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ハンガリー 2019年 オンライン 小売 の状況 売上高15%UP

企業動向

 ジェトロ(日本貿易振興機構)は、ゲーカーイ・デジタル(ハンガリーの民間デジタル市場調査会社、以下GKI)とアールケレシュー(同国の価格・製品比較サイト)が ハンガリー における 2019年 版の オンライン 小売 市場調査結果を発表した内容について発表を行っているので、ここで紹介したい。

ハンガリー 2019年 オンライン 小売 上昇

 この調査によると、ハンガリーの2019年のオンライン小売販売売上高(税抜き)は4,922億フォリント(約1,723億円、1フォリント=約0.35円)。前年比15.8%増。 2019年の小売り全体の売上高伸び率(前年比6.2%増)と比較して、約2.5倍の増加率となっているのだ。異国離れたハンガリーでもネット通販は徐々に広がっているということだ。

オンライン小売販売売上高(左軸、10億フォリント)と 小売販売売上高に占める割合(右軸、%)
オンライン小売販売売上高(左軸、10億フォリント)と 小売販売売上高に占める割合(右軸、%)

 また、GKIの世帯調査によると、2019年時点で、インターネットが利用可能な成人の55%、約330万人がオンラインで製品を購入したことがあるとのデータがある。では、1年間のオンライン注文数はどのくらいかというと、1人当たり13.2回。1回の購入額(税込み)は約1万4,000フォリントだった。 1年間に換算すると約18万4,800フォリント。(7月7日時点で言えば、1 フォリント は0.34 円。)

オンライン 小売 が上昇しつつも諸外国より ハンガリー は遅れ気味

 つまり、かなりの割合で、オンラインで製品を購入する習慣はついているのだが、スタートラインがそもそも違うので、他の中・東欧諸国に比べると、オンラインショッピングを利用している人の割合には、後れを取っているといわざるをえない(下記の図を参照)。

過去12カ月でオンラインショッピングをした人の割合(%)
過去12カ月でオンラインショッピングをした人の割合(%)

ではどこが売れているのか?

 GKIが2019年5月28日に発表した「e-Toplist」によると、オンラインショップ上位10社は、下記の通りである。日本人にとっては馴染みのない名前かもしれない。ただ、2018年に500万件を超える注文を受け、約1,500億フォリントを売り上げたと言われる。 ただ、ハンガリーで営業している5,000以上のオンラインショップのうち上位10社のマーケットシェアは2018年に35%で、前年から2ポイント低下していて、オンラインショップの中身については、多様化しているということが言えるだろう。

 表:国内オンライン純売上高(推定)上位10社(2018年時点)
表:国内オンライン純売上高(推定)上位10社(2018年時点)

宅配の需要はあるが、店舗での受け取りも多い

 では、ネット通販におけるインフラ、配送についてである。基本的に、受け取り方法は、2019年時点で宅配を選択する割合が52%と最大だった。この背景には、宅配サービスが進化を続け、電話などで配達時間の指定や電話での時間調整も可能になっていることが言える。

 オンラインショップと実店舗をつなぐ世界のトレンドがハンガリーの業界にもより強い影響を与えていて、その最たる例は、顧客がオンラインで注文した商品を選択した店舗で受け取る「クリック・アンド・コレクト」である。

 また、ハンガリーで電子商取引を扱う宅配会社の多くが宅配サービスのレベルを上げてきており、国内の5大物流サービス事業者(MPL、GLS、DPD、スプリンター、エクスプレス・ワン)は、それぞれ独自の集荷ネットワークができている。MPLとGLSは、受け取りボックスも設置しているのである。

 今度は、受け取りボックスの役割も拡大していて、利用可能なボックス数は1年間で2倍。結果的には、2020年初めまでに国内に200カ所以上設置された。B2Cのオンライン小売市場に加え、セルフサービス型の配送サービスにより個人間の発送も容易となり、今度は、これが個人間の売買(C2C)市場の拡大にもつながっている。

マーケットプレイスは少ないが、必要性が向上しつつある

 日本や米国などでは、Amazonのようなオンラインマーケットがプレイスが存在感を見せているが、GKIによると、ハンガリーではそのようなものははまだ少ないようだ。

 手工芸品に特化したメシュカや、農産物に特化したアグロインフォームなどの専門プラットフォーム、C2C向けのプラットフォームであるヨフォガシュやバテラなどがあるが、国内で最大なのはルーマニア系企業のeMAGが運営するマーケットプレイスである。

 同社のプラットフォームで製品を販売しているハンガリー企業の数は4,000社に達し、2年間で4倍以上になっており、成長ぶりをうかがえる。同社は2021年春までに1万社を目指すとしていて、今後、更なる成長が見込めそうだ。なお、そこまでの拡大ができると意気込む理由には、同社との販売契約にかかる期間は約1週間で、全て電子上で行えることを挙げている。

 eMAGの躍進からもわかるように、ハンガリーの小売企業の中でもオンラインマーケットプレースの人気は高まっている。GKIの推定によると、4,500社以上が国内または外国のオンラインマーケットプレースと契約し、2018年には約120億フォリントの純売上を上げている。

クレカの利用はまだ少ない

 同じくネット通販をする上で、重要な「決済」についてである。2019年6月にGKIが発表した別の調査によると、オンラインでの商品購入の支払方法として、半数以上が代金引換を選択している。クレジットカードを選択する人が増えているものの、まだ主流ではない。

 理由としては、現地の消費者の習慣や支払データが悪用されることへの懸念などが挙げられ、以前の日本がネットの決済にいだいていたような雰囲気が残っていると言えよう。

 一方で、そうした層の人々も代金引換のオプションを持たない外国のオンラインショップへの支払いに関しては、カード払いに抵抗感がないとする。外国のオンラインショップの利用度に応じて、クレジットカード払いを選択する人の割合も増加していくとみられる。

外国に対しての注文はあるのか?

 最後に、ハンガリーの消費者にとって、海外のマーケットには興味があるのかということになる。外国のオンラインショップは、ハンガリーの消費者の中で存在感を強めていて、冒頭のGKIとアールケレシューの調査によると、2019年に約200万人超が外国のオンラインショップに約1,700万件の注文をしていたという。

 GKIが2019年11月に発表した調査結果によれば、オンラインショッピングで外国から商品を購入する理由として回答者が挙げたのは、まず「価格の低さ」、次いで「国内で入手できない製品やブランドを入手できること」だった。外国からの購入経験については、57%が経験ありと回答した。また、約3分の1が「経験がなく、今後注文する予定もない」と回答した(下記参照)。

外国のオンラインショップから商品を注文したことがある人の割合
外国のオンラインショップから商品を注文したことがある人の割合

 なお、外国の販売者からオンラインで商品を購入した人の割合を中・東欧諸国で比較すると、ハンガリーは、スロベニア、スロバキア、クロアチアに次いで4番目になるようだ。

 世界的に見ても、eコマースは拡大しており、それに伴い配送環境の整備や、決済の環境も変わりつつある。また、マーケットプレイスもまた成長を見せており、ここに多くのショップが増えるにつれ、それらが相対的に、この市場の価値をアップさせ、利用者を増やしていくことになりそうだ。

参考:日本貿易振興機構

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