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ラジオ出演:ファッションでの継続顧客は“収納”で獲得?

77.6FM 「FMドラマシティ」エーデルワイスファーム野崎創さん司会「connect」に、11時から生放送(毎週木曜AM11:00から)に出演しています。

今話題の、今注目の・・・様々な問題やテーマについて切り込む時間。今回話したのは・・・

——————–

野崎さん:今日は、ヒットの生まれ方と、育て方を考える「145マガジン」の編集長 石郷 学さんと生放送でお送りしております。

今週のトピックは、どんなものになるのでしょうか。

ファッション好きと収納の因果関係

石郷:今週は、ある業務提携の話をしようかなと思います。ファッション通販サイトをやっているマガシークと、収納のサマリーポケットを提供しているサマリーという会社の業務提携の話に注目したんです。

一見すると、サマリーポケットは収納サービスであって、例えば、どこかにものを預けるとなると、トランクサービスを使うんですけど、もっとライトに段ボール一箱単位で、送ると、その預けたものが、管理されて、それがスマホで見れるというもの。

言うなれば、リアルなものをクラウドに預けるみたいな感じに近くて、部屋の中にいながらにして、倉庫に預けたものをスマホに預けられるわけですから、非常に現代的。

ここの会社さんが、マガシークと業務提携をした。これってなんでだろう、ってなるんですが、よくよく考えると、わかる。アパレルが好きな人ってクローゼットの中に、洋服、靴、帽子が「家にある」わけです。

部屋が散らかりやすいという要素があるわけです。ファッション好きな人はつい買っちゃうよねという心理を逆手にとって、だったら倉庫に預けちゃおうよっていう話なんですよね。

「収納で常に関係性を構築する」その着眼点が良い

具体的には、マガシークの会員の人に対しては、最初の一箱は、1ヶ月百円で保管してくれるそうです。要は、保管とファッションは親和性が高かった、という話なんですよね。

関連記事:マガシーク サマリー 提携 買って 預ける 今時 ファッション

石郷:単純に利便性を高めるということはあるのですけど、僕が注目したのは、収納っていうのを抑えることで、継続顧客につながるっていうところなんです。

マガシークを優先して、ものを買うようにしてもらうために、倉庫で服を預けてもらえばいい。関係が構築されているので、お客様とのエンゲージメントの部分を高める要素になりうるなと。

一見関係のない、倉庫のサービスを手に入れることで、エンゲージメントを高め、またマガシークで買ってもらうようにするという着想がなるほどな、と思ったわけです。

そしたらファッションからオークションもありでは?

石郷:今のブランディングという部分においては、協業したりして、俯瞰的に、何ができるかを考えることが大事なんだな、という話なんです。

野崎さん:確かに。エンゲージメントを高めるために、どうお客さんにアプローチしていくかは、大事な問題。難しい。買っていただいた後、あんまりすごくメルマガが来ちゃうと、(メルマガを)止められちゃう、なんてこともあります。

お話を聞いていて思ったのは、お客さんとの接点が少なくなると、イコール、それは、数字に見事に反映されていくわけですから、その意味では、利便性や話題性など、あらゆる観点からフォローしていかないといけないんだな、ということ。その反面、思ったんですけど、こういうサービスがメルカリと繋がったら、面白いな、と思いますね。

僕も、ファッションここ5年くらい興味を持ち始めて、自分で選んで買うのは勿論、メルカリでも買っていますからね。そういうところで言うと、靴とか服とか、ある程度使って、まだ使えるなと思った時でも(持ってるのが)面倒くさいなと思って、捨てちゃうんですよね。それをもったいないな、と思うので、そこでつながったら、って思いますけど、どうですかね?

石郷:そうですね。それで言えば、「PayPayフリマ」というのが最近、あって、最近、ZOZOが関連会社になったので、そこで買ったものは、そのまま商品データが残っているので、その商品データを元に、すぐに、PayPayフリマに移行して、出品できるというのを始めていたりしますね〜。

関連記事:“ZOZOTOWN”購入品を3stepで“PayPayフリマ” 出品 可に

野崎さん:そりゃすごいな。面白いなぁ、やっぱり。僕は思いますけど、こういうのこそ、大事だな、と。インターネットだからこそ、初めてできること、生まれてくること、あると思うのです。

さっきのオークション的な話だって、そういうのがネットであれば、その分、ファッションに触れる機会、増えるはずなんですよ。今まで興味を持っていたけど、手を出せなかったファッションとかあるはず。少しでもそうやって、巡り逢える機会が増えたらいいはずなんです。

それはファッションに限った話ではなく、家だって固定化することなく、家を転々と変えていくということなんかがあると面白いと思ったりするんですよね。ものに固執しない感覚。僕なんかやってみたいですねー。じゃ、一曲入れましょう〜〜〜。

