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2020 年は「 いい買物の日 」改め「 超PayPay祭 」に

1.「いい買物の日」から「超PayPay祭」へ

かつて毎年恒例のセールイベントとして知られていた「いい買物の日」が、2020年から装いも新たに「超PayPay祭」(ちょうペイペイまつり)へとリニューアルしました。ヤフー株式会社、ソフトバンク株式会社、そしてPayPay株式会社の三社による大規模セールとして、オフライン(実店舗)とオンライン(EC)双方で「お得」を体感できる“お買い物の祭典”を目指しています。

2020年の開催期間は10月17日(土)から11月15日(日)まで。セール期間中は、様々な店舗やサービスでPayPayを使うと、ボーナス還元などの特典が多数用意されました。

2.「超PayPay祭」開催の背景と狙い

2-1.PayPayブランドの存在感強化

「いい買物の日」は元々ネットを起点にしながらも、実店舗を巻き込んだキャンペーンとして展開されていました。しかし2020年、「いい買物の日」の名前を大きく変更し、決済アプリ「PayPay」を前面に打ち出すかたちへシフト。Yahoo!(ヤフー)が金融ジャンルの名称を続々と「PayPay」に置き換えている流れも相まって、PayPayを“新たな主役”に据える戦略がより明確になっています。

2-2.PayPay誕生2周年の記念施策

また、2020年の「超PayPay祭」初日である10月17日は、PayPayがキャッシュレス決済サービスとして誕生したちょうど2周年の時期。これを記念した「超PayPay祭!オープニングジャンボ」が、全国の対象店舗および対象オンライン加盟店で実施されました。抽選で決済金額の全額(100%)が戻ってくるなど、過去にも話題を呼んだ“ジャンボ”企画を活用し、序盤から大きな盛り上がりを狙う構えがうかがえます。

