吉田南歩 の感性が D2C でフォロワーに深く届く
1.D2Cとユーザーとの距離感
近年、D2C(Direct to Consumer)の動きが活性化しています。D2Cは、単に「商品が欲しいから買う」という従来型の購買行動ではなく、「どんなシーンやコンセプトに魅かれるか」を重視するユーザーとの直接的なコミュニケーションが特徴です。
こうしたD2Cの世界で注目を集めるのが、「WEAR」公式認定のWEARISTAであり、インスタグラマーとしても活躍する吉田南歩(よしだ・みなみ)さん。その感性が、ユーザーとの“距離感”を縮める大きな鍵となっています。
2.吉田南歩と「neam(ニーム)」の展開
吉田さんは大学在学中にサロンモデルを始めたことをきっかけに、Instagramで17万人以上、コーディネートアプリ「WEAR」では25万人以上のフォロワーを獲得しました。
2019年6月にはアパレルブランド「neam(ニーム)」のディレクターに就任し、独自のオンラインサイトを展開。さらにこの春からはZOZOTOWNでも販売を開始し、新たなフェーズへ進んでいます。
3.ブランドコンセプト:「fulfill my dream――今日のわたしが夢を叶える」
「neam」のコンセプトは、“fulfill my dream――今日のわたしが夢を叶える”。
モテやトレンドを追うだけではなく、「自分らしさ」と「着心地」を大切にしたい女性をターゲットに、自然体で着られるスタイルを提案しています。
特に、着丈やシルエットには徹底的にこだわったオリジナル商品が魅力。ナチュラルな素材感や季節感を織り交ぜたコーディネートは、ミレニアム世代の女性たちから高い共感を得ています。
4.季節別コーディネート
ユーザーが求めているのは「商品そのもの」だけでなく、「商品のあるシーン」で心が動かされる体験です。ここでは、吉田さんが提案する四季折々のコーディネートを一部ご紹介します。
● 春
- • ポイント:軽やかな素材感を生かした着こなし
- • スタイル例:着丈やシルエットにこだわったワンピース+淡いカラーのジャケットで、春らしいソフトな印象に。
● 夏
- • ポイント:風通しの良いリネン混素材+ブランドカラーのくすみグリーン
- • スタイル例:リネン混のセットアップに「neam」定番カラーのシャツを羽織れば、爽やかな夏コーデの完成。太めのゴールドバングルをアクセントにすると、こなれた印象に。
● 秋
- • ポイント:ショート丈トレーナーを活かしたカジュアルミックス
- • スタイル例:「neam」オリジナルトレーナー(ショート丈)+ワンショルのラップワンピを合わせ、きれいめとカジュアルを程よくブレンド。
● 冬
- • ポイント:フェミニン×ライダースの甘辛MIX
- • スタイル例:カーキ色のボアライダースにシャーリングワンピを合わせることで、甘すぎない大人可愛いスタイルが完成。小物のカラーを統一し、全体のトーンを整えるのがポイント。
5.フォロワーとの共感を育むコミュニケーション
吉田南歩さんが「neam」で実践しているのは、オンラインだけでなくリアルな場での接点づくりです。昨年6月のブランド始動以降、毎月東京や大阪のどちらかで予約受注会のPOPUPストアを開催し、直接フォロワーと触れ合う機会を設けています。
• 主な取り組み例
- • 来場者のコーディネートを吉田さんが選ぶ企画
- • フォロワー同士や吉田さんとの交流の場づくり
土日2日間で約300人以上が来店することもあり、フォロワーの生の声を聞くことで「どんなテイストや着こなしを望んでいるのか」というヒントを得られるといいます。そうしてブランドとフォロワーが同じ目線でコミュニティを築くことで、より深い共感と価値が生まれています。
6.まとめ:D2C時代の新たなものづくり
D2C時代において重要なのは、ブランドの規模の大小ではなく、誰に対してどれだけ深い価値と共感を生み出せるかです。
吉田南歩さんの「WEARISTA」としての感性は、季節感を大切にした自然体のコーディネートや、ファンとの積極的なコミュニケーションを通じて、フォロワーとの強い絆を育んでいます。
こうした“ユーザーとの距離感”を大切にする姿勢こそが、新しい時代のものづくりの在り方を体現しているといえるでしょう。