1.145さんとの出会い
1-1. 出会いはファッションワールド(展示会)にて
145さんと出会ったのは、某出展社広報様(弊社クライアント)からのご紹介でした。
一見して異彩を放った方で、(もしかして変人の対応を任されたか!?)と勘ぐってしまいました(ごめんなさい)。実はこの時開催最終日の夕方だったこともあり、展示会準備と運営に追われていた私は満身創痍で145さんの自己紹介があまり頭に入ってきておりません(以前ECのミカタを運営されていたこと、現在は145マガジンを運営されていることは辛うじて理解)。
そして展示ブース内の撮影装置にて360°撮影に協力してくれた145さん。カメラの前でけれん味のあるポーズをキメる姿を見て、やはりこの人はタダ者ではない、と再認識。薔薇を差し向ける145さんのイラスト付き名刺を貰い、145マガジンを拝見しました。
1-2. ヴィレッジヴァンガード味の溢れるウェブメディア
いざサイトを拝見すると、キャラクターやIP(知的財産)の舞台裏に迫る「キャラ談」、ものづくりの背景や職人のこだわりを深掘りする「モノ談」、ECや小売業の最前線から販売の仕組みを探る「買い談」という3つの視点をベースにしながらも、どこか溢れ出る「懐かしさ」。
三丁目の夕日的というかヴィレッジヴァンガード的というか。本来の私の仕事は撮影装置の販売だが、145マガジンを読むにつれて、145さんに向けて営業しようという気持ちはいつの間にかなくなっていた。このサイトの商売っ気のなさに毒気を抜かれたのかもしれない。
代わりに、気づいたら145さんに「何でもいいので記事を書かせてください」とメールしていた。
145さんから来た返事は「自分として、こんな頑張りしてます。こんな事考えて、こんなことやってます、みたいな感じで書いていけば、面白いかもなーと。」
難しいよ、145さん!! 雑誌ライターをしたことはあるけど、あくまで記者の取材内容を記事に落とし込む作業。自分のことを面白おかしくかけたら、それはもう私小説家ですって。“こんなことやってます”視点で言うと、今回の展示会出展がまさにそれ。社内における展示会担当者は私のみで、五里霧中の状態で準備を進めたので、躓いた点など記せば少しはお役に立てるかもしれない。
……ところで、“撮影装置”って何のこと?
(ここで145マガジンから、ちょっとだけ補足を)
展示会の話を読んでいて、ふと「“展示ブース内の撮影装置装置”って?」。そう思った方もいるかもしれません。ここで少し、説明させてください。
今回、筆者が展示会で紹介していたのは、「Orbitvu(オービットビュー)」という商品撮影の自動化ソリューション。EC事業者にとって欠かせない“商品写真”の撮影現場を、もっと速く、もっと楽に、もっと美しく──そんな願いを叶えてくれる存在です。
たとえば……
- ・360度自動回転撮影で、1商品をわずか90秒で撮影から公開まで
- ・背景自動切り抜き機能(IQ Mask)で、画像加工いらず
- ・専用ソフト連携により、撮影・編集・公開をワンストップで完結
しかも、アパレルやアクセサリーはもちろん、自転車のような大型商品にも対応できるよう、機材の種類も豊富。世界9,500以上のブランドが導入しているそうで、その数字にも説得力があります。
ちなみに、冒頭のあの「けれん味のあるポーズ」で撮られた写真。それも、実はこのOrbitvuを使ったものだったんですよ。気になっていた方、スッキリしましたでしょうか?
※宜しければその様子をご覧ください。145が、サービスを実演して、性能を確認している。
https://orbitvu.co/share/tyRcNMHp6W8PASCFXP9LwK/6556232/360/view
(というわけで、そっとバトンを筆者にお返ししますね)
2.社内リソースほぼゼロからの展示会出展
2-1. コトの発端
弊社と付き合いの長いクライアントが展示会出展を検討している際、弊社CEOが「弊社で対応できます」と大見得を切ったのがコトの発端。
クライアントは弊社内にイベント運営のノウハウやリソースがあると思ったのだろう。実際のところ、日本支社で対応に当たれるのは社内で私一人。ナニソレ詰みじゃん?という状況でキックオフしたのだが、私には展示会案件を扱う代理店に元同僚がいた。彼ならきっと何とかしてくれる…と信じていた。その時は。
2-2. 展示会は代理店に発注するな、イベント会社に発注しろ!!
で、その元同僚にブリーフィングをできたまでは良かったが、1か月経っても提案書はおろか見積りが出てこない。イラつく上司。社内には不穏な空気が…。
彼を擁護すると、恐らくただの代理店だから展示会の知識がなかったのだと思う。
代理店はイベント会社から上がってきた見積りに一定のマージンを載せて顧客に出すだけ。なので見積りの内容について聞いても、わからないのである(わからん見積りを客に出すな!!)。この状況に業を煮やした上司とクライアント上層部が相談し、クライアントから他のイベント会社を紹介してもらうことになった。そのイベント会社にコンタクトすると、代理店から今まで1か月以上回答が無かった懸案事項に全てに即答。ようやく光明が差した。
2-3. 光明 それは君が見たマボロシ
クライアントの担当者と組織の関係上、制作物やデザインに関する具体的な指示が頂けない状況のなか、イベント会社と具体的なデザイン案を提示しながら進める。
ただ、限られた予算の中ではデザインの直しの回数には限度があり、そんな中でクライアント上層部の鶴の一声で全く違うデザインになったり、企業ロゴ改定のタイミングと重なったりと、様々なステークホルダーの指示や要求の間で板挟みになった。
ブースデザインや制作物は余裕を持って着手したつもりだったが、結局ほぼ全て最終入稿日での校了ならぬ責了となった。
大型撮影装置に関しては輸送は運送会社が行ってくれるが、分解・組立は社内の人間しかできないため、スタジオと会場での分解・組立は社内の4名(私以外の3名は海外からの応援)で対応。ということで設営準備だけでかなり疲弊していた。
2-4. イベント会社に丸投げをするにも限界がある
当初は丸投げをするつもりだったが、クライアントから窓口としてご指名頂いたこと、そして展示会主幹企業に直接申し込まなければいけない手続きがいくつかあるため、ブースデザインやコンパニオン手配の部分は丸投げできたが、結局は自分で動く必要も多々あった。
たとえば一次電気工事、固定回線、レンタルルーター、広告(展示会公式)、Lead Managerアプリなどの申込みである。それぞれ別の窓口で、固定回線とレンタルルーターはどちらもビッグサイトだが窓口が異なっており、申し込みも支払いも別途行わなければならないので注意が必要だ。
最近はSIM付きのレンタルルーターを外部から持ち込む出展社も増えているが、公には禁止されている。理由は東京湾が近いため、不特定多数の通信機器は海上通信に影響を与える可能性があるためとのこと(そんなこと言ったら来場者の大量のスマホはどうなるのっていう突っ込みは禁止)。だからちゃんと10万円払って公式の固定回線を引いて、そこから公式の無線対応レンタルルーター(3千円)に繋ぎましたよう。
2-5. イベントを終えて
先述の通り開催当日から既に疲労感マシマシだったが、いざスタートするとクライアントからは運営サポート全般、社内からは大型撮影装置のプロモーションという二つの使命の板挟みアゲインとなりました。そして満身創痍の最終日終了直前に現れたのが奇人(失礼)145さんだったのです…。
弊社CEOは展示会での撮影装置販売目標は5台と言ってましたがどうなることやら(もちろん売るのは私)。もしこの記事が採用されたら展示会の効果検証について続編があるとかないとか。
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