♪♪(後半)

野崎さん:さて、石郷さん、二つ目の話題は?。

SNSで時代の寵児になれてもそのあとが大事に

石郷:エンゲージメント繋がりなのですが、インフルエンサーに、ハヤカワ五味ちゃんという子がいまして、彼女が、「まさにエンゲージメントをどう高めるのか」ということに興味を持っているっていうことなんですよね。

ご存じない方もいると思うので、彼女について、説明すると、バストの小さめな女の子に対して、インナーを提供して、それ自体はネガティブに捉えられがちなところを、敢えて、シンデレラバストと言って、それに見合うインナーを提供したんです。学生時代に起業して6年目になる。じゃあ、その子が、なぜに継続顧客なのか、ってことなんですよね?

やっぱり、SNSで自分の発信はできる時代ではあるのだけど、彼女はもう少し先を見ていて、結局それが、注目を集めたとしても、継続できなければ生きていけない、というのを直感しているんだろうな、というのを感じまして。

生理商品を通して、若い女性に健康の重要さを説く

彼女から、「実は商品を考えていまして」ってわけなんです。紹介されたのは、女性の「生理」をテーマにした、サプリメント。要は、チケットサプリと言って、ブルーに飲む時3 DAYSみたいな使い方をしているのですが、これを契機に、継続顧客のつかみかたを考えていきたいというのですよ。

さっきのマガシークは「小売がいかにエンゲージメントを高めるか」っていう話でしたが、彼女は彼女で、「商品を企画する側」としてどうエンゲージメントを高められるか、という視点なんですよね

関連記事:“生理”というタブーに 商品 で物申す ハヤカワ五味 の挑戦

彼女曰く、20代前半であっても、女性にとっては子宮頸癌など、病気のリスクが高いのに、モテたい、とかそういう方に走ってしまいがちなので、気づかず歳を重ねてしまう。だから、気づかせるために、生理というテーマを作って、そのテーマから生活に入り、そのお客さんとエンゲージメントを高める中で、女性にとっての充実をいかに追求できるか、っていうのを考えるようになったんですと。

「良いもの作っていれば、売れる」という考えは間違い

石郷:そこで、彼女からお願いされてですね、やずやの重鎮である、西野さんと会いたいと。折角だからと僕は、西野さんと彼女をマッチングして、対談をしてもらったんです。西野さんの話を聞いていると、本質的なんですよね。2人の年齢差50歳なのだけど、乗り越える何かがある。

野崎さん:本当に時代が変わりましたが、変わらないものだってあるんだと思うんですよね。それは人の心かなと。商品情報を発信するだけに、集中していくと、継続はしない。ただ、良いものを作っていれば良いというのではない、これは散々、言われていることなんですけどね。

これはありがちな話なんですけど、「良いもの作っていれば、売れる」といって、良いもの作っていても会社はなくなっていくという。

これはメーカーに限った話ではなく、飲食店もそう。良いもの作ってるのに、なんでお客さん入らないんだろう、って言っていたりする。その一方で、お客さんは、あそこはなぜ入っているんだろう、と勉強されているところは違いますよね。大事なのは、そこの人の心なんですよね。

人と人との関係性は永遠に

石郷:まさに、人なんですよね。やずやさんって、良い商品を出していたりするんですけど、西野さんの話を聞いていて、思ったのは、商品と一緒に人をセットにして販売していたりするんですよね。だから、常に、コールセンターのコミュニケーションが商品と紐づいている。

つまり、商品自体はずっと同じで、変わらないんですよね。でも、コミュニケーションが変わっていくんです。出会った頃のお客様の対応と、ある程度、関係性ができてからの部分が変化してきている。徐々に。

計算されていて、最初の頃は「小さな実感」というのを西野さんが言っていて、買っていただいたとしても、薬じゃないのでいきなり変化はない。じゃあどうするか。実際には、健康補助食品だから、じわりじわりと変化していくわけで、「どうですか?」というやりとりを大事にしていくみたいなんですよね。

そうすると、変化が生まれているので、「確かによくなってきた」というのを一個一個、積み上げていくと、そのうち、それが徐々に会社への信頼へと変わっていくんですと。

商品以外の要素で信用をどう作っていくか?

