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地方創生 に 成功 した 日本の窓 十和田 に文化と雇用を生む

“地方”十和田の渓谷

 今やインターネットなどが浸透し、場所を問わなくなっている世の中だから、今こそ 成功 例を見ながら、地方には地方の価値を認めることから始めたい。そこで果たす企業の存在は大きく、いかにしてそれが生まれ、地域の財産を尊重し、その場に雇用を生み 地方創生 に寄与したか。ここでは 十和田 の事例をあげたい。地方には、誇れる匠や商品、企業が存在すると思っていて、特に地方を中心にまだ発掘されていないものがあるように思う。

1. 地方創生 を 成功 に繋げた地元への企業誘致

1-1.地方創生とは

 地方創生を理解するに当たって、「まち・ひと・しごと創生法」を見ると第一条には、こう触れられている。

少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために、まち・ひと・しごと創生(※)に関する施策を総合的かつ計画的に実施する。

※まち・ひと・しごと創生:以下を一体的に推進すること。
 まち…国民一人一人が夢や希望を持ち、潤いのある豊かな生活を安心して営める地域社会の形成 ひと…地域社会を担う個性豊かで多様な人材の確保
  しごと…地域における魅力ある多様な就業の機会の創出

まち・ひと・しごと創生法 第一条

1-2. “地方”十和田を支える「日本の窓」

 僕はその実態を探るべく、十和田にやってきた。ここには、緑に溢れ美しい渓流も、壮大な十和田湖もある。しかし、こうした豊富な観光資源を持ちながらも、いざ市街地を見ると、シャッターが閉まっている店も少なくなく、若干悲壮感が漂う気もする。一見すると、地方創生とはかけ離れているように思われたのだが、決してそんなことはない、そう思わせる事実があった。

“地方”を支える「日本の窓」
“地方”を支える「日本の窓」

 尋ねたのは十和田に本社を構える「株式会社 日本の窓(ニッポンのマドと読む:以下、日本の窓と表記)」という企業で、今日は、その工場にやってきた。同社は、木製サッシの製造をしていて、誕生したのは今から数年前。

 もともとは2015年に、みちのく銀行と十和田市との間で「地方創生に関する包括協定」が締結されて、そこに基づく金融支援がある。いわば官と金融がスムーズに連携して企業誘致を進める体制を構築することで、誘致企業の進出ニーズを喚起していこうという動きであり、そこで「日本の窓」への融資があり、会社の誕生となったのだ。

 しかし、その日本の窓は、今や28名のスタッフを抱え、地域に雇用をもたらしていて、立派な地域の立役者だ。

2.「窓」で住宅建築の常識を覆し、日本を変える

2-1.木製サッシの重要性をとき、そこには地元の木材が

 もともと「日本の窓」代表取締役 中野渡利八郎氏は既に東京で「株式会社東京組(以下、東京組)」という注文住宅やデザイン住宅を専門に施工する工務店を経営している。日本の住宅は圧倒的にアルミ製サッシが主流の中、木製サッシであることの必要性を誰より強く説いている。

 それを受けて、日本の窓が強調するのは、充実した住宅環境だ。日本は物作りの先進国と言われて久しいが、住宅においては別で、特に窓の断熱性能に関しては最低基準すら定められていない。

 それ故、依頼主も建築士も、大事な事に気づけない。同社は、日本の住宅の窓においては、安価で扱いやすいアルミ製が重視されているわけだが、断熱性能を鑑みれば、木製サッシがもっと普及するべきだと主張しているのだ。アルミ製サッシがどうこう言っているのではなく、木製の良さを知らしめ、お客様にその選択の幅を広げようとしている事にこの会社の価値があると思う。

“地方”を支える「日本の窓」
“地方”を支える「日本の窓」

2-2.木製サッシの必要性がこの地域の価値となる

 木製サッシはアルミ製と比べても、いざ火事が起きた際にそのものが溶けにくく形が崩れない。なので、その分時間稼ぎができて、その被害を人間から守れる、という大事な側面がある。

 実用面だけではない。中野渡さんは海外の住宅事情にも精通していて、インテリアの一部としてセンスの良さが際立ち、上質感のある雰囲気を醸し出すのは木製サッシが一番だとしている。

 つまり、自らの経験に基づき、木製サッシの重要性からそれを持ってして、地元十和田へと貢献させようとしたのである。

2-3.「窓」で住宅建築の常識を覆し、日本を変える

 十和田にある「日本の窓」という企業の考えは、窓を通して、日本の住宅建築の常識を覆し、その答えとして、木でまっとうな窓を作る、という理念へと繋がっている。

 そして、ここは“地方創生”に結びつく。八甲田山にのぞむ豊富な緑は、青森の強みで、木材もまた青森県のスギの木にしようとこだわった。であれば、とそれを生かすべく、この十和田に製造工場を作ろうと決意したのだ。

 そして木製サッシに関して、この工場にふさわしい設備と環境を備えた。作業過程で効率化を測って、コストを最小限に抑え、その定価を下げてユーザーにとって敷居が高すぎないように配慮したのだ。全ては多くの人に木製サッシの素晴らしさを実感してもらうために、だ。

 自然への理解があるからその資源を生かし、自らの想いとともにビジネスを立ち上げ、雇用を生んで、日本のユーザーに喜びをもたらし、結果、生まれ故郷に恩返しをしている。

3.地方 に雇用をうみ、十和田の活性化に寄与

 工場長はこうも話す。「ここのスタッフは僕以外は皆、十和田出身です。また、専門家がいたわけではなく、皆が木の勉強から始め、大掛かりな機械の使い方に至り、木製サッシ製造の難しさと向き合い、半年の年月をかけて勉強を重ねた上で取り組んでいます。」

「勿論、この姿勢は自治体にも伝わっていて、それらの施設にもこの木製サッシは取り入れられているなど、多くのお客様と共に、事業も年々、順調な成長を見せています」と。

やっぱり、この企業は地方の活性化をもたらす立派な立役者であり、十和田の中における良質な循環が生まれている。そして全国に広がっている。

 ここにきて、改めて思う。今、地方に求められるのは「どうやったら良いか」と誰かに教えを請うことではなく「まずは自ら考え、早く行動を起こすか」という主体性なのではないかと思う。都会であろうが地方であろうが同様に失敗も成功もあって、何かを理由にして行動しない人は何も変われない。

 だから、地方で、一歩踏み出した「日本の窓」の取り組みが意義を持つ。なぜならこの企業を見て「我こそは」と自ら奮い立たせられるかどうかが、一番地方の活性化にとって一番、大事なことだし、そこなくして、地方創生などないと思うから。

 日本の窓に続く、十和田の新しい扉を開く企業は、どこか。十和田以外もそうだ、全国の地方の大きな一歩が、日本の明日がかかっている。

今日はこの辺で。

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