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“ドライバー不足”に挑む ライナロジクス Hacobu 連携

 ライナロジクス と Hacobu (ハコブ)という二つの会社が業務提携を行った。

 最近、宅配クライシスと言って、最大の問題点はドライバーの数がそれの業務を遂行するのに達していない事にある。出荷数において“ドライバー不足”に対してメスを入れようというものである。細かく理解するというよりは、こうやって物流も進化していることを実感してほしく、書いた次第だ。

ライナロジクス Hacobu が何故に ドライバー不足 を解消できるのか?

1.ドライバー不足が生まれる理由とは

ライナロジクス と Hacobu (ハコブ)の話題に入る前に、配送の環境についていかに深刻かを問題提起したい。背景にあるのは通常の配送に加えて、ネット通販が日用品にも使われることになったことが挙げられる。市場規模が大きく拡大し配送が増えた。これが今の配送問題を引き起こしていると言っても過言ではない。

関連記事:“eコマース”の 成長 “実店舗”の現実〜小売の未来を考える

関連記事:ネット通販 が躍進する程 宅配クライシス が深刻になる理由

2017 年データで言えば既に配送の荷物の量は42億個。ここ10年で10億個も出荷数が増えている。このコストが大きくなれば小売の価格にも響いて、消費者にも価格面でマイナスに作用するわけだ。

また、日本の物流トラックドライバーの労働力は2027年に需要分の25%が不足。96万人分の労働力需要に対し実に24万人分が不足と推計されるとのデータもある。(「BCG調査」の調査)。急激なネット通販の成長は拍車がかかるから、その課題解決は急務なのである。では、ライナロジクスとHacobu(ハコブ)は、そこにどう切り込んでいくのだろう。

2-1.AIの配車システムが輸送時間などの最適化へ

まず注目したいのは、ライナロジクスが、提供しているAI自動配車システム「LYNA CLOUD」の存在だ。これは配送オーダーを入力するだけで必要な車両台数を素早く見積もりをしてくれる。また、AIが1台1台の配送ルートを自動で作成するようにしてくれる。

つまり、ドライバーの仕事そのものの無駄を削減しする。そして、配車業務の効率化、輸送時間の最適化をもたらして、問題を解決しようというわけだ。

2-2.トラック予約システムが倉庫内作業の非効率性などを解決

一方で、Hacobu(ハコブ)は、トラック予約受付サービス「MOVO Berth」を提供している。これは荷積み、荷降ろしを行うバースの予約や物流施設における入退場受付をオンライン上で管理することができる。

つまり、これにより、ドライバーの働くインフラ部分の無駄を削減。ドライバーの長時間待機の問題、物流拠点の庫内作業の非効率性の課題解決に寄与しようというわけなのだ。

配送計画と物流施設のバースの状況が連動して業務が効率化できる

これら両サービスをAPI連携すれば、配送計画作成時に物流施設のバース空き状況の照会、バースの予約確定後に自動で配送計画への反映が可能になる。よって配送業務、庫内作業の効率が飛躍的に高まる。なお、このAPI連携の実装は2020年内を予定している。

両社が補完しあって、提供する環境は確実に、その業務効率化並びに、労働環境も変えていく可能性を秘めている。冒頭話した、ドライバー不足の話も相まって、これらの連携が果たす役目は、大きい。物流会社のみならず、各所に与える影響も含めてだ。

テクノロジーの進化は人間と対峙するものではない。リアルな場面で救いの手を差し伸べ、結果、人間の働く環境をよくしていくのである。これにより、小売の環境も改善することを祈りたい。