることをやろう。その先に、未来があるから」

この言葉には、重みがある。ただ病と向き合うのではなく、その病があるからこそ“できること”を選び、行動する──それが彼の信念だった。

そして彼の創作は、単に自分の人生の物語にとどまらない。彼が選んだのは、100年後の誰かを救うための表現。声を失ってでも「生きることを決めた」彼の姿は、まさに未来への希望そのものだ。

どんな状況にあっても、人は“誰かに届けること”を諦めなければ、そこに可能性が生まれる。テクノロジーは、冷たい機械ではなく、心を運ぶ手段になり得る。

僕はこの出会いに、心から感謝している。そして、彼の挑戦に勇気づけられた一人として、この言葉で締めくくりたい。

生きること自体が、誰かの希望になる──それを教えてくれる人が、ここにいる。

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