Netflix、2025年Q2決算で営業利益率34%──広告×グローバル戦略で過去最高益へ
2025年7月17日、Netflixが発表した第2四半期(Q2)決算は、市場の予想を上回る好結果となった。収益・利益ともに前年度比で大きく成長し、営業利益率は前年の27%から34%へと7ポイント上昇。これを受けて通年の業績見通しも上方修正され、同社が掲げる「広告ビジネスの拡大」「グローバルコンテンツの多様化」「新UIとゲーム事業の展開」などの重点施策が、確実に実を結びつつあることが示された。本稿では、2025年Q2決算の主要トピックを小見出しごとに整理し、今後の展望とあわせて読み解いていく。
1. 売上・利益:通期予想を上方修正するほどの好調ぶり
売上・営業利益の実績
2025年Q2の売上高は前年同期比+16%の110億ドル、営業利益は37.7億ドルと前年同期比で+45%の伸長を記録。営業利益率は34.1%と、前年の27.2%から大きく改善した 。
EPS(1株あたり利益)は$7.19で、S&Pの市場予想($7.09)を1.41%上回り、順調な収益拡大を裏づける結果となった 。
通期見通しの上方修正
2025年通期の売上予想は、従来の435億~445億ドルから、448億~452億ドルに引き上げられた。営業利益率も為替影響を除くベースで29.0%から29.5%へ(報告ベースでは30%へ)と上方修正されている 。
為替の追い風はあるものの、それ以上に「会員数の増加」や「広告売上の伸び」が想定を上回ったことが主因とされる 。
2. 地域別収益の動向:全地域で二桁成長を実現
Q2では、すべての地域で2桁の為替調整後成長を記録。特にアジア太平洋(APAC)は為替調整後+23%、欧州中東アフリカ(EMEA)も+16%と堅調な伸びを見せた。米国・カナダ(UCAN)では値上げ効果もあり+15%成長と、前四半期(+9%)から加速 。
中南米(LATAM)についても、為替調整後では+23%と堅調だが、為替影響で報告ベースは+9%にとどまっている。
3. コンテンツ戦略:地域発ヒット作がグローバル化を牽引
Netflixの強みであるグローバルコンテンツ戦略は今四半期も健在。特に話題となったのが、以下の作品群:
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『イカゲーム シーズン3』:公開から数週間で1億2,200万視聴、Netflix史上6番目のヒット作に。
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『KPop Demon Hunters』:アニメ映画ながら、サウンドトラックがBillboard Globalで1位を獲得、K-POPとアニメを融合した新たな現象を生み出した。
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『Exterritorial』(独):非英語圏作品で歴代4位の視聴数(8,900万ビュー) 。
さらに、スペイン市場に10億ユーロを投資する長期計画も発表され、ローカル×グローバルの相乗効果を今後さらに強化する姿勢が見える。
4. 広告&プロダクト改革:Ad Suiteと新UIで次のフェーズへ
広告事業では、独自の広告配信基盤「Netflix Ads Suite」の全市場導入を完了。加えてYahoo DSPとの連携など、プログラマティック広告の拡充も図っている。これにより、2025年の広告収益は「前年比で倍増する見込み」としている 。
また、TV向けの新しいUIも導入され、すでに約半数の会員が利用中。今後はリアルタイムのレコメンデーション強化などによって、ライブ配信やゲームの視聴導線もスムーズに整備されていくという。
5. 現金収支と株主還元:フリーキャッシュフローは過去最高水準
2025年Q2のフリーキャッシュフローは22.7億ドル(前年同期:12.1億ドル)で、前年同期比+87%。通年では80〜85億ドルへ上方修正された 。
1.6億ドル相当の自社株買いも行っており、残りの買戻し枠は120億ドル相当。総債務は144億ドル、現金・現金等価物は81億ドルと、健全な財務構造を維持している。
総括:コンテンツ・広告・UI──三位一体で築く成長ドライブ
今回のQ2決算では、従来型の「コンテンツ偏重戦略」から、「広告技術」「ユーザー体験」までを含めた統合的成長モデルへとNetflixが舵を切っている様子が明確に読み取れる。特に注目したいのは、ローカルコンテンツのグローバル展開力と、それを最大化するための新UI・Ad Suiteといった“仕組み”の投資である。
今後も定点観測することで、収益モデルや顧客体験の変化がどのように数字に現れてくるかを見極めていくことが、企業理解を深めるうえで重要となるだろう。