Yahoo!ストア向けフルフィルメントサービス、2025年2月終了へ
ヤマト運輸は、「Yahoo!ショッピング」出店ストア向けに提供している「Yahoo!ストア向け フルフィルメントサービス」を2025年2月20日(木)で終了すると発表しました。本サービスは、新規申し込み受付がすでに2024年11月19日(火)に締め切られており、現在利用中の店舗は終了日まで継続利用可能です。今回の終了発表は、Zホールディングス(現在:LINEヤフー)とヤマト運輸が共同で進めてきた物流改革の延長線上に位置づけられます。
ドライバー不足や配送料高騰がもたらした物流改革
昨今、ドライバー不足や配送料の値上げが業界の課題となる中、Zホールディングス(現在:LINEヤフー)はヤマトホールディングスと提携し、物流改革を進めてきました。両社は、「Yahoo!ショッピング」や「PayPayモール」において、「フルフィルメントサービス」や「ピック&デリバリーサービス」を展開。
実際、この取り組みによって、ヤマト運輸は受注予測データを活用し、生産性を向上させた部分もあるでしょう。一方で、Zホールディングスは物流の負担軽減やストアの利便性向上を図り、リードタイム短縮や翌日配達の実現に注力してきました。
ただ、環境が変わってしまったということ。振り返れば、当時はZホールディングスの川邊健太郎社長のもと、EC流通総額でトップを目指し、EC事業の強化に注力していました。その後、Zホールディングスは現在のLINEヤフーへと移行し、出澤剛社長のリーダーシップのもとで新たな方向性を模索するようになりました。
LINEヤフーがEC事業への力を弱めたわけではなく、LINEやPayPayといったアセットを活用しつつ、より効率的に事業を成長させるために体制を見直した結果と言えるでしょう。そこにヤマト運輸が呼応し、これまでの取り組みを支える形で連携を続けてきましたが、こうした状況を踏まえた結果、今回のサービス停止に至ったものと思われます。
今回の終了と今後の対応
ヤマト運輸が発表した「Yahoo!ストア向け フルフィルメントサービス」終了スケジュールは以下の通りです:
- •出荷受付:2025年2月20日(木)15時まで
- •入荷受付:2025年2月17日(月)到着分まで
- •チャーター・コンテナ入荷:2025年2月15日(土)到着分まで
- •在庫返送依頼:2025年2月20日(木)18時まで(期間内に依頼がない場合、保管料が発生)
- •コールセンター対応:2025年3月31日(月)まで
サービス終了後も、ヤマト運輸は引き続き顧客をサポートするため、提携パートナー企業による代替フルフィルメントサービスの紹介や、自社出荷に関する宅急便契約の相談窓口を設置しています。
物流改革の成果とこれからの課題
Zホールディングス(現在:LINEヤフー)とヤマト運輸が進めてきた物流改革は、通販事業者にとって物流負担の軽減と顧客サービス向上を実現する成果を上げましたが、今回のサービス終了は、物流改革の一区切りを意味します。一方で、通販業界や物流業界全体の課題は依然として残されています。
LINEヤフーは、LINEやPayPayといったアセットを活用しながら、今後どのようにEC事業を進化させていくのか、またその中で、物流の新たな形をどうやって模索していくのか、引き続き注目されるところです。