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Yahoo!検索、生成AIで商品選びをサポート──「お買い物AIアシスタント」が変える購買体験

家電を購入しようとしたとき、情報が多すぎて「結局どれが自分に合うのか」分からなくなる経験は誰にでもあるはずだ。膨大な口コミ、複数モデルの比較、専門的な用語──便利なはずのネット検索が、時に判断を難しくする要因になってきた。

 こうした課題に対し、LINEヤフーが提供を開始したのが「お買い物AIアシスタント」。Yahoo!検索上で生成AIがコンシェルジュのように振る舞い、利用者の条件に合った商品を絞り込んで提案する仕組みだ。これは単なる新機能の追加ではなく、AIが“購買体験そのもの”を変える挑戦といえる。

消費者の「判断しづらさ」という課題

LINEヤフーが実施した調査によれば、家電を調べる際に課題を感じるユーザーは実に66.6%。

 多くが「自分の用途に合う商品か分からない」「比較検討が難しい」と回答した。情報量が増えれば便利になる一方で、選択に迷いが生まれるのは、現代の消費行動を象徴する現象だ。企業にとっては、購買行動の分岐点における“ユーザーの迷い”をどう解消するかが大きなテーマとなってきた。

AIが「質問」と「提案」で導く仕組み

新機能「お買い物AIアシスタント」は、検索結果に表示される「質問に答えて商品を探す」ボタンから始まる。

最大3問の簡単な質問に答えると、条件に合った商品が最大5点提案され、さらに追加質問で3点まで絞り込める。

ここで提示されるのは単なる商品リンクではなく、選び方の基準や特徴の比較。まるで店舗で販売員に相談しているかのように、ユーザーの条件に沿った選択肢が整理される。

体験の本質は「リアル店舗的な安心感」

従来のEC検索は「膨大な選択肢の提示」が主眼だった。しかし本機能は、ユーザーの立場に立ち「選択の負担を軽減すること」に価値を置く。

これは、実際の店舗で販売員と会話しながら検討する体験に近い。生成AIが“デジタル上の販売員”として振る舞うことで、オンラインにもリアルのような安心感が持ち込まれる点が革新的だ。

29カテゴリから広がる適用範囲

 

現在対応しているのは「洗濯機」「冷蔵庫」「炊飯器」「ドライヤー」など29カテゴリ。生活に直結する大型家電から小型家電まで幅広くカバーしており、今後さらに拡大予定だ。

カテゴリの拡充は単なる機能強化にとどまらず、“消費者行動のインフラ”をAIが支える未来像を描いているとも言える。

企業にとっての示唆

この取り組みは、単にユーザー利便性を高めるだけではない。企業視点で見れば、AIが購買意思決定の入口に立つことで、商品が「どう選ばれるか」の設計に新たな要素が加わる。

 これまでSEOや広告で勝負していた領域に、今後は「AIアシスタントにどう認識されるか」が加わり、商品戦略やマーケティングの発想にも影響を与えるだろう。

まとめ

「お買い物AIアシスタント」は、検索と購買の間に存在していた“判断の壁”を取り払おうとする試みだ。情報の洪水に疲れた消費者にとって、生成AIが“伴走者”となり、より納得感のある選択を導く。

今後、対象カテゴリが拡大し、AIによる提案精度が高まれば、消費者行動はさらに変わっていくはずだ。ECに携わる事業者にとっても、これが単なる検索機能ではなく、未来の購買体験の基盤であることを意識しておく必要があるだろう。

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