5万店舗の中で、0.2%に残る理由──Rakuten SHOP OF THE YEAR 2025が映し出した「二つの異なる勝ち方」
Rakuten SHOP OF THE YEAR 2025の会場を歩いていて、強く残った感覚がある。それは、「勝ち方は一つじゃない」という、当たり前でいて見落とされがちな事実だ。5万を超える店舗が集まる楽天市場。
その中で、わずか0.2%しか立てない場所に、今年も企業が名を連ねた。同じ舞台、同じ評価軸。けれど、話を聞けば聞くほど、彼らはまったく違う論理でそこに辿り着いている。
ここでは、仕入れを軸にロジックで勝ち切った exicoast Internet store 2号店 と、メーカー直営として信頼を積み上げてきた ムーンスター、二つの現場の声を交差させながら、その違いと共通点を追っていく。
同じ「カテゴリー賞」でも、立っている場所は正反対だった
exicoastが扱うのは、誰もが知る“型番のお菓子”。ムーンスターが扱うのは、履き心地と安心が問われる子ども靴。
一方は仕入れ。もう一方はメーカー直営。
価格決定権も、商品企画の自由度も、まるで違う。それでも両者は、楽天市場という同じ場所で、同じ評価に辿り着いている。
重要なのは、「制約条件が違う中で、何を武器にしたか」だった。
ロジックで勝ち切った先に、exicoastが見ていた“次の問い”
exicoastが初受賞を果たしたとき、石崎弘晃さんは「正直、たまたま取れた感覚もあった」と振り返る。だが、その後が違った。
横に広げない。新しいことを始めない。むしろ、伸びている部分だけを、異常なほど深掘りする。「まだ、分析し切れていない余地があるはずだ」
その視点が、再び同じ土俵で勝つための原動力になった。そして今、視線はECの外に向き始めている。メーカー自身が取りこぼしている成長。
そこに、自分たちのロジックを当てたら何が起きるのか。再受賞は、ゴールではなく、思考が次の段階に進んだ“通過点”だった。
「試着できない不安」を、逃げずに引き受けたムーンスター
一方、ムーンスターの勝ち方は、真逆に見える。靴は履いてから買うもの。子ども靴なら、なおさら不安が大きい。その前提を覆そうとはしなかった。
代わりに、こう言い切った。「足に合わなかったら、交換します」ECだから売り切り、ではない。購入後まで含めて、メーカーとして責任を持つ。
この“当たり前をやり続ける覚悟”が、楽天市場という場で、静かに信頼を積み上げていった。
情報を語ったのは、企業ではなく「お客様」だった
ムーンスターのページに蓄積されたレビューは、単なる評価ではない。サイズ感、履き心地、耐久性。次に買う人が知りたいことを、実体験で補完していく。
企業が語る説明より、お客様の言葉のほうが、何倍も強い。結果として、「買う行為そのものが、ブランド理解を深める体験」になっていった。
共通していたのは、「勝ち方」を真似しなかったこと
exicoastも、ムーンスターも、他社の成功事例をなぞっていない。自分たちは何者なのか。どこまで責任を持てるのか。どこに伸び代があるのか。
その問いを、自分たちの立場から徹底的に突き詰めた。だから、同じ0.2%にいても、立っている場所は、まったく違う。
Rakuten SHOP OF THE YEARは、「結果」ではなく「思考の断面」を映す
今回、二社の話を並べて見えてきたのは、売上のテクニックではない。「自分たちは、どう勝つべきか」を考え抜いた痕跡だった。
通り一辺倒では、残れない。けれど、奇策もいらない。立場を理解し、制約を受け入れ、その中で、やるべきことをやり切る。
Rakuten SHOP OF THE YEAR 2025は、その“思考の断面”を、確かに映していた。
総合賞の授賞式の様子:「成果を讃え、未来を語る──Rakuten SHOP OF THE YEAR 2025」
今日はこの辺で。