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震災 の窮地を救った 楽天 が魅せた商店街の価値

 最近は見かけることが減った商店街。しかし、その功績は大きい。なぜならそこにいる店同士はライバルでありながらその街を守る仲間だからだ。その商店街の大事さを図らずも、ネット企業が示す結果となっていたので、取り上げたい。時は、2011年3月11日、東北を震源とする最大震度7の地震が起きた、あの時である。この「東日本大震災」の際、宮城県石巻市にあるたらこ屋「みなと」の話である。

震災の被害に憔悴しきった社員に、発破をかけ、楽天の発した一言

 話に答えてくれたのは「みなと」木村朱見さんである。「みなと」は、この震災の中にあって、津波の被害が特に大きく、たらこを製品化するための業務に関わる倉庫など多くが水に浸かり、仕事を再開できる目処など、到底なかった。その想像を超える被害に、社員は皆、憔悴しきっていたのだ。

 ただ、思いがけず外からの声に促されるようにして、彼らの“エンジン”がかかって行ったというのだから、不思議な話だ。その声の主こそ、彼らが出店していた「楽天市場」の担当者の声。

私たちは東京で6月に震災復興の為のイベントをやろうと決めました。今こそ『みなと』さんもそこに出て、頑張りましょう!

 実は、楽天は震災直後から、小田急百貨店と交渉しており、その被害から間もない6月下旬に「楽天市場東北グルメ応援市」を企画して、東北地方の店舗に対して、出店を呼びかけていたのだった。

結果、東北6県から23店舗が集まった

 結果、「楽天市場 東北グルメ応援市」には「楽天市場」に出店している東北6県のショップから23店舗(青森2店、秋田3店、岩手4店、福島2店、宮城8店、山形4店 )が出展し、水産加工物、麺類、調味料、スイーツなど約150品目を販売することとなったのだ。

ちなみに、出展した店舗も記載しておく。 
【青森県】(1店)
・海藻問屋(水産加工物(海藻))https://www.rakuten.co.jp/kaisotonya/
【秋田県】(3店)
・寛文五年堂(麺類(稲庭うどん))https://www.rakuten.co.jp/kanbun/
・餃子の餃天(餃子)https://www.rakuten.co.jp/gyouza-gyouten/
・横手やきそばの林泉堂(麺類)https://www.rakuten.co.jp/rinsendou/
【岩手県】(3店)
・あさびらき十一代目 源三屋(日本酒)https://www.rakuten.co.jp/asabiraki/
・クラシックビールベアレン(地ビール)https://www.rakuten.co.jp/baeren/
・ロールケーキの花月堂(洋菓子)https://www.rakuten.ne.jp/gold/kagetudo/
【福島県】(2店)
・名代 釜庄(水産加工物)https://www.rakuten.co.jp/kamasho/
・仙女グルメの会(調味料・茶)https://www.rakuten.co.jp/sennyogurume/

【宮城県】(8店)
・愛情たらこのみなと(水産加工物)https://www.rakuten.ne.jp/gold/minato-s/
・うまい牛たん東山(牛たん・仙台牛)https://www.rakuten.co.jp/gyutan-higashiyama/
・OH!GLE(オーグル)(水産加工物)https://www.rakuten.co.jp/maruyasuisan/
・カレーのにしき屋(カレー・コーンスープ)https://www.rakuten.co.jp/nishikiya/
・牛たん炭焼 利久(牛たん)https://www.rakuten.co.jp/rikyu-gyutan/
・高野本店(麺類)https://www.rakuten.co.jp/takano-honten/
・玉松味噌醤油(味噌・醤油)https://www.rakuten.co.jp/zao-ajigura
・ムッシュ・マスノアルパジョン(洋菓子)https://www.rakuten.co.jp/monsier-masuno/
【山形県】(4店)
・いげたや(漬物)https://www.rakuten.co.jp/igetaya/
・酒田米菓(煎餅)https://www.rakuten.co.jp/sakabei/
・サエグサファクトリー(さくらんぼ加工品)https://www.rakuten.co.jp/saegusa-factory/
・やまがた特産屋(さくらんぼ)https://www.rakuten.ne.jp/gold/tokusanya/

目標が生まれると、人はそこに向かって動き出す

 とはいえ、現場の意識としては、「本当に大丈夫なのか・・・」当初は、その思いしかなかった。それが本音だ。ただ、その楽天の熱意に押されたのもあるし、「自分達を鼓舞して、頑張ろう」という気持ちもあった。