石郷:この人、企業の言うことを信用して良いんだな、と言うことにつながっていく。関係構築ができて、会社への信頼へと変わった瞬間に、お客さんから、「何をしたら良いの?」と言う質問になっていき、その質問に答える中で、こういう商品にしたらどうですかと。

そういう具合に、徐々に商品への意識から会社への共感へと移っていくんですよね。期待感が生まれる中で、目標設定をして、徐々にアドバイスに変わっていく。だから、商品は同じですけど、コミュニケーションが常々変化しているということ自体が、やずやとお客さんとの間に、深い関係性を生んでいるんだ、と。

それを通して、先ほどの、ハヤカワ五味ちゃんの視点は、女性全般の健康の悩みに応えたいんです、というわけで、非常にプラスに働くことが多いですよ、って西野さんも話をしていました。

専門店が本当にやるべきこと

野崎さん:それに関連してなんですけど、今の時代って専門性が問われているような気がするんですよ。今、「専門店」って増えているじゃないですか。例えば、うちもそうなんですけど、ハムやベーコンを展開しているんですが、そこだけを見ていたらいけないな、と思っていて。

そこから物事を俯瞰しなきゃいけないな、と思っていて、お客様がたの生活文化を豊かにする、っていうのは、僕の頭の中に入っているんですよね。じゃあどうやったら、それが豊かにできるんだろうと。

例えば、食べ方だったりとかですよね。あとは調理の仕方ですよね。火の通し方であったり、スパイスの入れ方だったり。原材料の違いとか。

さらにそこから俯瞰していくと、どのパンと組み合わせたら良いのだろうと。どのバターがいいとか。どういう調理の仕方を他の人はしているのかとか、俯瞰してみると、これができるようになると、様々な発想ができるようになっていると思っている。

さっきのオークションっぽいの話もしかり、そういう俯瞰的に見た発想って、これからの時代、ますます必要になってくるのではないかな、と思うんです。

事前に商品を調べてくるお客様が増加してきて、自分のやるべきことが見えてきた

石郷:確かに。そこを考えられている人と、そうでない人と差が出ますよね。

野崎さん:ここ最近、コロナになって買う要素が変わってきたんですよね。今までですと、店頭で試食をする。それを「返報性」と言うんですが、買わなきゃいけないかな、というのがあって、購入に至る。

ですけど、最近は、先日も、全国何ヶ所かの催事に立ってみて感じたことなんですが、「この商品、どんなものなのか」「どういう評価されているのか」「どういう作り方をしているのか」という具合に、一歩踏み込んだ視点で、気に留めてくれるようになってくれたんですよね。

踏み込まれた時に、我々のお客様と考え方と違うことはあって当然、それは今までもありました。ただ、これからは、それ以上に自分自身が、そういう部分について話せるか、そこをしっかりしないといけないわけですよね。それは、さっき話をしていたコミュニケーションとも関わってくる。

人として、この人から買ってみたい、この企業から買ってみたいというのが、今いちばん、問われているんじゃないかな、と。

だから、今改めてやらなきゃいけないなと思っていることがあります。それは、僕の手料理で、食べ方講座であるとかなんです。僕は、料理をするというのは、化学反応だと思っていて、肉だけ焼いてもおいしくなくて、スパイスや塩がなければおいしくないのですよ。

そんなのをどんどん、自分たちなりに、私たちの商品に合うのか、どうか、それをやるべきなんです

珈琲屋「盛彦」が見せた、コーヒーの入れ方へのこだわり

野崎さん:札幌で有名な「盛彦」というコーヒー屋さんがあるんですけど、そこが出しているのが、コーヒーの入れ方で、わざわざ紙媒体で書いて、お客さんに出しているんですよね。

コーヒーの入れ方一つでも、同じコーヒーなのに、なぜかおいしくならないってことあるじゃないですか?そこに応えているわけなんです。

うちのハムやベーコンで言えば、焼き方が違っていたり、あとは、変に、考えすぎて、油を引いちゃっていたりして、本来の美味しさを味わえていなかったりするんですよ。それが違うということを明示する、ということですね。これ、しなきゃおいしくならないよと。それを「盛彦」さんは、コーヒーでやっていて、うちもまだまだ、それができていないなと。

催事に出て、現場で良いヒントをいただいて、それは、コンテンツっぽくしていくことが大事だということ。そして、そこがお客さんとのコミュニケーションを増やしていくってことなのかなと。

・・・ってもうこんな時間ですよ。お時間が来てしまいました。今日はありがとうございました!


77.6FM 「FMドラマシティ」エーデルワイスファーム野崎創さん司会「connect」この番組は、「エーデルワイスファーム」野崎創さんの司会によるもので、北海道を中心としたものですが、全国どこでも聞くことができます(PCの場合、Flashプレイヤーが必要です)。野崎さんは、「メディアは身近なものになったんですよ。 だからこそ、発信力がある人が中身あることを継続してやれるかどうか。 そういったお話を一緒にぜひ作りましょう。」と声をかけてくれて、僕の「アナザーエディション」というコーナーが始まりました。許される限り、隔週で出演してます。

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