AIとロボットが収益を生む時代へ──Amazon 2025年第2四半期決算を徹底解説【生成AIとAWSがけん引】
2025年7月31日に発表されたAmazonの第2四半期(2025年4〜6月)決算は、生成AIの進展や事業基盤の強化が業績にどのように寄与したかを読み解く絶好の機会となった。前年同期との比較を軸に、売上・利益・キャッシュフロー、さらには事業別の動向を追いながら、今後の戦略の布石を考察していく。
■ 売上:全体で13%成長、為替影響除く実質成長率は12%
2025年Q2の売上高は1,677億ドル(前年同期は1,480億ドル)で、前年比+13%。為替のプラス影響(15億ドル)を除いた実質成長は+12%と堅調だ 。
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北米:1,001億ドル(+11%)
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国際:368億ドル(+16%)※為替除き+11%
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AWS:309億ドル(+17%)
なお、過去12ヶ月(TTM)ベースでは売上は6,700億ドルに達しており、前年同時期(6,043億ドル)から+11%の成長を見せている 。
■ 営業利益:31%増、AWSと北米が牽引
営業利益は前年同期の146.7億ドルから191.7億ドルへ、+31%。為替影響を除いた成長でも+30%と堅調 。
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AWS部門:101.6億ドル(+9%)
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北米部門:75.2億ドル(+48%)
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国際部門:14.9億ドル(前年比+5.5倍)
とくに北米の利益改善は著しく、営業利益率は前年5.6%から7.5%へ上昇しており、流通やコスト構造の見直しが効いているとみられる 。
■ 純利益:182億ドル、前年の135億ドルから大幅増
純利益は182億ドル(EPS 1.68ドル)で、前年の**135億ドル(EPS 1.26ドル)**から+35%増加 。ここでもAWSの収益性の高さと、非中核領域における費用抑制の効果が表れている。
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TTMベースでは純利益は706億ドル(+59%)
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EPSも6.55ドル(前年4.18ドル)
生成AIやAWSの進展が業績にどれだけインパクトを与えているかが伺える。
■ フリーキャッシュフロー:66%減、再投資フェーズを示唆
TTMベースのフリーキャッシュフロー(FCF)は前年の529億ドルから182億ドルへ大幅減 。背景には以下の要素がある:
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設備投資(CAPEX)が前年比+87%増の1029億ドル(TTM)
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生成AI・ロジスティクス最適化・新規サービスに向けた巨額投資
キャッシュは減少しているが、それは戦略的な将来投資への転換期にあることを意味する。
■ 部門別トピック:AWS堅調、国際事業も黒字幅拡大
AWS部門
売上:309億ドル(+17%)
営業利益:101.6億ドル(+9%)
営業利益率:32.9%(前年35.5%)
AI基盤「Bedrock」や開発者向けの「Kiro IDE」「Strands」など、生成AI関連の発表が相次ぎ、エンタープライズ契約も増加中 。
国際部門
売上:368億ドル(+16%)
営業利益:14.9億ドル(前年はわずか2.7億ドル)
営業利益率:4.1%へ改善
欧州やアジアでの需要拡大、配送インフラの高度化、為替影響を加味した調整も奏功している。
■ 注目トピック:AIとロボティクスによる“全体最適化”
CEOアンディ・ジャシーのコメントにおいても、AIの導入が物流・開発・販売・接客のすべてを効率化する「全体最適化のフェーズ」に入ったことが語られた。
特に注目は以下の進展:
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AIショッピングエージェントの活用拡大
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ロボット最適経路生成AI「DeepFleet」導入(効率+10%)
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開発支援AI「Kiro」、オープンエージェント開発基盤「Strands」提供開始
もはやAIは“部門の一つ”ではなく、Amazonの全事業を貫く中核技術となっていることが伺える 。
総括:AIを基軸にした“拡張と強化”の第2四半期
2025年Q2のAmazonは、トップライン(売上)とボトムライン(利益)の両方で前年を大きく上回る好決算となった。中でも、北米事業の収益性改善と、AWSの堅調な利益確保が際立っている。
一方で、フリーキャッシュフローの大幅減少は、投資局面にあることを物語っている。それは、生成AIやロボティクス、配送網への再投資が将来の成長を見越した“必要経費”といえる。
次のQ3決算では、7月に行われた過去最大のPrime Dayの成果や、さらなる生成AIの商用展開が数値としてどう現れるかに注目が集まる。