 悩んだ挙句、「みなと」はそのイベントに取り組む決断を彼らはしたのだった。しかし、そこに向けて動き出すうち、彼ら自身がそこに「生きる目標を見つけた」ような気になってきたと木村さんは話す。

 気がつけば、被災した会社の施設の中で、泥をかき分けながら「6月にこのイベントに出るために、仕事をやるんだ!」って声を掛け合っていた。

 水も電気も1ヶ月以上通らず、再開の目処が立たない中でも、「みなと」の社長は「一人たりとも解雇はしない」と公言していたという。

 そして、木村さんは当時は不安しかなかったから気づかなかったけれど、今思えば「楽天は一生懸命、私たちを外へと連れ出そうとしてくれたのだ」と振り返る。彼らがこのイベントで決死の思いで持ち込んだのは下記だった。

復興の為に、皆が動いて、それが力となった。

 僕は思う。上の社長の一言、一人たりとも解雇しないという言葉にしても、膨れ上がる廃棄処分の金額と社員を雇用するための金額を思えば、どんなにか苦しい局面だったろうと。でも、だからこそ、重ねて思うのだ。

 一歩踏み出す勇気。踏み出さなければ何も事態は変わらない。絶望の中で、彼らはその行動を選んだことで、前進したのだ。その意味で、楽天の一言は大きかったし、彼らが変化するきっかけになった。

 誰かが声をあげなければ始まらない。力を振り絞って一刻も早く立ち上がり、イベントでもなんでも掴み取って、売上を立てることは自らの事業を、社員を守る上で、きっと大きな意味を持つだろう。

 そして、「みなと」は「楽天市場東北グルメ応援市」の舞台に立った。この日のために、製造環境を整え、保健所の協力もあって販売許可も早々取得できたけど、でも、その工場の多くが水に浸かってしまったからその商品は作れても、1〜2種類しかない。売り上げは立つのだろうかという不安はあった。

 お客様に告知する環境もサーバーがダウンして整わなかった。だから、お客様は集まるのか、そんな不安もよぎった。けれど、ひたすら奮い立たせてこの日を迎えた。なんでもいい。やるんだ!と皆が懸命になって仕事をした。

商品名: 無着色カットたらこ(切子/120g) 525円
店舗名: 愛情たらこのみなと(宮城県石巻市)
商品紹介: 水産加工が盛んな石巻で、たらこ一筋30年の老舗店。丁寧な手漬けが人気の秘密で、楽天市場のたらこランキングでは常に上位。

 すると、当日、驚くことに、そのイベントには実に、多くのお客様が詰めかけていた。自分達の力ではなしえない大きな力が働いていた。

あの時の行動がなければ奇跡はなかった

 関係者総出で、このイベントの告知をしたのであって、また、一方で、このイベントを知るや否や、中には新幹線に乗ってまで、きてくれたお客様がいたほどだった。中には彼らが出店していた催事「楽天 うまいもの大会」の常連客もいたという。その内容については、この記事にゆずるが、楽天市場に集まる店舗が催事を通して、集まり、そして力を合わせる、まさに「商店街」イズムが溢れたものなのだ。

 この復興イベントは、うまいもの大会同様に、楽天市場に出店する店舗の支えあいがお客様の満足度を高め、その商品を堪能し、そこに活力を得て、売る側も、買う側も勇気をもたらした。

 あのとき、もし嘆いてばかりで勇気を持って一歩を踏み出さなければ、今はなかったのかもしれない。その一歩の重みを感じるとともに、諦めないことの大事さを身をもって感じた。

 そして、彼らは、いつもと変わらぬ表情で、その年の秋に開催された「楽天うまいもの大会」に、参加していたのである。でも、その裏側では「みなと」の社員一同、皆、こう叫び、泣いたというのだ。「私たち、ここに帰ってこれたね」と。楽天市場はネットの企業だけど、彼らがもたらしたのは、楽天市場内の店舗同士の支え合いだし、商店街さながらの信頼なのだ。

 震災の窮地はまさに、そんな商店街のイズムが支えていたのだと思う。

今日はこの辺で。

関連記事:楽天 うまいもの大会 2019 祭りの賑わい 熱き商店街魂

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