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ファーストリテイリング 2020年 8月期 第3四半期 決算

ファーストリテイリング(ユニクロなどを展開)は、2020年8月期 第3四半期決算を発表した。新型コロナウイルス感染症の影響で3月下旬~5月のゴールデンウィーク期間中は最大311店舗を休業し、既存店売上高は前年同期比で大幅に減少した。しかし、その後の動きや同社の強みを整理すると以下の点が注目される。

1.新型コロナウイルスによる大幅な減収

最大311店舗が休業

3月下旬から5月のゴールデンウィークにかけて外出自粛が強まったことで、実店舗の売上高が前年同期比34.0%減となった。これはユニクロに限らずアパレル業界全体の大きな課題である。

2.EC(ネット通販)への迅速なシフト

コロナ禍以前からの準備が奏功

オンラインストアへの広告投資やインフラ整備を進めていたことで、外出自粛が本格化した際にも素早くECに注力できた。

EC売上高 281億円、前年同期比47.7%増

アプリ会員限定の特別価格施策などで新規顧客を取り込み、EC売上を大幅に伸ばした。実店舗の落ち込みを少しでもカバーできた要因の一つとなっている。

3.リアル店舗の役割と「感謝祭」の効果

在庫の無駄を抑える提案型店舗

休業期間があったものの、6月の既存店売上高は前年同期比26.2%増となった。定番品の強みを活かしながら、実店舗ならではの「お祭り感」や特別感を演出することで、ECにはない「目的外の買い物」を喚起している。

毎年恒例の「ユニクロ誕生感謝祭」

6月に15日間にわたって開催され、お買い得品の投入や有名銘菓のプレゼント企画などを実施。今年も大きな盛り上がりを見せ、売上増に寄与した。

参考:ユニクロ 誕生感謝祭に全国の銘菓が集結! 千寿せんべい・東京ばな奈など特別仕様で登場

4.定番品を軸にした在庫管理と提案力

トレンドに左右されないデザイン

ユニクロは基本的に定番的なデザインが多いため、季節をまたいでも販売できる在庫があるのが強み。一方で、お祭り要素や新しいコーディネイト提案で「常に新鮮さを演出」している。

春夏商品の在庫は来年度にかけて正常化予定

トレンド要素が強い商品は値引きで売り切り、定番品は次年度以降も継続販売することで、在庫を過度に抱えないよう調整している。

5.今後の展望

ネットとリアルの融合・個別提案の強化

もともと進めていたEC基盤の強化と、実店舗での体験型施策により、コロナ禍でも一定の成果を出している。

定番品を軸とした堅実なビジネスモデル

流行に左右されにくい商品展開を基本としつつ、テクノロジーを活用した顧客ごとの提案やコラボ企画で新鮮味を演出。今後も在庫管理とプロモーション力を組み合わせ、収益の安定化を図ると考えられる。

まとめると、ファーストリテイリングはコロナ禍で大きな打撃を受けながらも、もともと構築していたEC基盤と定番商品を活かした在庫戦略、実店舗での「お祭り感」や特別感の演出によって、大幅な落ち込みを緩和している。定番品を中心に据えた堅実なビジネスモデルは、ネット通販とリアル店舗を組み合わせることで、今後も安定した成長を狙っていくのではないかとみられる。

 

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