コロナ禍によるメイク事情の変化──JK・JDが選ぶベストコスメ 2020AW RooMooN調べ
新型コロナウイルス感染症の影響により、私たちの生活は一変しました。マスクの着用が日常化し、メイクの優先度や選ぶコスメにも変化が生まれています。そんな中、RooMooN株式会社が運営する女子高生(JK)・女子大生(JD)のマーケティング集団「Trend Catch Project」は、全国の女子高生・女子大生を対象にアンケートを実施し、「女子高生・女子大生 ベストコスメ大賞 2020AW」を発表しました。
2020年春夏(2020SS)の結果と比較すると、コロナ禍による順位の変動が際立っています。本記事では、注目すべきポイントをカテゴリーごとに整理しながら、マスク生活下でのメイク事情の変化を読み解いていきます。
1. 下地部門:保湿から皮脂テカリ防止へ
〈総合〉
- 1位:CEZANNE「皮脂テカリ防止下地」
- 2位:ラ ロッシュ ポゼ「UVイデアシリーズ」
- 3位:PAUL & JOE「プロテクティング ファンデーション プライマー」
秋冬といえば本来は「保湿力」が最重要視されるシーズン。ところがコロナ禍でマスクをする時間が増え、下地に求めるポイントが変化しているようです。実際、前回(2020SS)で1位だったPAUL & JOEが3位に順位を下げ、代わりに「皮脂テカリ防止下地」が1位を獲得。マスクとのこすれやムレが気になる今、崩れにくさを重視する傾向が強まっていると考えられます。
一方、2位にランクインしたラ ロッシュ ポゼの「UVイデアシリーズ」は、比較的高値にもかかわらず支持を集めています。肌荒れが気になる人にとっては、値段よりも“肌への優しさ”が最優先であることがうかがえます。

2. ファンデーション部門:パーソナルカラーを問わず使えるアイテムが人気
〈総合〉
- 1位:CLIO「キル カバー ファンウェア クッション XP」
- 2位:MISSHA「M クッション ファンデーション (モイスチャー)」
- 3位:KATE「シークレットスキンメイカーゼロ (リキッド)」
「イエベ」「ブルベ」とは、自分の肌の色味(パーソナルカラー)を表す略称ですが、1位のCLIOと2位のMISSHAはどちらの肌タイプでも使いやすく、幅広い層に支持されました。パーソナルカラーにこだわらず、まずは使いやすさや仕上がりの良さを重視したい人にとって、これらのクッションファンデは安心して手に取りやすい存在といえるでしょう。

3. アイブロウ / アイブロウマスカラ部門:KATEとHeavy Rotationが圧倒的人気
〈総合〉
- 1位:KATE「デザイニングアイブロウ」
- 2位:Heavy Rotation「カラーリングアイブロウ」
- 3位:EXCEL「パウダー&ペンシルアイブロウ EX」
アイメイクで重要な“眉”アイテムは、KATEの「デザイニングアイブロウ」とHeavy Rotationの「カラーリングアイブロウ」の2強状態。さらにイエベ部門においても、この2ブランドは非常に高い支持率を得ています。目元を強調しやすいマスク時代だからこそ、アイブロウアイテムの需要はますます増加傾向にあるといえそうです。
4. アイシャドウ部門:マスクで隠れる分、目元を華やかに
〈総合〉
- 1位:CLIO「プロ アイパレット」
- 2位:CANMAKE「シルキースフレアイズ」
- 3位:EXCEL「スキニーリッチシャドウ」
CLIOの「プロ アイパレット」とETUDE HOUSEの「プレイカラーアイシャドウ」は、カラー展開の豊富さからイエベ・ブルベ双方で人気を獲得。マスク着用で口元が隠れる分、アイシャドウで華やかさを演出したいというニーズに応えているようです。

5. アイライナー部門:目元重視のメイクが後押し
〈総合〉
- 1位:ラブ・ライナー「リキッドアイライナーR3」
- 2位:CANMAKE「クリーミータッチライナー」
- 3位:CEZANNE「極細アイライナーR」
1位のラブ・ライナー「リキッドアイライナーR3」は「描きやすく、消えにくい」という声が圧倒的。マスクをしていてもアイメイクが崩れにくい、目元が映えるという点が支持を集めています。コロナ禍で「目元の印象」を強化したいという意識が、アイライナー人気を押し上げている模様です。

6. マスカラ部門:まつ毛のカールキープ力が決め手
〈総合〉
- 1位:ヒロインメイク「ロング&カールマスカラ アドバンストフィルム」
- 2位:CANMAKE「クイックラッシュカーラー」
- 3位:dejavu「ファイバーウィッグ ウルトラロング E」
マスクの湿気でまつ毛が下がりやすいという悩みを解決すべく、カールキープ力の高いマスカラが選ばれました。中でもヒロインメイクは「落ちにくい」「長時間キープ」という理由で熱烈な支持を獲得。コロナ禍以降、まつ毛への意識が一層高まっているといえるでしょう。

7. リップ部門:マスクありきの選び方が定着
〈総合〉
- 1位:rom&nd「ジューシーラスティングティント」
- 2位:Dior「アディクト リップ マキシマイザー」
- 3位:RICAFROSH「ジューシーリブティント」
マスクによる色移りや落ちにくさを重視する今、ティントタイプが圧倒的な人気に。特にrom&ndは幅広い色展開と安定の仕上がりで、イエベ・ブルベを問わず支持されています。

8. チーク部門:プチプラブランドが支持される理由
〈総合〉
- 1位:CEZANNE「ナチュラル チークN」
- 2位:CANMAKE「グロウフルールチークス」
- 3位:CANMAKE「パウダーチークス」
チークはマスクで隠れがちとはいえ、やはり顔の血色感を演出する重要アイテム。CEZANNEとCANMAKEのプチプラ2強が人気を博しているのは、値段を気にせず気軽に試せるという強みが大きいようです。また、パウダーチークのほうがマスクに付きにくいことも人気の理由といえます。

【まとめ:変化するメイク文化と女子たちの感度】
コロナ禍で当たり前になったマスク生活は、下地やリップの選び方、目元メイクへのこだわりなど、コスメ市場に大きな影響を与えました。女子高生や女子大生は、時代や環境の変化に柔軟に適応する先駆者でもあります。今回の「ベストコスメ大賞 2020AW」からも、次々に変化するニーズに合わせたメイクのトレンドが生まれていることが実感できます。
女性たちが持つ高い感度と想像力は、次のシーズンに向けて、また新たな価値を生み出していくはず。コロナ禍が落ち着いたとしても、マスク着用習慣から得た知見は今後のコスメ選びやメイク文化に残り続けるでしょう。
今日はこの辺で。