3.キャンペーン概要一覧

「超PayPay祭」期間中に実施された、大手加盟店・関連サービスの主なキャンペーンは次のとおりです(2020年当時の内容)。

キャンペーン名

対象

実施期間

キャンペーン内容

1 超PayPay祭!オープニングジャンボ

オンライン加盟店を含む全国のPayPay加盟店

10月17日

抽選により、1等は決済金額の全額(100%)、2等は10%、3等は2%のPayPayボーナスを付与。※一部対象外あり

2 秋のPayPayピックアップキャンペーン

「PayPayピックアップ」が利用可能な飲食店

10月17日~11月15日

事前注文サービス「PayPayピックアップ」を利用して支払うと、決済金額の20%をPayPayボーナスで付与。

3 超PayPay祭「Coke ON」で超おトクキャンペーン

「Coke ON Pay」対応自販機

10月17日~11月15日

「Coke ON Pay」に「PayPay」支払いを登録し、コカ・コーラ社製品をPayPay残高で購入すると決済金額の5%のPayPayボーナスを付与。

4 マクドナルド モバイルオーダーでPayPayデビュー

「マクドナルド モバイルオーダー」

10月17日~11月15日

モバイルオーダーで「PayPay」支払いをすると10%還元。ソフトバンク/ワイモバイルユーザーやYahoo!プレミアム会員は20%還元。

5 超PayPay祭「松屋」などで超おトクキャンペーン

「松屋」「松のや」「松乃家」「マイカリー食堂」他

10月17日~11月15日

対象店舗で「PayPay」支払いをすると決済金額の10%のPayPayボーナスを付与。

6 超PayPay祭「サイクルベースあさひ」で超おトク

「サイクルベースあさひ」

10月17日~11月15日

決済金額の5%のPayPayボーナスを付与。

7 超PayPay祭「日高屋」で超おトクキャンペーン

「日高屋」

10月17日~11月15日

決済金額の10%のPayPayボーナスを付与。

8 超PayPay祭「サーティワンアイスクリーム」で超おトク

「サーティワンアイスクリーム」

10月17日~11月15日

決済金額の10%のPayPayボーナスを付与。

9 超PayPay祭「道とん堀」で超おトクキャンペーン

「お好み焼き道とん堀」

10月17日~11月15日

決済金額の10%のPayPayボーナスを付与。

10 超PayPay祭「パリミキ・メガネの三城」で超おトク

「パリミキ」「メガネの三城」

10月17日~11月15日

決済金額の10%のPayPayボーナスを付与。

11 超PayPay祭「銀だこ」で超おトクキャンペーン

「銀だこ」

10月17日~11月15日

決済金額の10%のPayPayボーナスを付与。

12 全国のPARCOで最大5%戻ってくるキャンペーン

「PARCO」

10月29日~11月15日

決済金額の5%のPayPayボーナスを付与。

4.eコマースと「PayPay」ブランドの連携

4-1.フリマアプリ・オンラインモールとの一体化

ヤフーは、決済アプリ「PayPay」だけでなく、フリマアプリ「PayPayフリマ」、オンラインショッピングモール「PayPayモール」もスタートさせています。実はこの両サービスが登場したのは、「超PayPay祭」のちょうど一年前。

さらに2020年4月には、「PayPay」アプリのトップ画面から「PayPayフリマ」「PayPayモール」を簡単に利用できる「ミニアプリ」機能を提供開始。キャッシュレス決済の基盤とECサービスをシームレスに結びつけることで、相乗効果を狙っています。

4-2.フリマアプリのさらなる利便性追求

「PayPayフリマ」では購入から出品までをできるだけシームレスにする取り組みを進め、“ここだけで経済活動が完結する”ような使い勝手を追求。例えば「ZOZOTOWN」の購入品を、そのまま「PayPayフリマ」で3ステップ出品できる機能など、UI/UXの改善に力を入れており、その勢いは「開始まもないサービス」とは思えないほどです。

5.Yahoo!という看板を超える“PayPay”推し

ここまで積極的にPayPayブランドを打ち出す姿勢は、ヤフーという大きな看板ですら霞んでしまうほどです。かつては「Yahoo! BB」に代表されるように、「ヤフー」の名がユーザーへの信頼を獲得する強力なフックとして機能していました。しかしいまや、決済アプリが当たり前になったデジタル社会の到来を背景に、「PayPay」という新しいブランドイメージを急速に浸透させるタイミングだ、と判断しているように見えます。

Zホールディングスとしては、メディア事業(Yahoo!)はメディアの役割に特化し、一方で「PayPay」ブランドを基軸に多くの企業とアライアンスを組み、サービス展開を幅広く行う方針です。これは、楽天が「楽天」ブランドの下で企業価値を高めてきた経緯と重なる部分もあり、PayPayブランドが今後の中核を担うことはほぼ間違いないでしょう。

6.デジタルがリアルを整理する時代の戦略

現在、リアルの世界の上にデジタルが重なるのではなく、「デジタルの上にリアルが整理される」時代になったといわれます。PayPayを軸にフィンテックの足場を固め、そこからECやその他サービスを展開することで、“ネットとリアルをシームレスにつなぐ”エコシステムを確立するのがヤフー/Zホールディングスの狙いといえます。

すでに「ジャパンネット銀行」は「PayPay銀行」へ名称変更する計画を進め、賛否こそあれど、ブランド統一による相乗効果を目指しています。さらにおしゃれでカッコいい名前もあったかもしれませんが、“PayPay”というわかりやすい名称での統一を優先しているところに、本気度がうかがえます。

7.まとめ

「いい買物の日」から「超PayPay祭」への進化

年に一度の大規模セールを「PayPay」ブランドで一本化し、より幅広いユーザーにキャッシュレス決済の利便性を訴求。

PayPay誕生2周年を機にさらに認知度アップ

オープニングジャンボなどの大きなキャンペーンを起点に、実店舗とオンラインの両面を盛り上げる狙い。

ブランド統一戦略とEC・メディアの融合

「PayPay」×「Yahoo!」×「ECサービス」が一体となり、デジタルからリアルへ、リアルからデジタルへの循環を強力に促進。

今後の見通し

フィンテック事業を軸にユーザー基盤を拡大し、ECやフリマ、さらにはさまざまな生活インフラサービスへ展開していくと考えられます。大きな看板である「Yahoo!」をあえて脇役に回し、「PayPay」を新時代の先頭に立たせることで、企業価値のさらなる向上を目指しているのです。

こうした戦略は、まさにデジタルが生活のあらゆる場面を再定義している現代の潮流と合致します。「超PayPay祭」は、その象徴的なイベントであり、Yahoo!やZホールディングスの新たな挑戦が垣間見える取り組みといえるでしょう。

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